二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re:第百八話 ウェイガの一手 ( No.277 )
日時: 2012/11/18 19:04
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: Dj5QpmsJ)

「ポコキング、シャドークロー!」
攻撃力が最高となったポコキングが、影の爪を伸ばして襲いかかる。
「マカドゥス、かわして十万ボルト」
マカドゥスは後ろへ下がって爪の一撃を避け、すかさず強烈な電撃を放つ。
「雷パンチで吸収せえ!」
ポコキングは拳に電撃をまとい、十万ボルトの電撃を吸収、より強力な雷パンチをマカドゥスに叩き込む。
「ぐうっ、流石に腹太鼓は馬鹿にならんな…」
効果今一つといえど、腹太鼓で大幅な火力アップ、さらにマカドゥスの耐久も低く、ダメージはかなりのものと見える。
「ポコキング、攻撃を緩めるな! シャドークローや!」
続けざまにポコキングは攻撃を繰り出す。
再び影の爪を伸ばし、マカドゥスに迫る。
「それならばマカドゥス、電磁波だ」
マカドゥスは素早く微弱な電磁波を放ち、ポコキングを麻痺状態にしてしまう。
「けっ、小癪な作戦を…ポコキング、気にするな! シャドークローで突っ込め!」
麻痺をものともせず(と言いたいところだが、ポコキングの動きは遅くなっている)、ポコキングはシャドークローで攻撃してくる。
「マカドゥス、かわしてダイヤブラスト」
動きが遅くなったポコキングの攻撃をマカドゥスは余裕を持って避け、そこから煌めく爆風を放つ。
「ッ、ポコキング、雷パンチで打ち消せ!」
ポコキングは電気をまとった拳でダイヤブラストを打ち消す。
「そのまま反撃!」
しかし、ここでポコキングは麻痺が発動し、体が動かなかった。
「今だ、ダイヤブラスト」
そこにすかさずマカドゥスが爆風を放ち、ポコキングを吹っ飛ばす。
「ポコキング! けっ、さっきからちょこまかと…!」
クルサの顔から、次第に嘲るような表情が消えていく。
「よっしゃ、一発かましたるわ。覚悟せえや!」
そして、クルサは叫ぶ。

「ポコキング、ギガインパクト!」

ポコキングが膨大なエネルギーを身にまとう。
エネルギーが最大になったところで、ポコキングは地を蹴って一気にマカドゥスとの距離を詰める。
「勝った…!」
クルサの表情に余裕が戻る。この距離まで迫れば、ギガインパクトを避けるのは不可能だ。
だが。
ウェイガは、そんなクルサの常識を軽々と塗り替える。

「マカドゥス、身代わり」

瞬間、マカドゥスが消えた。
ポコキングのギガインパクトは、今までマカドゥスがいたところにあった『何か』を吹っ飛ばしただけに終わる。
そして、
「私の勝ちだ! マカドゥス、十万ボルト!」
ポコキングの後ろから現れたマカドゥスが、すぐさま強烈な電撃を放つ。
「何ッ…!?」
「貴様のポコキングが攻撃する瞬間、マカドゥスの体力を一部を使い身代わりを出した。ポコキングが破壊したのは身代わりにすぎん」
仮にマカドゥスが守るを覚えており、それを使っていれば、攻撃が通らなかったことになり、ギガインパクトの反動はなくなる。
しかし、今ポコキングは確かに身代わりを『攻撃した』。
ギガインパクトの反動で、ポコキングは動けない。
電撃をまともに浴び、ポコキングは戦闘不能となる。


「ナットレイ、メタルクロー!」
ナットレイの鋼の爪が一斉に伸び、ドラピオンを切り裂く。
「チャンス! ドラピオン、受け止めろ!」
しかしドラピオンは鋏で三本の触手をまとめて受け止める。
「もらったぜ! ドラピオン、炎の牙!」
ドラピオンは触手を引っ張りナットレイを引き寄せ、炎を灯した牙で思い切り噛みつく。
「しまった、ナットレイ!」
いくら耐久があるといえ、四倍のダメージを喰らったナットレイは戦闘不能となる。
「ありがとうナットレイ、休んでて」
アサツキはナットレイを労い、ボールに戻す。
「さあ、次来いよ。誰が来ても、あたしの勝利に変わりはないけど」
アンタレスの顔には、十分な余裕がある。
アサツキは次のボールを取り出すが、少し躊躇する。
中には勿論アサツキの切り札が入っているわけだが、
「…ま、この子でいいや。出ておいで、フシギバナ!」
アサツキの不動のエース、フシギバナが現れる。
「普通よりでけえな、そのフシギバナ。だが、大きいから強いとは限らない。ドラピオン、ダークカッター!」
ドラピオンは黒い刃を飛ばす。
フシギバナにまともに命中するが、しかし、フシギバナは少し目を細めるのみ。
「…?」
アンタレスの表情が曇る。
そんなアンタレスにアサツキは両手を合わせて言う。
「ごめんね、先に謝っておきます」
そして、アサツキはフシギバナに指示を出す。

「フシギバナ、大地の怒り!」

フシギバナが地面を踏み鳴らすと同時、地面が割れ、大量の土砂や瓦礫が噴き出す。
一瞬でドラピオンは吹っ飛ばされ、地面に落ちて戦闘不能となってしまった。
「…は?」
呆然とするアンタレス。アサツキが謝った意味が分かった気がした。
しかしそこは七将軍第三位。すぐに勝機を取り戻し、ドラピオンをボールに戻す。
「…ま、ドラピオンも体力を消耗していたしな。本番はこっからだ」
アンタレスの手に、最後のボールが握られる。



前回のあとがきの秘策とは炎の牙のことです。それ以上でもそれ以下でもありません。はい。さて、クルサがウェイガに敗れ、アサツキも有利な展開を繰り広げています。ま、フシギバナがいる限りだいたいアサツキが有利なんでしょうけどね。他に書くことがないので、次回予告。次回はアサツキ対アンタレス、決着です。それでは、次回もお楽しみに!