二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re:第百九話 大華獣のその力 ( No.278 )
日時: 2012/11/18 19:09
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: Dj5QpmsJ)

「さあ出て来いよ、ポリゴンZ!」
アンタレスの二番手は奇形のバーチャルポケモン、ポリゴンZ。
「どんなポケモンが出て来ようと、あたしは貴女を倒すだけだよ。フシギバナ、まずはヘドロ爆弾!」
フシギバナはヘドロの塊を連続して撃ち出す。
「こいつの特攻をなめるなよ。ポリゴンZ、バグノイズ!」
ポリゴンZは狂ったような雑音を発し、ヘドロ爆弾を相殺。
更にポリゴンZは雑音を発し続け、フシギバナ本体にもバグノイズを浴びせる。
しかし、フシギバナはやはり目を細め、ほんの少し下がるのみ。
「どうなってやがる…ポリゴンZ、トライアタック連射!」
ポリゴンZは炎、氷、雷の三色の光線を連続して放つ。
「これはちょっと危ないかも…フシギバナ、大成長!」
レオとのバトルとの後、アサツキはソーラービームの使い勝手の悪さに改めて気付き、フシギバナに新しい草技、大成長を覚えさせたのだ。
フシギバナは地面の草を大きく成長させる。
大量の蔦が地面から飛び出し、フシギバナの指示で動く。トライアタックをすべて粉砕し、ポリゴンZにも大量の蔦が襲いかかる。
「ちっ、ポリゴンZ、冷凍ビーム!」
ポリゴンZも負けてはいない。冷気の光線を発射し、蔦を凍らせる。
凍って成長力を失った蔦は動きを止め、「バグノイズ!」
ポリゴンZの放った狂ったような雑音が蔦を破壊し、さらにその蔦の凍った残骸がフシギバナに襲いかかる。
「フシギバナ、大地の怒り!」
対してフシギバナは地面を踏み鳴らし、無数の土砂と瓦礫を噴き出し、向かい来る蔦ごとポリゴンZを吹っ飛ばす。
「くっ、強い! まてよ…」
アンタレスの顔がひきつる。ゆっくりと口を開く。
「おい。貴様、シャウラと戦ったことあるか」
「ええ、あるわよ。それが何か?」
アサツキのその返答を聞き、アンタレスは露骨に舌打ちする。
「そうかそうか、通りで強い訳だ。シャウラが報告していた、やたら強いフシギバナがいるってのはお前のフシギバナって訳か」
そうなると、流石のアンタレスでも厳しくなってくる。
ラビリンシティでフウカに圧倒された時の記憶が、アンタレスの脳裏をよぎった。
ぱっと横を見ると、クルサのポコキングがマカドゥスに吹っ飛ばされているところだった。
「ちっ…落ち着け。チャンスはあるさ! ポリゴンZ、トライアタック!」
ポリゴンZは再び三色の光線を放つ。
「フシギバナ、ヘドロ爆弾!」
フシギバナはトライアタックを受け、すかさずヘドロの塊を発射する。
何発かポリゴンZに命中し、ポリゴンZを吹っ飛ばす。
「くっ、ポリゴンZ、立て直せ! バグノイズ!」
ポリゴンZは狂ったような雑音を発し、フシギバナの動きを止めつつダメージを与える。
「やるならここだ! ポリゴンZ、冷凍ビーム!」
バグノイズで動きを止めた隙を狙って、ポリゴンZは冷気のビームを放つ。
フシギバナはどんな攻撃を喰らっても、そこが弱点でない限り決して体勢を崩さないのが長所である。
だが、今回は違った。
ポリゴンZの冷凍ビームが、フシギバナが動かないのをいいことに、フシギバナを凍り付かせているのだ。
フシギバナと対峙しているので弱く見えてしまうが、ポリゴンZも七将軍第三位の切り札。冷気の威力はかなりのものであり、瞬く間にフシギバナ全体を凍り付かせてしまう。
「どんな化け物でも、欠点はある。そこを上手く突くことが出来れば、不利な相手でも勝つことが出来るのさ」
冷や汗をかきながら、アンタレスは言う。強い相手だったが、とりあえず勝ちだ。あとは留めを刺すだけである。
「ぶっ飛ばせ! ポリゴンZ、破壊光線!」
ポリゴンZは全てを破壊する太く赤黒い光線を撃ち放つ。
氷ごとフシギバナをまともに捕らえ、爆音と共に煙が上がる。
(ふー、とんでもねえ化け物だったな。とりあえずカタは付いたし、後はあの乱入者を…)
次の標的をウェイガを定めようとするアンタレス。
しかし。
フシギバナは、アンタレスが想像している以上の化け物だった。

「あら、そんなこと、ジムリーダーなら誰でも知ってると思うよ?」

煙の向こうから聞こえる声。
ぎょっとしたアンタレスが振り向くと、煙はちょうど消え、フシギバナは普通に立っていた。
「今のはなかなか効いたね。流石適応力破壊光線だね」
「…!?」
声の出ないアンタレスを後目に、アサツキはフシギバナに指示を出す。
「フシギバナ、こっちも見せちゃおう! 破壊光線!」
フシギバナも同じく赤黒い光線を撃ち出す。
ポリゴンZは反動で動けない。破壊光線の直撃を受けて吹っ飛ばされ、戦闘不能となってしまった。
「圧倒的戦力差とは、このことか…」
ポリゴンZを戻すのも忘れ、呟くアンタレス。
「そっちも負けたみたいやな」
クルサがアンタレスに近寄り、声をかける。
「…ああ。すまねえ、負けちまった。ポリゴンZ、戻れ」
「しゃあないさ。相手が相手や。それに、今回の作戦はおまけも同然。ボスも怒ることはないやろ」
そして、クルサはモグルトンを出し、下っ端を呼ぶ。
「さ、あっしらは負けちまったし、撤退や。それではこれにて、じゃあね!」
最後にアサツキの方をみてそう言うと、モグルトンが素早く穴を掘り、その中に飛び込んで逃げていってしまった。
「待ちなさい!」
アサツキが後を追うが、穴はすぐに塞がってしまう。
「くっ、逃がしたか…」
「まあよいではないか。スイクンを救うことも出来たのだ」
ウェイガの言葉でスイクンの事を思い出し、アサツキは湖のスイクンを見る。
「にしても、まさか伝説のポケモンを生きている内にこの目で二度も見られるとはね」
「奇遇だな。私も二度目だ」
スイクンはアサツキとウェイガの方を一度だけ振り返ると、北風のように走り去っていった。



ブルムの森の戦い、決着です。フシギバナがチート過ぎますね。僕は何故こんな最強キャラを生み出してしまったのでしょう。また、クルサですが、彼は残酷な面こそあるものの、イビルの中では一番の常識人です。小説の中でもいろいろ頼られていたり、他の団員とも仲のいいところが分かると思います。さて次回は、最後、ライコウですね。それでは、次回もお楽しみに!