二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re:第百十一話 タマナの新顔・鋼鉄の鋏 ( No.282 )
- 日時: 2012/11/18 19:14
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: Dj5QpmsJ)
「ちょっと待って、貴方アジトでリゲルと互角だったトレーナーじゃないの? やだ、勝てるわけないじゃない!」
そう言いながらも、メイサの口調は挑発的である。
「どうだっていいでしょ? それより、私は貴女たちを許しません。お願いします、テイルーン!」
フウカの一番手は雲ポケモンのテイルーン。
「やるしかないわね。やっておしまいなさい、フリージオ」
対するメイサのポケモンは氷タイプのフリージオ。
「テイルーン、まずはアクアボルトです!」
テイルーンはまず、電流を含んだ水を浴びせかける。
「フリージオ、冷凍ビーム」
フリージオは冷気の光線を発射、水を凍らせてアクアボルトを止めると、
「辻斬り」
すかさず反撃の体勢に入る。
一瞬でテイルーンに接近し、すれ違いざまに鎖でテイルーンを切り裂く。
「そんなもの! テイルーン、熱風です!」
「甘いわね。フリージオ、溶ける」
テイルーンは熱い風を吹き付けるが、フリージオは地面に落ちると、水たまりのように溶けてしまう。
余裕で熱風を受けきり、再び元の姿に戻る。
「冷凍ビーム」
そして素早く冷気の光線を放ち、今度はテイルーンを捕らえる。
「くっ、テイルーン、ハリケーン!」
フウカのポケモンはどれもよく鍛えられているため、冷凍ビーム一撃で致命傷なんて事はない。
すぐに体勢を直すと、強烈な暴風でフリージオを吹っ飛ばす。
その勢いはフリージオが壁まで吹っ飛んで激突するほど強烈なものであったが、
「やだー、せっかく整えてきた髪が乱れちゃうじゃないの。帽子をかぶってる貴方と違うんだから気をつけてよね」
メイサはフリージオのことはまるで気に留めない。
それもそのはず、フリージオはダメージこそあれど平気な顔で戻ってくる。
「フリージオが一番高いのは特防。抜群でも受けない限り特殊技なんてどうってことないわ」
余裕の表情を浮かべるメイサ。
いつものフウカであれば、七将軍の中でも下位の者など恐れる敵ではない。
しかし、フウカは今逆上しており、複雑な思考が出来ない状態なのだ。
対して、メイサは薄ら笑いすら浮かべられるほどの余裕がある。
「テイルーン、もう一度熱風です!」
再びテイルーンは熱い風を吹き付けるが、
「無駄。フリージオ、溶けるからの冷凍ビーム」
フリージオは溶けて熱風をやり過ごし、素早く元に戻って冷凍ビームを放ち、テイルーンを捕らえる。
「落ち着きなさいな。冷静でいないと、勝てるものも勝てないわよ?」
格下であるはずの相手の嘲笑が、火を消そうとしているフウカの心に油を注いでいく。
「む、ジムリーダーが相手か。あのトレーナーは強いからまあ当たりか」
「まるでうちが弱いみたいな言い方ですね」
「ふん、実際どうなのかが楽しみだ。出て来い、セルディー!」
シャウラの一番手は、シャウラの雰囲気に果てしなく合わない、美しい人魚ポケモンのセルディー。
「だけどライコウへの行為は許しませんよ。お願いします、ハッサム!」
対するタマナの一番手は、赤いカマキリが直立したような姿のポケモン。手には目玉模様の付いた二つの鋏がある。
ハッサム、鋏ポケモン。虫・鋼タイプ。
「む、腹が少し大きいな…。♀か」
「ええ。まあどうでもいいんですけどね。では行きますよ、ハッサム、バレットパンチ!」
ハッサムは一気にセルディーまで近づき、弾丸のように速い連続パンチを繰り出す。
「ふん、セルディー、ハイドロポンプ!」
セルディーはバレットパンチを受け手も動じず、大量の水を噴き出し、カウンターのタイミングでハッサムを吹っ飛ばす。
「ならばハッサム、馬鹿力です!」
ハッサムは力のリミッターを外し、フルパワーでセルディーに突撃する。
「セルディー、気合い玉!」
セルディーも気合いを凝縮した玉を撃ち出すが、ハッサムは気合い玉を鋏の一振りで打ち返し、更にもう片方の鋏をセルディーへ思い切り叩きつける。
セルディーは気合い玉は避けたが、馬鹿力の直撃を喰らった。
「くうっ、かなりの威力だな…! セルディー、ここからだぞ」
セルディーは何とか起きあがり、頷く。
「馬鹿力は強力だが、攻撃力と防御力が下がる反動を持つ。もうさっきのような攻撃力は出まい」
口裂け女のような笑みを浮かべるシャウラ。
だが、
「それはどうでしょう? ハッサム、蜻蛉返り!」
ハッサムはもの凄いスピードでセルディーに攻撃し、その勢いのままボールまで戻ってしまう。
そして、
「お願いします、マルマジロ!」
タマナは、アルマジロと虫が合体したような姿の丸まりポケモン、マルマジロを繰り出す。
タイプは鋼・岩で、ダンゴロウの進化系。
「むー、蜻蛉返りとは…厄介な技を使いやがる。だがマルマジロは岩タイプ相性的にセルディーには弱いはずだ」
「タイプ相性だけがバトルじゃありませんよ。ジムリーダーであるうちにそんな事、釈迦に説法です」
軽くシャウラは舌打ちし、
「ま、潰すか。セルディー、気合い玉!」
セルディーは気合いを凝縮した玉を放ち、いきなり四倍のダメージがマルマジロへ叩き込まれる。
「ふん、こんなものか。後はハッサムだけだな」
不気味に笑うシャウラ。
しかし、
「マルマジロ、起死回生!」
あがった煙の中から、マルマジロが高速回転しながら突っ込んできた。
「はあ!?」
シャウラの目が見開かれる。
「マルマジロの特性は頑丈。これによって、うちのマルマジロは絶対に一撃ではやられません」
マルマジロの渾身の一撃を受けたセルディーは、大きく吹っ飛ばされ、戦闘不能となった。
テストが終わったので更新です。二つの意味でテストが終わったので更新です。大事なことなので二回言いました。さて、逆上してしまい、ちょっと危ないフウカと、反対に落ち着いているタマナです。タマナの新顔としてハッサム、さらにダンゴロウの進化系、マルマジロを登場させてみました。ハッサムはどこかで出したかったからちょうどいいですね。ちなみに、シャウラとメイサは容姿とかは真逆ですが意外に一番気が合うという設定です。次回は続き。それでは、次回もお楽しみに!