二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re:第百十二話 メイサの心理作戦 ( No.283 )
- 日時: 2012/12/09 20:46
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: kAifypKr)
「ほーら、フリージオ、辻斬り!」
「っ、テイルーン、かわして熱風です!」
フリージオが鎖でテイルーンに切りかかり、テイルーンは何とか避け、熱い風を吹き付ける。
「効かないってば。フリージオ、溶ける」
フリージオは液体状に体を変化させて熱風を受け流し、
「そのままラスターカノン」
元に戻ると共に鋼エネルギーの砲弾を撃ち出す。
「テイルーン、アクアボルト!」
テイルーンは電流を含んだ水を放ち、ラスターカノンを相殺。
「どこまでかわせるかな? フリージオ、冷凍ビーム」
メイサは執拗に攻撃を仕掛け、とにかくフウカを落ち着かせない。
ポケモンが相手より弱ければ巧みな戦術でカバーし、場合によっては相手の精神面にも攻撃を仕掛ける。
これがイビル七将軍のメイサ。
フウカは怒りと焦りで、なかなか気持ちを落ち着けられない状態なのだ。
(くっ、早くライコウの手当もしないといけない状態なのに…!)
今のところピンチではないが、完全にメイサに押されている。
「アンタレスは確かに私より強いけど、あの人はキレやすいし、逆上して複雑思考できなくなるしで強さが安定しないのよね」
フウカがアンタレスに圧勝したのを知っての発言だろう。
「さ、早いとこくたばってくれない? フリージオ、冷凍ビーム」
「誰が負けるもんですか! テイルーン、ハリケーン!」
テイルーンは強烈な暴風で冷凍ビームごとフリージオを吹っ飛ばすが、
「それくらいならまだまだ耐えられるわよ。フリージオ、冷凍ビーム!」
ハリケーンは連射すると火力が下がっていくので、ダメージも減っている。
すかさずフリージオは冷気の光線で反撃、今度はテイルーンに命中する。
「この調子なら勝てそうね。最初聞いてたときはヤバいかなと思ったけど、そんなこと無かった?」
その言葉にフウカは歯噛みするが、実際メイサに押されているのだ。
いくらしっかり育てられたテイルーンと言えど、ダメージが溜まってきている。
「私は、貴方に勝たないといけないんです! ライコウを助けないといけないし、貴方たちも許しませんから!」
フウカは激昂するが、メイサは薄ら笑いを浮かべるのみ。
その時だ。
「フウカさん、自分を取り戻して! 落ち着いてください! 貴方の実力なら、そんな敵に負けるはずありません!」
フウカとメイサがはっと横を振り向く。
声の主は、シャウラと戦っているタマナ。
ちょうどマルマジロがセルディーを吹っ飛ばしたところだった。
「そっか」
フウカの心に、徐々に余裕が戻ってくる。
「私はさっきまで何をしていたのでしょう。自分の感情すら制御出来ないのに、ポケモンの力を上手く引き出せるわけ無いですよね」
フウカは顔を上げる。その表情には怒りも焦りもない。
あるのは余裕と自信。
「ここからが本番です。私の本気、お見せします」
「ふん、他のトレーナーのバトルを見られるほど余裕ってか。舐めやがって」
「うちもジムリーダーですから、それくらい出来ないと」
シャウラは舌打ちし、ボールを取り出す。
「こいつに勝てるか? 出て来い、トコヤミ!」
出て来たポケモンはシャウラのエース、トコヤミ。
「いいでしょう、マルマジロ、ストーンエッジ!」
マルマジロは無数の尖った岩を飛ばす。
「トコヤミ、かわしてシャドーボール!」
トコヤミは穴に潜ってストーンエッジを避け、マルマジロの後ろに現れ、すぐに影の弾を放つ。
体力がもうほとんど無かったマルマジロは、それで戦闘不能となった。
「マルマジロ、しっかり仕事をしてくれましたね。休んでてください」
タマナはマルマジロを戻し、先程のハッサムを繰り出す。
「ふん、エース同士の勝負だな」
「うちのエースはガッツロスですけどね」
「む、まあいい。トコヤミ、ダイヤブラスト!」
トコヤミはダイヤのように煌めく爆風を放つ。
「ハッサム、かわして剣の舞!」
ハッサムは飛び上がって爆風を避け、戦いの舞を舞い、攻撃力を一気にアップさせる。
「蜻蛉返りです!」
そのまま猛スピードでトコヤミを攻撃し、今度はボールには戻らず、素早く退く。
「ならばトコヤミ、思念の頭突き!」
トコヤミは地中に潜る。
突然、ハッサムの足元が割れ、トコヤミが思念の力を込めた頭突きを喰らわせる。
「シャドーボールで追撃!」
トコヤミはさらに影の弾を放ち、連続でハッサムを攻撃する。
効果今一つではあるが、連続で攻撃されるとなかなかのダメージだ。
そしてトコヤミは再び地面に潜ってしまう。
「さあ、地中にいるトコヤミをどう攻撃する? トコヤミ、ダイヤブラスト!」
トコヤミはハッサムの背後に現れ、素早く煌めく爆風を放ち、ハッサムを吹っ飛ばす。
「くっ、ハッサム、バレットパンチ!」
ハッサムは素早く振り返り、パンチの構えをとるが、すでにトコヤミは地中だ。
「だったら、ハッサム、地面に馬鹿力!」
ハッサムは両手の鋏をフルパワーで地面に叩きつける。
軽い地揺れが起き、すぐに衝撃を受けたトコヤミが飛び出してきた。
下がる攻撃力は剣の舞でカバー。
「ハッサム、バレットパンチ!」
すぐさまハッサムは地を蹴って跳び、トコヤミに弾丸の如き鋭い連続パンチを喰らわせる。
「だが馬鹿力により防御力が下がる! トコヤミ、思念の頭突き!」
「気にしません! ハッサム、蜻蛉返り!」
トコヤミとハッサムが思い切り激突する。
フウカ覚醒回です(違)霧火さん、キャラ崩壊臭がしてすみません。自分で書いてて思いますが、メイサ嫌な奴ですね。彼女の人間不信の性格がよく表れています。ちなみにメイサが心を開いているのは、シャウラ、クルサ、そしてマターのみ。イビル以外の人間も一切信用しません。外見はすごく美しい設定なんですけどね。さて次回はライコウ編決着です。それでは、次回もお楽しみに!