二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 第百二十一話 マターの野望 ( No.298 )
日時: 2012/11/18 19:30
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: Dj5QpmsJ)

イビルのボス、マターは、既に空中遺跡の最上部まで達していた。
傍らには三人の優秀な下っ端を引き連れている。
「さて、貴様等三人に指令だ」
マターは不気味な笑みを浮かべ、『ゲート』を起動させる。
三つの空間の歪みが生じ、そこから現れたのは、空間を歪める力を持つ大犬ポケモンのライラプス、感覚を狂わす力を持つ鷲ポケモンのガニメデ、深淵を魅せる力を持つ獅子ポケモンのネメア。
三体の伝説のポケモンは、『リモコン』の力で完全に操られている。
「ガタノアを呼び覚ますために『ゲート』及び『リモコン』の調整をしておかなければならん。調整にはもう少し時間がかかる」
そこでだ、とマターは続け、
「貴様等三人に一匹ずつ伝説のポケモンを手渡そう。そいつらを使い、侵入者共を足止めしろ。調整中に邪魔が入ると面倒だ」
そう言ってマターは下っ端たち三人に『リモコン』を手渡す。
伝説のポケモンたちが、それぞれの下っ端の後ろにつく。
「了解しました」
下っ端たちはマターに向かって敬礼する。
下っ端の一人がライラプスに指示し、空間を歪ませ、三人は空間の歪みの中に入っていく。
残ったマターは不気味に笑い、
「せいぜい、上手く時間を稼いでくれたまえ。私の『駒』たちよ」
マターはイビル七将軍に期待などしていない。三体の伝説ポケモンに対しても同様。マターにとっては、時間稼ぎのための駒でしかない。
ガタノアさえ手に入れば十分だ。他の者など全てひれ伏させてやる。助けなど微塵も必要ない。
「私が世界を征服したら、イビルは解散だ。折角世界が私のものになるのだ。王は一人で十分だ。他の者に権力など与えてなるものか」
そしてマターは高らかに笑い声をあげると、『ゲート』と『リモコン』の最終調整を始める。


シナイのカモナイツはかなり強く、シャウラのチェキラスとセルディーを立て続けに倒すが、本気を出したシャウラのトコヤミが一番手のカモナイツと二番手を立て続けに倒し、シナイのポケモンも残り一体。
「仕方ない、行くか! 我が切り札、テッコンボ!」
シナイの新たなるエースは、テッケンの進化系、人型をベースに、耳に2つ拳を生やした、合計四つの拳を持つポケモン。
テッコンボ、拳ポケモン。岩・格闘タイプ。
「ふふ、しかしトコヤミに格闘タイプの技は効かん! トコヤミ、シャドーボール!」
トコヤミは影の弾を二発撃ち出す。
「軟弱な技よ。テッコンボ、氷柱パンチ!」
テッコンボは耳の拳を尖った氷で覆い、その拳で易々と影の弾を粉砕、トコヤミにも拳の一撃を叩き込む。
「む、トコヤミ、潜れ!」
トコヤミは素早く地面に潜り、テッコンボの拳の一撃を避ける。
「思念の頭突きだ!」
トコヤミはテッコンボの足元から姿を現し、思念の力を込めた頭突きでテッコンボを真上へ吹っ飛ばす。
「追撃だ! トコヤミ、シャドーボール!」
「甘いぞ! テッコンボ、ストーンエッジ!」
トコヤミはすかさず影の弾を放つが、テッコンボは宙に飛ばされながらも尖った岩を放ち、影の弾を破壊する。


カペラはタマナのユキタテハをマッギョで下すが、次のハッサムにマッギョを倒される。
この時点でカペラは不利。
ウソドロもハクタクンも虫タイプに弱いからだ。
「ハクタクン、火炎放射!」
ハクタクンは灼熱の炎でハッサムを狙うが、
「ハッサム、かわして剣の舞!」
ハッサムは炎を素早く避け、闘いの舞を舞って攻撃力を一気に上げる。
そして、
「蜻蛉返りです!」
ハッサムは目にも留まらぬスピードでハクタクンを攻撃し、そのままの勢いでボールへ戻る。
そして代わりに姿を現すのは、
「お願いします、ガッツロス!」
ハッサムをも凌駕する、タマナのエース、ガッツロスが、攻撃力が上がった状態を引き継いで出て来る。
「さあ、うちの手持ち最強のこの子をどう攻略します?」
「うぐっ…」
タマナの軽い言葉が、カペラに重くのしかかる。


トゥレイスのヒカリゴケはワラガシラを倒すが、次のホムロソクに敗れ、二番手のヨノワールもホムロソクに苦戦。
「前に言ったはずだ、ゴーストポケモンの特徴を全て知っている僕には、ゴーストポケモンで勝つことは出来ないと」
「ハサーガを最後に出したいからな。こいつを今出すしかないのさ! ヨノワール、食らいつく!」
ヨノワールは一瞬でホムロソクとの距離を詰め、腹の口でホムロソクに噛み付く。
「ホムロソク、サイコキネシス!」
ホムロソクは強い念力でヨノワールを引き剥がし、
「シャドーボール!」
すかさず影の弾を放って反撃。
「さらに火炎放射!」
ホムロソクは灼熱の炎を噴き出し、さらに追撃を狙うが、
「炎のパンチ!」
ヨノワールは手に炎を灯し、殴りかかる。
火炎放射を吸収して拳の炎のパワーに変え、強力な炎のパンチでホムロソクを殴り飛ばす。
「どうやら、少しは学んだようだね」
スミレの表情は、全く崩れない。


圧倒的な防御力を生かし、シオンのパルシェンはクルサのモグルトンを倒すが、次のキノガッサに攻撃の隙を突かれて倒される。
今はフローリアとキノガッサのバトル。
「キノガッサ、マッハパンチ!」
キノガッサは目にも留まらぬスピードでフローリアまで近づき、素早い拳の一撃を繰り出す。
「フローリア、反撃よ! アイスバーン!」
フローリアは素早く体勢を立て直すと、氷の衝撃波で反撃、キノガッサを吹っ飛ばす。
「続けてサイコパンチ!」
「こっちもサイコパンチや!」
フローリアとキノガッサ、お互いに念力で作った拳を飛ばす。
念力の拳は空中でぶつかり、お互いに弾け飛ぶ。
「マッハパンチ!」
「アイスバーン!」
キノガッサは再び猛スピードでフローリアに拳を向けるが、それを読んでいたシオンはフローリアにアイスバーンを指示し、先に攻撃を放ってキノガッサを吹っ飛ばす。
「まだや! キノガッサ、種爆弾!」
「フローリア、気合い玉!」
キノガッサの種爆弾とフローリアの気合い玉が再び空中でぶつかり、お互いに弾け飛ぶ。



ジムリーダーの戦い及びマター暗躍回。マターの考えはアカギやゲーチスと似たようなものです。ところで、次回からは小説の雰囲気が壊れないように、遺跡編が終わるまではあとがきを消していこうと思います。さて、次回は続き。それでは、次回もお楽しみに!