二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 第百二十二話 深淵を魅せる獅子 ( No.299 )
- 日時: 2012/11/18 19:32
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: Dj5QpmsJ)
- 参照: 四か月ぶりの更新とかwwwそしてコメを下さい
アサツキのバーネッコはリゲルのスモーガスを下すが、バンギラスには歯が立たず、遂にアサツキのエース、フシギバナが打って出る。
「そいつが報告にあったフシギバナか…バンギラス、まずはストーンエッジ」
バンギラスは小さく唸り、無数の尖った岩を撃ち出す。
「フシギバナ、ヘドロ爆弾!」
対してフシギバナはヘドロの塊を連続で撃ち出し、次々と岩を破壊していく。
「フシギバナ、久しぶりに骨のあるポケモンと戦えそうだよ。大成長!」
フシギバナは大量の太い蔦を発生させ、蔦がバンギラスに襲い掛かるが、
「こんなものか。バンギラス、振り払え!」
バンギラスは力尽くで蔦を受けとめ、へし折ってしまう。
「バンギラス、ぶち壊す」
そしてバンギラスはフシギバナへ一気に接近、その重い拳をフシギバナの頭へ叩き込む。
「この子の大成長をへし折るなんて流石ね。でもそれくらいじゃこのフシギバナもやられないよ」
フシギバナもびくともせず、バンギラスに向き直る。
ユウのドサーモンはポリゴンZに倒され、ユウの手持ちも残り一体。
「最後はこいつです。出てきてください、タテボーシ!」
ユウの最後の一手は、キラの切り札でもあるタテボーシ。
アジトでタテボーシに敗北したことを思い出したのか、アンタレスは苦い表情を浮かべる。
「大丈夫だ。このタテボーシはあのタテボーシじゃない。ポリゴンZ、十万ボルト!」
ポリゴンZは強烈な電撃を放ち、タテボーシを攻撃する。
「タテボーシ、シグナルビーム!」
対してタテボーシはカラフルな光線を放ち、十万ボルトを相殺し、
「ハイドロポンプ!」
「バグノイズ!」
タテボーシの放った大量の水を、ポリゴンZの狂ったような雑音が粉砕していく。
ホムロソクはヨノワールを倒すが、次のハサーガに敗れる。
「またこの二体での戦いだな。出でよ、死の霊ネクロシア!」
スミレの最後の一手はネクロシア。以前ハサーガと戦い、逆転勝利を納めている。
「ネクロシア、サイコバレット!」
ネクロシアは念動力を銃弾のように撃ち出す。
「ハサーガ、地震だ!」
対してハサーガは地面を破壊して瓦礫を巻き起こし、サイコバレットを防ぐ。
「お次は、炎の牙!」
ハサーガは牙に炎を灯し、五つの顔を一斉にネクロシアに向ける。
「ネクロシア、電磁砲!」
ネクロシアは電撃の砲弾を作り出し、次々と炎の牙を打ち破っていく。
「シャドークロー!」
「雷の牙!」
そのままネクロシアは影で作った爪でハサーガの喉笛を狙うが、ハサーガは顔を弱点付近に構えて迎撃態勢を取り、ネクロシアは素早く引き下がる。
キノガッサとフローリアは相打ちに終わり、お互いに最後のポケモンを繰り出す。
「行くで! ポコキング、見参!」
「行きます! 大洋の歌姫、ラプラス!」
お互いにエースポケモンだ。
「ラプラス、冷凍ビーム!」
ラプラスは手始めに地面を凍らせる。ラプラスを移動しやすくするためと、ポコキングを動きにくくさせるための二つの目的がある。
「面倒くさい戦法を…ポコキング、雷パンチやで!」
ポコキングは地を蹴って跳び、一気にラプラスとの距離を詰め、電撃をまとった拳を繰り出す。
「くっ、ラプラス、ハイドロポンプ!」
ラプラスは一発耐えて、大量の水を噴射。
「ポコキング、シャドークロー!」
対して、氷の地面のせいで移動を制限されるポコキングは影の爪で大量の水を防ぎ、そのまま爪を構えてラプラスに突っ込んでいく。
中央の穴に飛び込んだレオとウェイガは、先に続く道を進んでいく。
道と言えども、舗装されたような道ではない。ただ障害物がないというだけの『道』であり、瓦礫がところどころにあり、その道事態も荒れ果てている。
「こんな遺跡が、ソルナの空中にずっと隠されていたなんてな…」
「今回のイビルの事件が無ければ、気づかれることもなかったであろうな」
レオの言葉にウェイガはそう返すと、発作を抑えるための薬を飲み、壁に目を向ける。
そこには、細かい文字のような模様が所狭しと刻み込まれている。
パッと見ただけではただの模様として見過ごしてしまうようなものだが、
「これは…古代アンノーン文字だな」
ウェイガはそう呟く。この模様ははるか昔に使われていた文字だというのだ。
「それ、読めるんですか?」
「残念ながら私は読めぬ。シンオウ地方のチャンピオンのように、歴史を研究する考古学者なら読めるかもしれぬがな」
既に古代アンノーン文字の解読はされているはずだ、とウェイガは付け加える。
「それはともかく、頂を目指すぞ。イビルの首領はおそらく頂かそのすぐそこまで到達しているはずだ」
「そうですね。一刻も早く奴を食い止め」
レオの声は、最後まで聞こえなかった。
ズガァン! という爆音とともに、左右の壁が破壊されたからだ。
「何だ!?」
咄嗟にそちらを振り向く二人。
現れたのは、イビルの下っ端。
そして、その後ろにいるのは、頑丈そうな四肢を紫の体毛を包み、額に赤い立派な角を生やした、織姫星のベガを司るとされる伝説のポケモン。
獅子ポケモンのネメアだ。
下っ端の手には、『リモコン』が付けられている。
「ここを通りたくば、このネメアを倒せ」
「グオオオオオオオオオオオオオオオオオン!」
下っ端の声に呼応し、ネメアは天を貫くほどに大きく咆哮する。
「ぐっ…」
その咆哮に、思わず身を屈める二人。だが、ここで引くわけにはいかない。
「ウェイガさん、やりましょう」
「心得た」
それぞれのモンスターボールを取り出す二人。
しかし、
「……!?」
ネメアを見据えたウェイガの身が硬直する。ネメアは赤く光る眼で、ウェイガを睨み付ける。
「…どうしました、ウェイガさん!」
レオが叫ぶが、反応がない。いや、別の反応があった。
正常とは思えない、おかしな反応が。
「グオォォ…グフッ…ク…ハハハハハハ!!!」
ウェイガの目が赤く光り、狂気じみたおかしな笑い声をあげる。
そして、ネメアの横に立つ下っ端が口を開く。
「ネメアの眼光には、それを見たものに深淵を見せる力がある。その男はネメアの深淵に魅せられ、我をネメアに支配されたのさ」
「なっ…!」
レオは戦慄を覚えた。改めて感じる。
こいつらは、イビルの連中はまともじゃない。
「さあ、ウェイガとやら。そこにいる小僧を倒せ」
下っ端の声で、ウェイガはレオの方を振り向く。
「俺…オ前…倒ス! 覚悟…シロ!」
深淵に魅せられたウェイガが、レオに牙を剥く。