二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 第百二十三話 深淵に魅せられし者 ( No.302 )
日時: 2012/11/18 19:33
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: Dj5QpmsJ)
参照: この四か月俺は何をしていたのか そしてコメが欲しい。

「出テ来イ、マカドゥス!」
深淵を見せられたウェイガはマカドゥスを繰り出す。そして、
「十万ボルト!」
レオがポケモンを出す前から、いきなり技を放ってきた。強烈な電撃がレオに襲い掛かる。
「うおっ!?」
咄嗟に身を屈めて横へ転がり、電撃を避ける。
起き上がると同時に、レオはボールを取り出し、
「こっちを殺すつもりかよ…頼むぜ、ハンタマ!」
素早くハンタマを繰り出した。
「ウェイガさん、操られてるとはいえ貴方もトレーナーでしょ。勝負ならポケモンですよ」
ウェイガは舌打ちするが、
「イイダロウ。私ノマカドゥスガ相手ヲシテヤル。マカドゥス、電磁波!」
マカドゥスは微量の電磁波を放つ。
「麻痺は危ないぞ。ハンタマ、かわしてシャドーパンチ!」
ハンタマは横に飛び退いて電磁波を避け、壁を蹴って跳び、影をまとった拳でマカドゥスに殴りかかる。
「マカドゥス、ダイヤブラスト!」
パンチを喰らったマカドゥスは、すぐに体勢を立て直し、煌めく爆風を放つが、ハンタマはすぐに身を退き、爆風を回避する。
「マカドゥス、十万ボルト!」
マカドゥスは強烈な電撃を放つが、
「ハンタマ、かわして跳び膝蹴り!」
ハンタマは身を屈めて電撃をかわし、そのまま地を蹴って跳び、強烈な膝蹴りを喰らわす。
技を放った直後で、マカドゥスは急に動けない。
しかし。

「マカドゥス、身代ワリ」

マカドゥスはふと消えた。
ハンタマの跳び膝蹴りは、マカドゥスがさっきまでいた「何か」を打ち消しただけに終わる。
そして、
「マカドゥス、電磁波!」
いつの間にかハンタマの後ろに回っていたマカドゥスが、ハンタマ目掛けて微量の電磁波を浴びせる。
「しまった、ハンタマ!」
流石のハンタマでもこれは避けられず、ハンタマはその場に蹲る。
「ダイヤブラスト!」
立て続けにマカドゥスは煌めく爆風を放ち、ハンタマを吹っ飛ばす。
「身代ワリハ体力ヲ少シ削リ、自分ノ身代ワリヲ作リ出ス技。攻撃後ノ隙ヲ突クノハ上手イ戦法ダガ、ソノ戦法ニオイテハコチラノ方ガ上手ダッタヨウダナ」
ウェイガは笑う。
「サア、マカドゥス、十万ボルトダ!」
マカドゥスはハンタマ目掛けて、強烈な電撃を放つ。
「くっ、ハンタマ、岩陰に!」
吹っ飛ばされたハンタマは急に動くことは出来ないだろうと判断したレオの指示で、ハンタマは横の岩陰に隠れ、電撃をやり過ごす。
電撃をしのぐことは出来たが、岩が弾き飛んで壊れた。
「マカドゥス、ダイヤブラスト!」
「ハンタマ、ブレイズキック!」
マカドゥスは煌めく爆風を放ち、対してハンタマは足に炎を灯してキックを繰り出す。
ダイヤブラストは打ち消したが、足の炎も消え、ハンタマは元の位置に戻る。
「貴様ノハンタマ、確実ニスピードガ落チテイル。電磁波ガ効イテイルヨウダナ」
ウェイガは黒い笑みを浮かべる。
「ハンタマハ近接技シカ覚エテイナイヨウダナ。マカドゥスノ遠距離技デ攻メ続ケレバ負ケル事ハナイ」
レオは歯噛みするが、実際そうだ。
相手を翻弄する近距離戦を得意とするハンタマだが、そのスピードが落ちてしまった今、ハンタマは圧倒的不利。
更にハンタマは耐久力は低い。あと二、三発まともに喰らえば、ハンタマは倒れてしまうだろう。
「くっそ、ハンタマ、シャドーパンチ!」
ハンタマは影で拳を固めるが、そこで麻痺が発動し、ハンタマは動けなかった。
「隙アリ! マカドゥス、十万ボルト!」
その隙をウェイガが見逃すはずはなく、マカドゥスは強烈な電撃を放ち、ハンタマは電撃の直撃を浴びる。
(くっそ、何か手は無いのか…。…!?)
唐突に、レオはウェイガの言葉を思い出す。

『ハンタマハ近接技シカ覚エテイナイヨウダナ。マカドゥスノ遠距離技デ攻メ続ケレバ負ケル事ハナイ』

(ああ、そうか。分かったぞ、これでこの勝負は勝てる)
レオの表情に、勝利の確信の色が浮かぶ。
「コレデ終ワリダ! マカドゥス、十万ボルト!」
マカドゥスは強烈な電撃を放つ。
「ハンタマ、物陰に隠れるんだ!」
ハンタマは咄嗟に横にある折れた柱のようなものの後ろに隠れる。
電撃が柱を砕いた、その直後。
「ハンタマ、サイコバレット!」
ハンタマは唯一の遠距離技を使う。
柱の破片の後ろから、マカドゥス目掛けて銃弾のような念動力が飛んでくる。
「何ッ!?」
突然の反撃に、ウェイガもマカドゥスも驚きを隠せない。
その間に、マカドゥスは銃弾を喰らい、吹っ飛ばされる。
決めるならここしかない。
(ここで麻痺が発動したら終わりだ…ハンタマ、頼む!)
「ハンタマ、跳び膝蹴りだ!」
レオの期待に応え、ハンタマは跳んだ。
吹っ飛ばされて、まだ体勢を整え切れていないマカドゥスに、正面から膝蹴りが炸裂した。
耐久力の低いマカドゥスは再び盛大に吹き飛ばされ、壁に激突し、戦闘不能となる。
「……! 馬鹿ナ、俺ガ負ケタダト!? アリ得ン…!」
ウェイガが震える。そしてカッと目を見開く。
「貴様ァァァァァァァ!」
ウェイガは叫び、拳を固め、レオに向かってくる。
しかし、レオは迷わなかった。目を覚まさせるなら、ここしかない。
「ウェイガさん!」
レオも地を蹴って駆け出し、一気にウェイガまで接近、ウェイガの拳を首を振って避け、返しの拳でその頬を思い切りぶん殴った。
「グオオオッ!?」
ウェイガは吹っ飛び、壁に叩きつけられ、気を失った。
「ウェイガさん、すいません。代わりにこのネメアを吹っ飛ばしてやりますから」
レオは瞳に怒りを灯し、ネメアに向き直る。
「いいだろう。深淵を使わずとも、貴様如き恐れる相手ではない」
イビルの下っ端、そしてネメアも、戦闘態勢に入る。