二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 第百三十三話 絶望と破壊の刃 ( No.320 )
- 日時: 2012/12/08 00:11
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: 1ZQMbD0m)
「サザンドラ、大地の力!」
サザンドラは雄叫びを上げ、ブレイドンの足元から土砂を噴出させる。
「ブレイドン、地震!」
対して、ブレイドンは大地を揺るがし、土砂を強引に相殺してしまう。
「メタルブラスト!」
続いてブレイドンは強大な鋼エネルギー砲を撃ち出す。
「サザンドラ、かわして大文字!」
サザンドラは急上昇して砲撃を避けると、煌々と燃え盛る大の字型の炎を放つ。
ブレイドンにまともに命中するが、しかしブレイドンはびくともしない。
「その程度の攻撃で、こいつが止まると思うなよ! ブレイドン、氷柱落とし!」
マターの嘲るような丁寧語は、もはやそこにはない。
そしてブレイドンはすぐさま反撃に出る。天高く放たれた無数の氷柱が、雨のように降り注ぎ、サザンドラに突き刺さる。
「くっ、サザンドラ、龍の波動だ!」
効果は抜群だが、致命傷にまでは至らない。サザンドラは素早く体勢を立て直し、龍のパワーを溜め込んだ波動弾を放つ。
「ブレイドン、メタルブラスト!」
ブレイドンはわざと龍の波動の直撃を受け、怯むこともなしにすかさず強大な鋼エネルギー砲を撃ち出す。
「耐久面も相当ということか。サザンドラ、大地の力!」
サザンドラは最小限の動きで砲撃をかわし、攻撃直後で急に動けないブレイドンの足元から土砂を噴き出させる。
効果抜群、しかもタイプ上通常の四倍のダメージ。流石にブレイドンの体がぐらつくが、しかし、ブレイドンは余裕を持って立ち上がる。
「地震が当たらんのが厄介だが、ブレイドン、氷柱落とし!」
「サザンドラ、大文字で打ち消せ!」
天から降り注ぐ無数の氷柱を、サザンドラは頭上に大文字を放つことで打ち消す。
「そこだ! メタルブラスト!」
だが、その隙を逃さず、ブレイドンは鋼エネルギー砲を放ち、サザンドラを捕らえ、地面へ撃ち落とす。
「地震だ!」
さらにブレイドンは地面を揺るがす。狙い目はサザンドラではなく、サザンドラの付近にそびえ立つ柱。
地震の衝撃波により柱が折れ、サザンドラ目掛けて無数の柱が落下してくる。
「随分と手荒い戦術だな。サザンドラ、飛べ!」
撃ち落とされたサザンドラは顔を上げると、素早く飛び上がり、間一髪で柱を避ける。
「よく避けたな。だが次は無いぞ! ブレイドン、氷柱落とし!」
ブレイドンは天高く無数の氷柱を放ち、雨のように落下させる。
「させん! サザンドラ、大文字!」
しかし、三度目の手はもう喰らわない。氷柱を打ち上げたその時にサザンドラは大の字型の炎を放ち、天へと打ち上げられるより早く氷柱を溶かしてしまう。
「大地の力だ!」
さらにサザンドラは咆哮を上げ、ブレイドンの足元から土砂を噴き出し、ブレイドンの体勢を大きく崩す。
「決めろ! サザンドラ、クリムゾンエイト!」
サザンドラの必殺技が放たれる。血のように鮮やかな赤色の花弁のような光線が、ブレイドンを容易く貫いた。
今まで、正面からまともにクリムゾンエイトを喰らい、それを耐え切ったポケモンはいない。耐えられたことがあるのは、強力な技で威力を弱められた場合のみ。
しかし。
ブレイドンは、まだ立っている。
それでも今の一撃はかなり効いた様子で、ブレイドンの表情からもクリムゾンエイトの一撃がどれほどの痛みを与えたかが伝わってくるが、それでもブレイドンはしっかりと体勢を保ち、立っていた。
「やってくれたな」
マターの暗い声が聞こえた。
「だが、貴様の必殺の一撃を、こいつはこうして耐え切ったぞ。次は私の番だ。今のお礼に、こいつの必殺技を喰らわせてやる」
マターは目を見開いた。ブレイドンへ、必殺技の指示を叫ぶ。
「ブレイドン、ギガントブレード!」
ブレイドンはその刃のような口を、虚空を斬るように思い切り振り抜く。
刹那、そこから刃の形をした巨大な衝撃波が飛び出す。
その刃の衝撃波は恐ろしい速度で飛び、行く手を阻む障害物全てを斬り落としていく。
全ての柱を斬り倒したその刃の衝撃波は、サザンドラが回避する隙をも与えなかった。
正面から衝撃波を喰らったサザンドラは、腹部に酷い切り傷をつくり、地面へと落下する。
ザントの表情が、わずかに引きつった。
だが、それでも何とかサザンドラは耐えていた。
しかし、戦況はサザンドラに更なる追い打ちを掛ける。
切り落とされた柱が、束になってサザンドラ目掛けて落ちてきたのだ。
「チッ、サザンドラ、飛べ!」
サザンドラは飛ぼうと羽ばたき、少し飛び上がったが、今度こそ遅かった。
大量の柱の残骸が、サザンドラの上から襲い掛かり、サザンドラを覆いつくし、その動きを完全に封じてしまったのだ。
「ジ・エンド。私の勝ちだ!ブレイドン、メタルブラスト!」
ブレイドンは狂気の咆哮と共に、強大な鋼エネルギー砲を撃ち出す。
動けないサザンドラにまともに命中し、柱の残骸が飛び散った。