二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 第百三十四話 伝説を討ち取る大顎 ( No.322 )
- 日時: 2012/12/10 00:14
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: kAifypKr)
- 参照: >>321のトリップが違いますが本物です
圧倒的な素早さを持つライラプスの前に、キラのポケモンは次々と倒されていく。
現在は四番手のファントマが相手取っているが、これも正直厳しい。
フウカは二番手に切り札のロップルを出し、粘っているが、押されているのは間違いない。
「どうする…ファントマ、蓄える」
ファントマは力を蓄えて耐久力を上げ、
「ファントマ、熱風!」
「ロップル、サイコパンチ!」
ファントマは広範囲へと熱い風を吹き付け、さらにその後からロップルが念動力をまとった拳を構えて跳び、ライラプスを狙うが、
「ライラプス、ダイヤブラスト」
ライラプスは煌めく爆風を放ち、熱風を相殺し、さらにロップルの拳を一瞬でロップルの後ろに回って避け、
「ハイドロポンプ」
大量の水を放って攻撃する。
「ッ、ロップル、防御!」
咄嗟にロップルは帽子を外し、何とか水を防ぐ。
「ファントマ、シャドーボール!」
その隙を狙ってファントマは背後から影の弾を放つが、ライラプスにとってはそれは隙でもなんでもない。
一瞬で横に逸れ、影の弾の軌道から逸れる。
「ロップル、シグナルビーム!」
「ライラプス、突き上げろ」
ロップルがカラフルな光線を放つよりも早く、ライラプスはロップルの足元の床を突き上げ、ロップルの体勢を崩す。
「大地の力」
「させるかよ。ファントマ、ヘドロウェーブ!」
すかさずライラプスの後ろからファントマがヘドロの波を放つが、ライラプスは一瞬で横に逸れてヘドロの波を避け、床から土砂を放ち、ロップルを吹っ飛ばす。
「シャドーボール!」
再度ファントマは素早く影の弾を放つ。
ライラプスは攻撃直後で、動くのがわずかに遅く、影の弾の直撃を喰らう。
「チャンス! ロップル、アイスバーン!」
ロップルは氷の衝撃波を放つが、
「舐めるな。ライラプス、アクアテール」
ライラプスは一瞬で衝撃波を避けてロップルの正面に立ち、水をまとった尾を振り下ろす。
「くっそ、ファントマ、ヘドロウェーブ!」
ファントマはヘドロの波を放つが、遅かった。
ライラプスは尻尾でロップルを吹っ飛ばすと、一瞬でファントマに接近し、
「ダイヤブラスト」
煌めく衝撃波を放ち、ファントマを吹っ飛ばす。
蓄えるで耐久力が上がっているため、効果抜群でも倒れていないが、ダメージが大きいことは間違いない。
「ファントマ、まだだ! 蓄える!」
ファントマはさらに力を蓄え、
「熱風だ!」
「シグナルビームです!」
ロップルがまず背後からカラフルな光線を放つ。ライラプスは一瞬で光線の軌道から逸れるが、そこにファントマが熱風を放ち、今度はライラプスは正面から熱風を浴びる。
二番手、三番手辺りでダメージは与えていると言えど、今だライラプスに決定打は与えられていない。
「ライラプス、アクアテール」
ライラプスはすぐに反撃に出る。尻尾に水をまとい、一瞬でファントマの正面に立ち、ファントマを叩き飛ばす。
「とどめだ。ハイドロポンプ」
「ロップル、ファントマを守って!」
ロップルはファントマの前に立ち塞がり、帽子を構えるが、ライラプスはまたしてもすぐにファントマの後ろに回り、
「ガッツロス、襲撃!」
突如、ライラプスの背後から巨大な顎を持つクワガタポケモンが現れ、渾身の力でライラプスを叩き飛ばした。
「!? 何事だ!」
下っ端が初めて驚きの声を上げ、キラとフウカも後ろを振り返る。
そこにいたのは、
「ふう、何とか間に合いましたね」
虫タイプ使いのジムリーダー、タマナ。
「うちはいち早く軍服を着た七将軍に勝ったので、先に行ったチャンピオンたちを追って来たんです。伝説のポケモンが相手側にいるのは聞いていたんですが、間に合ってよかった」
あとはうちに任せてください、と、タマナは進み出る。
ライラプスは不意打ちの大きい一撃を喰らい、これでかなりダメージを負ったように見える。
「くっ、ジムリーダーか。だが、ライラプスの素早さに追いつけるポケモンなどいない。ライラプス、大地の力」
下っ端は焦ってこそいるが、極力それを表に出さない。
ライラプスは大地を揺らし、ガッツロスの足元から土砂を噴き出させる。
「ガッツロス、かわしてスプラッシュ!」
ガッツロスは土砂をかわすと、鋏に水をまとい、水飛沫を上げながら鋏を叩きつける。
「遅い。ライラプス、ダイヤブラスト」
ライラプスは一瞬でガッツロスの背後に回ると、煌めく爆風を放ち、ガッツロスを吹っ飛ばす。
しかし。
「読めました」
タマナの表情は、自信に満ちていた。
「そのスピードへの対処法が分かりました。スピードさえ見切れば、この勝負はうちの勝ちです」
下っ端が怪訝な表情を浮かべるのを気にせず、タマナはガッツロスに指示を出す。
「ガッツロス、影分身!」
ガッツロスは無数の影の分身を作り出し、
「襲撃!」
その無数のガッツロスが一斉に襲い掛かる。
「無駄だ。ダイヤブラスト!」
しかし、ライラプスは煌めく爆風で周囲を爆破し、ガッツロスの影分身を全て打ち消してしまう。
だが、本物のガッツロスがそこにはいない。
すぐに下っ端は気づく。
「潜るか。くだらん技だ、ライラプス、飛びだしてきた瞬間をアクアテールだ」
ライラプスは集中して床を見据える。
突如、ライラプスの足元が崩れ、ガッツロスが飛び出す。
しかし、ライラプスは一瞬で退き、そこから水をまとった尾でガッツロスを吹っ飛ばす。
ガッツロスは地面タイプも持っている。まともに当たれば、致命傷は避けられない。
しかしそれは、飛び出してきたのが本当にガッツロスだった場合の話だ。
ライラプスの攻撃を受けたガッツロスは、消滅してしまった。
「な…ッ!?」
そして、それと同時に、
「スプラッシュ!」
水をまとったガッツロスがライラプスの真下から飛び出し、効果抜群の一撃を叩き込む。
そう。
最初に飛び出たのは、影分身の偽物だったのだ。
「おのれ…この程度の作戦に…!」
しかもガッツロスは今、大顎でライラプスの胴体をがっちりと挟んでいた。
これではライラプスの神速も役に立たない。
「決めます! ガッツロス、スプラッシュ!」
そのままガッツロスは水をまとい、挟んだライラプスを全力で壁に叩きつける。
高火力の技を立て続けに喰らったライラプスは、ついにその体力を使い果たし、戦闘不能となって倒れた。