二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 第十話 笑う口裂け少女 ( No.33 )
日時: 2012/11/10 21:40
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: 1HHiytFf)

「む? 貴様、アンタレスが言ってた奴の格好と似てる…もしや?」
シャウラの感情の無い顔が、突然不敵な笑みを作った。口裂け女のように口を歪ませ、目をカッと見開く。
「な、何だ! だったら何だっていうんだ?」
その恐ろしい表情にレオは少し恐怖を感じたが、それでも強い口調で言い返す。
「ふっ、決まっているだろう? 危険分子は抹消するのみだ。出て来い、トコヤミ!」
シャウラはいきなりモンスターボールを構え、ポケモンを出した。
そのポケモンは、上半身のみを地上に出しており、目は宝石となっている、紫の妖怪のようなポケモン。
トコヤミ、暗闇ポケモン。ゴースト、悪タイプ。
「出て来い、カワラベ!」
対するレオのポケモンはカワラベ。
「トコヤミ、シャドーボール!」
トコヤミは口から影の弾を放つ。
「カワラベ、かわしてバブル光線!」
カワラベは横に飛びのいてシャドーボールを避け、無数の泡を放つ。
「ふふ、こんなものか。トコヤミ、ダイヤブラスト!」
トコヤミは煌めく爆風を放って泡を破壊、爆風でカワラベも吹っ飛ばす。
「まだだ。カワラベ、マッドショット!」
カワラベは素早く体勢を立て直し、泥をトコヤミの目に投げつけ、目潰しを決める。
「よし、アクアジェット!」
泥で周りが見えないトコヤミ目掛けて、カワラベは水をまとって突撃する。
しかし、

「甘い。トコヤミ、シャドーボール!」

目が見えないはずのトコヤミはカワラベの位置を正確に見極め、影の弾を放った。
「!?」
唖然とするレオ。
「ふふ。このトコヤミの特性は鋭い目。その程度の小細工ではこのトコヤミの視力は潰れないのさ。ダイヤブラスト!」
更にトコヤミは煌めく爆風を放ち、カワラベを追撃し、これもまともに喰らったカワラベは戦闘不能となる。
「カワラベ、休んでてくれ。次はお前だ、頼むぞリープン!」
レオの次のポケモンはエースのリープン。
「む、まだやるか。往生際が悪いというか何というか…トコヤミ、ダイヤブラスト!」
トコヤミは再び煌めく爆風を放つ。
「リープン、かわして成長!」
リープンは爆風を避けると、体の細胞を成長させ、決定力を上げる。
「葉っぱカッター!」
リープンは続けざまに鋭い葉を放つ。
「ふふ、大したことはない。トコヤミ、シャドーボール!」
トコヤミは葉っぱカッターを耐え、影の弾を放つ。
「リープン、風起こし!」
対してリープンは葉を振り、シャドーボールの起動をそらし、
「連続切り!」
手にした葉で連続してトコヤミを切り裂く。
「舐めるな。トコヤミ、思念の頭突き!」
連続切りなど気にせず、トコヤミは思念を額に集め、強烈な頭突きで吹っ飛ばす。
「追撃だ! シャドーボール!」
そしてすかさずトコヤミは影の弾でリープンを追撃する。
「リープン、葉っぱで防御だ!」
リープンは咄嗟に葉を構え、影の弾を防ぎ切る。
しかし、
「そこが隙だ。トコヤミ、ダイヤブラスト!」
リープンが葉をどけた瞬間、間髪いれずにトコヤミの爆風がリープンに襲いかかる。
リープンは爆風をまともに喰らい、吹っ飛ばされる。
何とか起き上がるが、もう体力は残りわずか。
「ふふ、造作もない。トコヤミ、とどめだ」
シャウラがとどめの一撃を指示しようとした、その時だった。

「見つけたぞ、イビル七将軍!」

間一髪、後ろの階段からシナイが現れた。
「む、タイメイのジムリーダーか。しかし、まさかジムリーダー一人で私に勝てるとでも思っているのか?」
シャウラはあくまでもやる気のようだ。
対して、シナイは、
「ああ、勝てるとしても難しいだろうな。だから援軍を連れて来た」
そう言った直後、階段からシナイの弟子たちが次々と現れる。
「全員ポケモントレーナーだ。これなら貴様に勝ち目はない」
これを見ると、流石にシャウラも諦めたようだ。ふう、と息をつき、
「トコヤミ」
そう呟いた直後、トコヤミはシャウラを抱え、地面に潜ってしまった。
「待て!」
シナイが駆け寄るが、穴は塞がってしまう。
「くっ、逃したか。だがレオ君が無事で良かった」
シナイはほっとしたように呟く。
後ろでは、シナイの弟子たちが置いてけぼりにされた下っ端を捕らえたようだ。
「さて、レオ君。手伝ってくれてありがとう。明日、ジム戦をするとしよう」
「はい、お願いします!」
心の館騒動は、とりあえず終わった。明日はジム戦だ。