二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 第百四十話 ポケモンリーグ ( No.330 )
日時: 2012/12/16 18:33
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: Pa6wZ.rX)

ポケモンリーグ、ウチセト大会。
ウチセトのジムバッジを八つ手にした者のみが出場することを許される、ポケモンバトル大会の最高峰だ。
この大会に優勝することは、ジムリーダーやチャンピオンを除けばウチセト地方最強のトレーナーとなったことを意味する。それほど大きな大会だ。
イビル壊滅から二日が経過。大遺跡に乗り込んだメンバーは、自分たちのポケモンを休ませたり、自分も休んだりして二日過ごした。
レオは今、イツク島行きの船に乗っている。チヅルやキラたちもいる。
出場するには、大会日の一日前、つまり今日中には登録を済ませなければならない。
そのためか、船の中には多くの人たちがいる。全員とは言わずとも、ここにいる者の七、八割はポケモンリーグ出場者だろう。
「ついに来たぜ、ポケモンリーグ」
小さくレオは呟き、気持ちを高める。
もうすぐ、イツク島に到着である。


ポケモンリーグ会場を見るや、レオは唖然として立ち止まる。
もの凄く大きい。
建物は中央の巨大なコロシアム会場と、そこから四方につながる四つのコロシアムに分かれ、中央会場はポケモンセンター等も兼ねている。
「でけえ……!」
しばらくレオは言葉が出なかった。横にいるチヅルとキラも同様のようだ。
やがて、キラが口を開く。
「…へへ、こんな豪華なスタジアムで、正式にポケモンバトルが出来るのか。燃えるぜ」
そして、キラは二人の方を向く。
「さあ、チヅル、レオ、行こうぜ。とっとと参加登録済ませちまおう」
「…そ、そうだな」
「…そっか、登録しないとね」
幼馴染三人は、中央会場のロビーに入る。
登録所には既に列が出来ていた。結構な人の数だ。
とりあえず、三人は列に並ぶ。
「何て数だ…この中から勝ち残るのは一人だろ?」
「やる以上は優勝を目指したいけど、私たちより強い人たちだってきっといるはず」
「だからこそやってやろうぜ。優勝を争うのは俺たちだ」
しばらく待つと、レオたちの登録の番がくる。
「では、八つのバッジを出していただけますか?」
受付の女性にそう言われ、まずはレオが進み出る。自分のポケモンと共に手にした、八つのバッジを提示する。
「…はい、確かに確認しました。それでは、ポケモン図鑑を出していただけますか?」
レオはポケモン図鑑を差し出す。女性は何かの機械を取出し、図鑑にかざす。
そして、
「はい、これで受け付けは完了です。貴方の予選番号は、156番ですよ」
頑張ってくださいね、と女性はレオに図鑑とパンフレットを手渡す。
続いて、チヅル、キラも同様に手続きを終える。チヅルは157番、キラは158番。
レオたちは受付を終え、外に出る。
滅多にないほどの大きな大会ということで、会場の周りには、多くの屋台が建っていた。
売っている物は焼きそば、たこ焼きなど、一般的なものから、応援用のグッズや、ウチセトの名物が販売されている。
ウチセトの名物だけではない。ジョウトの名物・怒り饅頭、イッシュの名物・ヒウンアイスなど、珍しいものもたくさん売られている。
ここからは自由行動。とりあえずレオは、一番興味のあるヒウンアイスを買った。
ベンチに座り、アイスを食べていると、
「あら、レオさん!」
突然声を掛けられた。
レオが顔を上げると、そこにいたのはフウカ。手にした袋には怒り饅頭が一袋。
「フウカ! もう登録は終わったかい?」
「もちろんです。この大会のための、私のポケモンの最終調整もバッチリ。優勝するのは、私です」
「そうはさせないさ。優勝するのは、僕だからね」
レオの言葉に、フウカは微笑み、
「決勝で会いましょう。私たちが戦うのに、最高の舞台で」
「おう。お互い、頑張ろう」
そしてフウカは、レオに手を振り、その場を去っていった。
さらに、レオは少し離れた広場に、シアンを見た。
ノコウテイを出し、最終調整を行っているらしい。
そして、目の前を通ったのは、
「…!」
アメジスシティで会った少女、ナシカ。どうやら彼女も、ポケモンリーグに出場するようだ。
アイスを食べ終えると、レオは立ち上がる。
「よし!」
自らに気合を入れ、レオは歩き出す。
今日やることは、しっかり体を休めることだ。


そして、次の日。
大会参加者は、全員中央会場のコロシアムに集まっていた。
中央の聖火台に、火が灯される。
「皆様、お待たせいたしました! 只今より、ポケモンリーグウチセト大会を開催いたします!!」
会場全体から歓声が上がった。参加者だけではない、観覧席の客たちも手を叩き、大声を上げる。
「ウチセトのジムを制覇した猛者たちよ、強者揃いのポケモンリーグにようこそ! この中から一人、ウチセト最強のポケモントレーナーが選ばれます!!」
実況は、会場の歓声に劣らない勢いで叫ぶ。
「さあ、ウチセト最強の座を手にするのは、どのトレーナーか? 早速始めましょう!!」
その言葉と共に、一瞬、会場が静まり返る。
刹那、実況の声が響き渡る。
「ポケモンリーグウチセト大会、予選スタートです!!」
それと同時、会場を揺るがす大歓声が上がる。
「予選大会は三十分後に開始いたします。場所は会場外の簡易バトルフィールド。それでは、強者たちよ、最強を求めて戦い尽くせ!!!」
そう。
このウチセト大会の予選は、会場の外で行われる。
つまり、予選を突破しないと、この大きく立派なスタジアムには立つことすらできないのだ。
さらに、ベスト8が出揃うまでは、四方にそびえる四つのコロシアム。
中央会場のスタジアムには、ベスト8まで入らないと立ち入ることを許されない。
予選は六試合。一対一のポケモンバトルで、それぞれのバトルごとに違うポケモンを使わなければならず、最初に登録した六体のポケモンのみ使用が許可される。
三百人を超える参加者のうち、上位六十四人のみが本戦へ参加できる。
勝利数が同じ場合は、バトルの時間が短い人が上位となる。
参加者はぞろぞろと、外のバトルフィールドに向かう。
「よし、行くぞ」
レオも人の流れに乗り、会場を目指す。




ポケモンリーグウチセト大会、開幕です。まずは予選が始まりました。ウチセトのジムバッジを八つ手にした強者のみが揃う戦いですから、全員がアサツキのフシギバナやザントのサザンドラを倒した猛者ですが、レオはどこまで勝ち進めるでしょうか。是非とも、レオやその仲間たちに上位に進んでもらいたいところですね。次回は、予選です。それでは、次回もお楽しみに!