二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 第百四十二話 謎の実力者 ( No.334 )
- 日時: 2012/12/18 00:15
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: Pa6wZ.rX)
レオの予選は五試合が終わった。
全員がウチセトジム制覇者なだけあり、レベルも高く、苦戦を強いられることもあったが、それでも勝ち続け、何とか五連勝。
そして、時間は夕方、日も傾きだしたころ、レオの最後の予選が始まる。
フィールドの向こうに立つのは、茶髪のショートヘアーに、赤色を基調とする服を着て、黒いマフラーをした青年。年はザントと同じくらいか。
「これより、4番と156番のバトルを始めます。使用ポケモンは一体、それでは、バトル開始!」
出せるポケモンは残り一体。考えることもなく、二人はポケモンを繰り出す。
「頼むぜ、ガブリアス!」
「任せたぞ、フィニクス!」
レオの最後のポケモンはフィニクス。
対する4番のポケモンは、恐竜のような体型をし、背中や腕にサメの鰭のような翼を持つドラゴンポケモン。
ガブリアス、マッハポケモン。ドラゴン・地面タイプ。ドラゴンポケモンどうしの対決だ。
「僕から行くぞ! フィニクス、エアスラッシュ!」
フィニクスは羽ばたき、無数の空気の刃を放つ。
「ガブリアス、怒りの炎!」
対してガブリアスは怒りの感情のように激しく燃える炎を放ち、エアスラッシュをまとめて相殺し、
「剣の舞だ!」
戦いの舞を舞って、攻撃力を底上げする。
「剣の舞は危ないな…フィニクス、大文字!」
フィニクスは煌々と燃え盛る、大の字型の炎を放つ。
「ガブリアス、回避!」
対してガブリアスは大文字の隙間を潜り抜けるように炎をかわし、
「剣の舞!」
さらに攻撃力を高めていく。
「怒りの炎だ!」
そしてすかさず、激しく燃える炎を放って反撃。
フィニクスは炎を正面から浴びるが、フィニクスの特性は貰い火。
ダメージを受けることは無く、むしろ翼と額の炎がさらに激しく燃え上がる。
「へえ、特性は貰い火か。だったらガブリアス、地震だ!」
ガブリアスは地を蹴って高く飛ぶ。フィニクスの上を取り、そのまま地面に踏み込んで地震を起こすような勢いで、フィニクス目掛けて足の一撃を向ける。
「あれは危ないぞ! フィニクス、横へ避けるんだ!」
フィニクスは咄嗟に横へ飛び、ぎりぎりでガブリアスの一撃を避ける。
ガブリアスはそのまま地面へ激突し、大きな地揺れが起こる。
「ここはチャンス! フィニクス、ドラゴンダイブ!」
地面にまともに激突し、硬直しているガブリアスに向かって、フィニクスは龍の力をまとい、すざましい殺気をまといながら急降下、ガブリアスに効果抜群の一撃を喰らわせる。
「なかなかやるな。ガブリアス、立てるよな?」
ガブリアスは一撃程度ではやられない。ドラゴンダイブを喰らった後でも地にしっかりと足を付けており、すぐに体勢を立て直す。
「ガブリアス、剣の舞!」
ガブリアスは激しい舞を舞って、さらに攻撃力を上げる。
これでガブリアスの攻撃力は最大。今度こそ本格的に攻めてくるはずだ。
「だったらその前に決めるまでだ! フィニクス、龍星群!」
フィニクスは龍の力を込めたエネルギー弾を上空へ打ち上げる。
上空でエネルギー弾は破裂し、無数の流星となって降り注ぐ。
「龍星群…やるじゃねえか。これは避けきれないな、ガブリアス、防御態勢を!」
ガブリアスは腕の翼を盾のように構え、防御の体勢を取る。
降り注ぐ流星は、ガブリアス目掛けて次々と振りかかる。エネルギー弾がガブリアスに全弾激突し、砂煙が上がる。
これを効果抜群で喰らえば、まず耐えられない。耐えられたとしても、体力は残りわずかに違いない。
しかし。
「ガブリアス、ドラゴンクロー!」
砂煙の中から、突如ガブリアスが飛び出し、龍の力を込めた爪でフィニクスを切り裂く。
まずは右手の爪で、そして間髪入れずに左手の爪で二発目を叩き込む。
効果は抜群、しかも剣の舞を三回により、今のガブリアスの攻撃力は尋常ではない。
それを一瞬のうちに二発喰らったフィニクスは、地面へと叩き落とされ、戦闘不能となってしまう。
「…!? よくやった、フィニクス。戻ってくれ」
ガブリアスの圧倒的実力に驚きつつも、レオはガブリアスを戻す。
対する4番のトレーナーは、
「よく頑張ったな、ガブリアス。これで確実に本戦へ出られるぞ。明日も頼むぜ、へへっ」
満足そうな笑みを浮かべ、レオの方を向く。
「156番のトレーナー、なかなかいいバトルだったぜ。本戦に出られるといいな」
そして、軽く手を振り、4番のトレーナーはバトルフィールドを出て行ってしまう。
「いいバトル? いや、そうでもないだろ。かなり押されてたし」
4番のトレーナーが出て行ったあと、レオは思わず呟く。
「…どんだけ桁外れなんだよ。フィニクスの龍星群を耐え切って、しかもあれだけ動けるなんて」
とんでもない実力のトレーナーの存在を知り、呆然とするレオだった。
何はともあれ、とりあえず五勝一敗でレオの予選は終了。全勝とまではいかなかったが、本戦出場を狙うには十分な成績だ。
あとは、結果発表を待つだけだ。
予選最終戦です。正体不明のトレーナー、4番に敗れたレオですが、この4番、実は…。ヒントは容姿です。ところで、一話前から書いてて思いましたが、93番やら4番やら、なんだか人間じゃなく機械か何かが戦っているように感じますね。さて、このやたら強いトレーナー。この正体は、これからの話で明らかになります。さて、次回は本戦への結果発表とその後のやり取りとなっていきます。それでは、次回もお楽しみに!