二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 第百四十三話 結果発表 ( No.335 )
日時: 2012/12/19 18:26
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: 9Qe5KE35)

ようやく、全ての予選が終了した。
もう夜。外はすっかり暗く、結果発表の会場となる中央会場には、戦いを終えたトレーナーたちがぞくぞくと集まってくる。
三百人近い出場者の中から、本戦に出られるのはわずか六分の一ほど、六十四名のみ。
こうして発表を待つ間が、一番緊張するものだ。
「おーっす、レオ。どうだった、手ごたえは?」
後ろからレオに話しかけてきたのはチヅル。キラは近くにいない。
「一応本戦への手ごたえはあるよ。五勝一敗。多分勝ち残れると思うけど、それでも不安な感じ」
「うっそー、五勝? 私は四勝しかできなかったー。一試合キラに負けたし」
話を聞くに、出すポケモンを読み負けたらしい。
「四勝くらいだと確かに不安だよな。試合時間は?」
「時間は全試合速攻で決めたよ。攻めだけを重視したからね」
その時、実況の声が響く。
「選手の皆様、お待たせいたしました! 予選の集計が終わりました。いよいよ、本戦へ出場できる選手の発表です!」
会場は一瞬にして静まり返る。この緊張感が恐ろしい。
「それでは……三、二、一……どうぞ!」
実況の合図と共に、本戦へ勝ち進んだ者の番号と顔写真が一斉にモニターに現れる。
右から三列、順に、六勝、五勝、四勝の者たちの写真だ。
上からの順番は、同じ勝ち数の者たちの中で何位だったかを示している。
つまり、この時点で六勝した者と五勝した者の本戦出場は確定。
「よっしゃあああ! チヅルは……?」
レオは拳を高く振り上げ、吼える。
チヅルは目を細くし、自分の顔写真を探す。そして、
「あった! やったー!」
チヅルも本戦への出場が出来たようだ。
さらに、キラの顔写真は五勝の列に、シアンの顔写真は四勝の列にある。
フウカに至っては、四人しかいない六勝の列の三位の位置に映し出されていた。
そして、予選を一位で突破したのは、
「あいつは……!」
レオのフィニクス相手に、余裕を持って勝利を納めたトレーナー。
予選番号4番。
「あの人、確かに強かったけど、一位とはな……。そんな強かったのか」
「どうしたの、レオ?」
独り言をつぶやくレオに、チヅルが話しかける。
「いや、僕が一試合だけ負けた時の相手が、予選第一位にランクインしてるんだ。かなり強かったぞ」
「そーなんだ。やっぱり一際強いトレーナーもいるんだね」
とりあえず、レオやその仲間たちは全員予選を突破することができた。
「それでは、明日以降のトーナメント表を発表します!」
実況の言葉と共に、モニターの顔写真は四つに分けられる。
明日以降の、三回戦までに戦う可能性のあるトレーナーたちだ。三回戦までは、中央会場を囲むように四方に建てられた四つのトーナメントで戦うのだ。
そのトーナメントの上位二人が、中央スタジアムで行われる準々決勝以降に出場できる。
しかし、一回戦ごとに誰と戦うのかがシャッフルされるため、一回戦の相手しか分からない。
レオがバトルするのは、東方にそびえ立つ龍門スタジアム。シアンもいる。
キラは南方の雀門スタジアム、フウカは西方の虎門スタジアム。
そしてチヅルは北方の武門スタジアム。その中には、4番のトレーナーもいた。
「うわ、チヅル、気を付けろよ。あのトレーナーと当たるかもしれないぞ」
「任せといてよ。当たったとしても、倒しちゃえばいいんだし」
それが出来れば苦労しないよ、とレオは思ったが口には出さない。
むしろ、チヅルのように強気でポジティブにいったほうがいいのかもしれない。
そして、
「それでは、本戦の一回戦の相手を発表いたします!」
モニターの顔写真が動き、一回戦の相手が表示される。
レオの相手は、白い髪の少年だ。しかもレオは一回戦の第一試合。
チヅルの相手は、幸い4番ではないようだ。
「あのトレーナーか。名前は知らないけど、どんなポケモンを使ってくるのか、楽しみだぜ。僕のバトルで始まるなんて、名誉なことだしな」
レオの心がいよいよ燃え出す。明日の本戦が待ちきれない。
その時、
「おう、レオ、チヅル。やったじゃねえか。俺達三人とも本戦出場だぜ」
横から二人に声をかけたのはキラ。
「お、キラ! よかったな、本戦出場!」
「キラ、あんたのせいで本戦に出れるかどうかひやひやしてたんだからねー!」
「あれは面白かったぜ。チヅルときたら俺の読んだとおりにポケモン出してくれるんだからさ」
へへっ、とキラは笑い、
「ま、一敗したと言えど、調子はいい感じだ。この調子で向かってくるトレーナー全員倒して、優勝してやるぜ!」
それじゃな、とキラは手を振り、スタジアムの出口へと歩いて行った。
とりあえず、今日やれることは、
「よし、飯食って寝るか!」
レオは中央会場の食堂に駆け込み、とっとと夜ご飯を食べ終え、寝ることにした。
しっかり体を休め、明日からはいよいよ本戦である。




予選終了です。やはりバトルシーンがないと、文字数を埋めていくのが大変ですね。とはいえ、今回は割とすらすら書くことが出来たので、まあよしとしましょう。次回の本戦からは、きっちりとバトルシーンを入れていきますので。さて、次回からはいよいよポケモンリーグ本戦です。さらに盛り上がりを増していく大会をお楽しみください。それでは、次回もお楽しみに!