二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 第百五十一話 月の力と日陰の力と ( No.353 )
日時: 2012/12/26 18:42
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: 1qauGher)

「ロップル、瞑想!」
ロップルは再び精神力を研ぎ澄ませ、特殊能力を高める。
「ルナバイン、サイコバーン」
ロップルの瞑想を見るやいなや、ルナバインは素早くロップルに接近し、至近距離から念力の爆発と共に衝撃波を放つ。
「甘いぜ、ロップル、放電だ!」
効果今一つの上に、瞑想で特防も上がっているため、大したダメージではない。
ロップルは電撃を撒き散らし、ルナバインに電撃を浴びせ、動きを止める。
「乗り移る!」
さらにロップルは魂を憑依させ、ルナバインの内側からダメージを与える。
「それほど痛くないわ。このルナバインは特殊方面を重点的に鍛え上げ、さらにサイコバーンの追撃で特防が上がっているから。ルナバイン、立って。ウッドハンマーよ」
ルナバインは何とか立ち上がり、力任せに杵を振るってロップルを吹っ飛ばす。
「まだまだよ。ルナバイン、ダイヤブラスト」
「くっ、ロップル、サイコキネシス!」
さらにルナバインは煌めく爆風を放ち、ロップルは体勢を崩しながらも念力の波を放ち、何とか爆風を相殺する。
「だったらルナバイン、サイコバーン」
ルナバインは大きく跳び、ロップルの上を取り、上空から念力の衝撃波を放つ。
「まずい、ロップル、サイコキネシス!」
ロップルは上を見上げると、咄嗟に念力の波を放つが、体勢が不十分で完全な念力は放てず、衝撃波に押し負け、ロップルは衝撃波の直撃を喰らう。
「そこよ。ウッドハンマー」
上空からルナバインは杵を振り上げ、ロップル目掛けて思い切り叩きつける。
「やべっ、ロップル!」
ロップルは咄嗟に横に転がり、寸でのところで杵の一撃を躱すが、
「まだよ」
直後、ルナバインの尻尾が動き、尻尾で掴んだ臼をロップルへと叩きつける。
「なにっ!?」
流石にこれは予想できなかった。ロップルは臼の直撃を受け、吹っ飛ばされる。
(まさか臼まで使ってくるなんて……今のは油断したな)
レオは気持ちを入れなおす。
「ロップル、やれるか?」
ロップルは肩で息をしながらも、レオの言葉に頷く。
「よっし、ロップル、ここからだぜ! サイコキネシス!」
ロップルは念力を操作し、ルナバインの動きを止める。
「ルナバイン、破って。そこからウッドハンマーよ」
ルナバインは念力を打ち破ろうと力を込めるが、瞑想で強化された念力はなかなか破れない。
しかも、
「そんなことしなくてもこっちから出向くぜ! こっちに引き寄せろ!」
ナナネの予想とは逆に、ロップルはルナバインを思い切り引き寄せる。
「何を考えてるかは知らないけど、これはチャンスでもあるわね。ルナバイン、打ち勝ちなさい。ウッドハンマー」
ルナバインがロップルの真ん前まで引き寄せられた刹那、ルナバインが念力を打ち破る。
「裏目に出たわね。ルナバイン、やってしまいなさい」
引き寄せられた勢いに任せ、ルナバインは杵を振りかぶり、思い切り振り下ろす。
しかし。
「ロップル、受け流せ!」
ロップルは帽子を取り外し、杵を払いのける。杵はロップルの右にわずかに逸れ、地面を抉り取るだけに終わった。
そして、
「貰ったぜ! ロップル、乗り移る!」
ロップルがルナバインを引き寄せたのは、確実に効果抜群の乗り移るを当てるため。
そうすればナナネは油断し、もしかしたら技を繰り出すことで隙を作るかもしれないと考えたが、見事大当たりした。
ロップルはすかさず魂を憑依させ、ルナバインの内側から攻撃する。
ルナバインは両手で自分の頭を掴み、のた打ち回り、そして力尽きて地面へと倒れ込み、戦闘不能となった。
「あ……ルナバイン、よくやったわ。戻って休んで」
ナナネは無表情のままルナバインをボールに戻し、そして最後のボールを構える。
「さて、私のエース相手に、どこまでやれるかしら」
「どんなポケモンが出て来たって、全力で迎え撃つだけさ」
レオの言葉を聞くと、ナナネはうっすらと微笑み、エースを繰り出す。
「その鳴き声は、辺り一面に潜む闇を打ち払い、周りへと光、幸福をもたらす。貴方の呼ぶ幸福は、私の魔法をさらに増す。闇の力のしもべたちよ、とっととお家に帰りなさい! 行くわよ、オオイナリ!」
ナナネの最後のポケモンは、幸福を呼ぶと噂されるポケモン、炎・エスパータイプのオオイナリ。
「オオイナリもヤシロさんが使ってたな……」
「まあね。オオイナリ、火炎放射!」
オオイナリは口から灼熱の炎を吹き出す。
「ロップル、サイコキネシス!」
ロップルは念力の波を放って、炎を相殺。
「やっぱり正面からは無理か……」
ナナネは呟く。そして、

「オオイナリ、高速移動」

ナナネの指示の直後、オオイナリは消えた。
「!?」
辺りを見回すレオとロップル。
次の瞬間、オオイナリはロップルの後ろへと回り込んでいた。
「後ろだ! ロップル、放——」
「遅い。火炎放射」
ロップルが振り向き、電撃を撒き散らすよりも速く、オオイナリはロップルの背後から灼熱の炎を放つ。
炎が過ぎると、ロップルは戦闘不能となっていた。
「ありがとう、ロップル。よくやったぜ」
レオはロップルを労い、ボールに戻す。
(さて、最後の一体をどうするか。一番有利なのはフィニクスだけど、あいつは連戦で疲れてる。いや、やっぱりあいつだよな)
レオは顔を上げ、ボールを取り出す。
「さあ、やっとお前の出番だぜ。存分に暴れて来いよ、テペトラー!」
レオの最後の一手はテペトラー。実はテペトラー、予選もレオの手持ちの中では最速で勝利しており、さらに本戦でのバトルはこれが初めて。
要するに、今のテペトラーは力が有り余っている。
そして、そんなテペトラーを見てもナナネの表情は変わらない。
「さあ、始めましょう。この戦いに勝てば、私の魔法はさらに強くなる」
「悪いけど僕は負けないぜ。僕の気合と根性が、君の魔法の力を超えてみせる!」
最後のポケモンの戦いが、いよいよ始まる。




前回の後書きが適当すぎてすいませんでした。どうしても12月25日に間に合わせたかったので、すごく雑になってしまいました。さて、ロップルがルナバインを撃破、しかし最後のエース、オオイナリに敗れ、レオの最後の一手はテペトラーです。タイプ相性的には互角ですね。どちらにも有効打がありますから、戦略が鍵を握るでしょう。あと一応言っておくと、オオイナリを出した時の台詞の元ネタはプリキュアです。次回はナナネ戦、決着。それでは、次回もお楽しみに!