二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 第百五十六話 一位の実力 ( No.360 )
- 日時: 2013/01/05 00:25
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: omqSuZTj)
レオとフウカが武門スタジアムの入り口に入ると同時、歓声が上がった。
どうやら既にバトルが始まっているようだ。
二人が観客席に駆け込んだ刹那、実況の声が響き渡る。
「おおーっと! 猛威を振るったシュウヤ選手のガブリアス、ついに敗れた!」
はっとしたレオが急いでスタジアムを見ると、バトルフィールドに立つのはチヅルのエース、ファマイン。
そしてその真ん前に、ガブリアスが倒れていた。
「おお、チヅルやったのか!」
レオが思わず声を上げるが、傍らのフウカの表情は険しいままだった。
「いえレオさん、チヅルさんはむしろ押されています。モニターを見て下さい」
フウカに促され、レオはモニターを見る。そして、愕然とした。
なぜなら、ファマインは三体目で、対するガブリアスはまだ一体目だったからだ。
「嘘だろ……」
予選から数えれば六体抜きしたガブリアス。ファマインに敗れたとはいえ、チヅルの不利に変わりはない。
しかもよく見れば、ファマインも相当疲れている様子だ。
そして、スタジアム。
シュウヤは二番手のポケモンを繰り出す。
「決めるぞ。出て来い、ユニサス!」
シュウヤの二番手は、白い立派な鋼の体に、紫の美しい体毛を生やし、額に金色の立派な角を持つ、馬のようなポケモン。
ユニサス、角馬ポケモン。鋼・エスパータイプ。
「やるしかないよ。ファマイン、炎のパンチ!」
ファマインは拳に炎を灯し、殴りかかる。
「ユニサス、メタルブラスト!」
対してユニサスは強大な鋼エネルギーを放つ。
ファマインの拳は、鋼エネルギーに阻まれ、相殺される。
「だったらファマイン、地震!」
ファマインは地面に力を加え、地震の揺れでユニサスの動きを止め、衝撃波でユニサスを吹っ飛ばす。
「炎のパンチ!」
ユニサスを追い、ファマインは動く。炎を灯した拳を構え、ユニサスへと迫る。
「ユニサス、ハイドロポンプ!」
対してユニサスは、体勢を崩しながらも大量の水を噴射し、ファマインを迎撃。
だがユニサスの特攻はそんなに高くない。炎技で水技の突破は流石に出来ないものの、何とか相殺。
しかし、
「ユニサス、もう一撃だ!」
その間にユニサスは体勢を立て直し、もう一度大量の水を噴射、今度はファマインにまともに命中した。
「ファマイン! まだやれるよね?」
効果抜群の一撃を受けながらも、ファマインはチヅルの期待に応え、しっかりと立ち上がる。
「まだ立てるのか、流石はポケモンリーグ二回戦まで来た者のエースだな。だけど俺には勝てないぜ、ユニサス、メタルブラスト!」
シュウヤの声と共に、ユニサスは強大な鋼エネルギーを放つ。
「くっ、ファマイン、ストーンエッジ!」
対してファマインは無数の尖った岩を放ち、鋼エネルギーを相殺し、
「放電!」
「だったら、雷!」
ファマインが電撃を撒き散らすと同時、ユニサスはそれよりもはるかに強力な、雷に匹敵するほどの電撃を放つ。
放電を突き破り、雷はファマインをまともに捕らえる。
「ああっ、ファマイン!」
「もらった! ユニサス、ハイドロポンプ!」
雷で動きが止まった隙を逃さず、ユニサスが大量の水を放つ。
大量の水が勢いよくファマインに命中、ガブリアス戦でのダメージも重なっていたのか、ファマインは吹っ飛ばされ、戦闘不能となってしまう。
「ありがとう、ファマイン。悔しいですけど、私の負けです」
「今回の大会でガブリアスを倒したのは君が初めてだ。いいバトルだったぜ」
握手を交わす二人だが、チヅルの表情に笑顔はなかった。
あのマイペースで、いつでも笑顔のチヅルが、とにかく悔しそうな表情を浮かべている。
「あー、チヅル負けたか……」
「やっぱりあの人、強いですよ。ただ、先ほどのユニサスを見た感じ、やはりガブリアスが頭一つ抜けているかもしれません」
フウカによると、ポケモンのレベルとしてガブリアスの方が高いらしい。
改めてシュウヤというトレーナーの強さを実感したレオ。
午後からは三回戦がある。もうすぐ、相手が発表される。
龍門スタジアムの会場に立つのは、たった四人。
この中から二人が、中央会場で開かれる。
「それでは、モニターにご注目ください。三回戦の対戦カードは、こちらです!」
モニターの顔写真が動く。レオの相手は、
シアンだ。
レオがシアンの方を向くと、シアンもレオを見つめていた。
「試合は午後1時30分から開始されます。それでは、休憩といたします!」
シアンがレオの元へと歩いてくる。
「ついにレオ君と当たったね」
「出来れば二人で準々決勝に進みたかったけど、こればっかりは仕方ないな」
「そうだね」
その直後、シアンの目つきが変わる。
「負けないよ。さっきのティラノスの力、見てたでしょ」
「ああ、見てたさ。あれを見て無性に戦いたくなったよ。僕だって負けないからな」
そして、レオとシアンは一度握手を交わすと、二人は一時分かれ、シアンは行ってしまった。
シアンのポケモンは強敵揃い。特にティラノスはずば抜けた強敵だ。
だが、負けられない。レオにだって、勝ちたい理由がある。
「……よし!」
自信を鼓舞し、レオも歩き出す。
チヅル対シュウヤです。大幅にカットしましたが。さて、ユニサスは前作でも登場済みの、八年前からのポケモンです。そしてやはりシュウヤ、強いです。チヅルを余裕で倒し、順調に駒を進めます。そして、レオの次の相手はシアン。これでレオの相手は初めての既出キャラですね。さて、次回はレオ対シアン、開始。それでは、次回もお楽しみに!