二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 第百五十九話 無双の暴君 ( No.363 )
日時: 2013/01/13 15:45
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: WR6BJnUH)

「ストータス、マグネットボム」
ストータスは鋼の爆弾を放つ。爆弾は正確にリーテイルへと向かってくる。
「リーテイル、まとめて破壊だ! ドラゴンビート!」
リーテイルは龍の鼓動の如き音波を放ち、まとめて爆弾を粉砕すると、
「エアスラッシュ!」
「熱風で相殺して」
羽ばたいて無数の空気の刃を放つリーテイルに対し、ストータスは熱い風を吹きつけ、刃を相殺するが、
「リーフブレード!」
その隙を突き、リーテイルは一気にストータスへと近づき、ストータスの脇腹を尻尾の刃で切り裂く。
ストータスの体がぐらつく。このストータス、通常のものよりも耐久力は少々低いようだ。
「ここで決めるぞ! リーテイル、ハードプラント!」
リーテイルの咆哮と共に、地面から大量の蔦が飛び出し、ストータスへと襲い掛かる。
「ストータス、熱風」
ストータスは体勢を崩しながらも熱い風を吹きつけるが、無数の蔦は止まらず、蔦がストータスを呑み込んだ。
蔦が動きを止め、地面へと消えると、ストータスは戦闘不能となって倒れていた。
「ありがとう、ストータス。頑張ったよ」
シアンはストータスを戻し、次のポケモンを考える間もなく最後のボールを取り出す。
「行くよ、ティラノス。暴れておいで」
シアンの最後の一手は、やはりエース、暴君ポケモンのティラノス。
六メートルを超える、頑強な褐色の体。鋭い牙と爪。強者の放つ波動というものがひしひしと感じられる。
「負けてられるかよ。やるぞリーテイル、エースの力を見せてやれ! リーフブレード!」
リーテイルはティラノス目掛けて飛び、尻尾の葉をかざし、ティラノスへと切りかかる。
「ティラノス、下がって」
しかし、ティラノスは巨体に似合わない俊敏な動きで素早く後ろに下がり、葉の一撃を避けると、
「ぶち壊す」
ティラノスは地を踏み鳴らして駆け、一気にリーテイルまで接近。
「まずい! リーテイル、回避だ!」
リーテイルは一撃を避けようと後ろへ下がるが、ティラノスが巨体であるため、思ったよりもティラノスの攻撃範囲が広い。
ティラノスの渾身の一撃を避けきれず、リーテイルは勢いよく吹っ飛ばされ、壁に激突して戦闘不能となった。
「よくやったぞリーテイル。あとはこいつがケリをつける」
レオは最後のボールを取り出しつつ、リーテイルを戻し、その最後のボールを構える。
「これで最後だ! お前に任せるぞ、テペトラー!」
レオの最後のポケモンは、午前中の二回戦でもトリを飾ったテペトラー。
ティラノスはテペトラーを見ると、猛々しく吼え、テペトラーを睨み付けて威嚇するが、テペトラーはそれにも怯まず、逆にティラノスを睨み返す。
「やっぱりテペトラーだね。でも、エースのティラノスが苦手タイプを対策してないとでも思うかい?」
「いいや。そんなこと思ってないし、もし対策してないんだったらつまんないよ」
そして、二人は動く。
「ティラノス、龍の舞」
「させるかよ! テペトラー、波動弾!」
龍のように力強く舞い始めたティラノスに対し、テペトラーは必中技の波動の弾を放つ。
「必中技……ティラノス、思念の頭突き」
波動弾は必中技ゆえ、二回戦のように躱して龍の舞の戦法は使えない。
やむを得ずティラノスは龍の舞を中断し、思念の力を込めた頭突きで波動弾を破壊。
「ティラノス、グランボールダ」
ティラノスは片足を地面へと思い切り踏み込み、地揺れを起こす。
それと同時に地面から大小さまざまな岩が飛び出し、テペトラーを覆ってしまう。
「よし、龍の舞。からのぶち壊す」
今度こそティラノスは龍のように力強く舞い、攻撃と素早さを上げ、さらにそのままもの凄い勢いでテペトラーへ接近、岩もろともテペトラーを吹っ飛ばす。
「テペトラー、インファイト!」
だが、その寸前でテペトラーは周りの岩を連続攻撃で破壊し、岩から脱出し、間一髪でティラノスの激突を躱す。
ティラノスの一撃は無数の岩を破壊するに終わったが、岩が容易くぶち壊された。
「チャンスだ! ハイドロポンプ!」
その側面から、テペトラーは大量の水を噴射する。
攻撃直後のティラノスは対応出来ず、水の直撃を喰らう。
「ティラノス、思念の頭突き」
水を喰らったティラノスだが、足はしっかりと地を踏みしめたままだ。
そのティラノスがすかさず反撃に出る。テペトラー目掛けて、思念の力を込めた頭突きを繰り出す。
(エスパー技か。奴の攻撃力は計り知れないから、避けてもいいけど……)
だが、テペトラーが避けようとする体勢ではない。むしろ、拳を握りしめ、反撃の指示を待つような体勢なのだ。
「そうだよな。回避のバトルスタイルはお前には似合わないよな! よし、テペトラー、冷凍パンチ!」
待ってましたとばかりにテペトラーは冷気を込めた拳を構え、ティラノスを迎え撃つ。
額と拳が激突する。互いに一歩も引かず、せめぎ合うが、やはり龍の舞のあるティラノスの方がわずかに強く、次第にテペトラーは押され、ついに吹っ飛ばされる。
しかし、テペトラーの表情は変わらない。受け身を取って素早く起き上がり、ティラノスを睨み付ける。
「ティラノス、ぶち壊す」
「テペトラー、インファイト!」
ティラノスは恐怖を撒き散らすような咆哮と共に突進し、その手を突き出す。
テペトラーはその咆哮に怯えることなく地を駆け、そのまま跳び、渾身の拳の一撃を繰り出す。
双方の拳が交錯する。




シアン対レオ、パート3です。最近書いてて思いましたが、エース枠がテペトラーに食われつつありませんか?ラビリンシティ編辺りからブルムシティのジム戦まではあんなに不憫なカワラベだったのに、この昇格は何なんでしょうか? リーテイルもちゃんと強いんですよ? さて、次回はシアン対レオ、決着です。それでは、次回もお楽しみに!