二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 第百六十一話 太陽の化身 ( No.365 )
日時: 2013/01/16 21:51
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: CXRVbeOz)

場所は変わり、西方の虎門スタジアム。
「それでは、東側、フウカ選手! 西側、ナシカ選手! 前へ!」
フウカも順調に駒を進め、三回戦まで来た。
対するナシカは、フウカは知らないが、ホウエンのジムを制覇しており、ジムリーダーの誘いを受けたことのある強者でもある。
「さあ、早く始めるよ。正直こんなつまんないところにいたくないし。とっとと上に進みたいよ」
「それは無理ですね。勝つのは私ですから」
その言葉を引き金に、二人はボールを取りだす。
「お願いします、カンカーン!」
「行くよ、サーナイト!」
フウカのポケモンは、太陽を模した赤いエイのようなポケモン。日照りポケモンのカンカーン、炎タイプ。
対するナシカのポケモンは、白い体に、緑の髪の、女性の人型のようなポケモン。
抱擁ポケモンのサーナイト、エスパータイプ。
「それでは、バトル開始!」
審判の声の直後、日差しが一気に強くなる。
「日照りが厄介ね……サーナイト、サイコキネシス!」
サーナイトは強い念力を操作し、カンカーンの動きを封じ、
「そのまま地面へ!」
カンカーンを操り、地面へと叩きつける。
「カンカーン、反撃です。マグマで囲む!」
カンカーンは起き上がると、尻尾を地面へと叩きつける。すると無数の火柱が現れ、サーナイトを取り囲む。
「今です、怒りの炎!」
カンカーンはサーナイトの上を取り、憤怒の感情の如く激しく燃え盛る炎を放つ。
「逃げられないか……サーナイト、気合玉!」
周囲は火柱で遮られ、回避は不可能。サーナイトは気合を凝縮した弾を手に浮かべ、上空のカンカーン目掛けて放つ。
しかし、日照りで強化された怒りの炎を破ることが出来ず、気合玉は破壊され、サーナイトも炎の直撃をあびる。
「ここからよ。サーナイト、サイコキネシス!」
サーナイトは周囲に念力の波を放って火柱を破壊すると、
「十万ボルト!」
すぐさま強い電撃を放ち反撃、カンカーンに正面から電撃を浴びせる。
「その程度! カンカーン、ウッドハンマー!」
カンカーンはサーナイト目掛けて動く。一気に距離を詰め、堅い木のように硬化させた尻尾でサーナイトへと殴りかかる。
「来るよ。サーナイト、サイコキネシス!」
対して、サーナイトは強い念力を波のように発射し、ウッドハンマーを正面から迎え撃つ。
威力は互角。競り合いが続き、やがてカンカーンが身を引くが、同時に念力も消滅する。
「カンカーン、マグマで囲む!」
だが、そのあとの動きはフウカの方が早かった。
カンカーンは尻尾を地面へと叩きつけ、火柱を放つ。
無数の火柱はサーナイトの近くまで迫ると、一気に分裂してサーナイトを取り囲む。
しかし、
「サーナイト、影分身!」
サーナイトの体がふっと光る。
次の瞬間、火柱に包まれたサーナイトは消え、代わりにスタジアムのあちこちに無数のサーナイトが立っている。
「影分身……カンカーン、怒りの炎!」
しかし、そんなものカンカーンの前では関係ない。
カンカーンは憤怒の感情の如く燃え盛る炎を放つ。
広範囲へと放たれる炎は、分身を次々と打ち消し、直に本物を捕らえる。
はずだったのだが。

「残念、全て外れ。気合玉!」

本物のサーナイトがどこにもいない。
次の瞬間、カンカーンの頭上から気合を凝縮した弾が飛来し、カンカーンに直撃した。
「っ!?」
フウカは思わす上を見上げる。
本物のサーナイトが、ゆっくりと下降してきていた。
「サイコキネシスの便利なところは対象を操れるところだけど、だからといってその対象は敵だけじゃない。自分に念力を掛ければ、空中浮遊なんて楽勝だよね。十万ボルト!」
気合玉の直撃をまともに受け、体勢を崩すカンカーンを狙って、サーナイトは強力な電撃を撃ち出す。
「くっ、カンカーン、ウッドハンマー!」
体勢が整っていないながらも、カンカーンは堅い尻尾を振るい、何とか電撃を相殺する。
「カンカーン、一旦立て直しましょう。自己再生!」
カンカーンの傷が光り出す。細胞が修復され、傷が癒えていくが、
「させないけど? サーナイト、サイコキネシス!」
サイコキネシスは念力を操作して、カンカーンを操り、無慈悲にもその傷の回復を止めてしまう。
「そんな、使い方……!」
「サーナイト、そのまま地面へ!」
サーナイトは手を上へと掲げる。その動きに合わせ、カンカーンも操られ、念力によって空中まで持ち上げられる。
そして次の瞬間、サーナイトはその腕を勢いよく振り下ろす。
カンカーンも同じように、目に見えない力によって地面へと叩きつけられる。
「カンカーン! まだ行けます、怒りの炎!」
「悪いけど次で決めちゃうよ。サイコキネシス!」
カンカーンは何とか起き上がり、怒りに任せた灼熱の業火を放つが、サーナイトは再び念力を操作し、カンカーンを術中へと取り込む。
業火が襲い来るが、それでもサーナイトは念力を保ったまま、灼熱の業火を耐え切った。
そして、
「思い切り壁へ!」
サーナイトが全力で腕を横に振ると同時、カンカーンも同じように吹っ飛ばされ、壁に勢いよく激突。
戦闘不能となって、目を回していた。
「ありがとうカンカーン。休んでてください」
フウカはカンカーンを戻し、ナシカを見据える。
「随分と、手荒い戦法ですね」
「これでも加減してる方だよ。その気になればもっとグロテスクに、サイケデリックに彩れるんだけど?」
何気なく、ナシカはとんでもないことを言う。
ナシカの実力云々でなく、その性格に、フウカは不快感を覚えるが、気を引き締め、次のボールを取り出す。




さて、グレイさんのオリキャラ、ナシカが、久々に登場です。対するは霧火さんのオリキャラであるフウカ。オリキャラ同士の対戦、という感じですね。それにしても、ベガをやり始めた頃は(作者はポケットモンスターベガをプレイ済み)、カンカーンの日照りが本家で実装されたら晴れパが強くなると思ってましたが、夢ロコンでまさかの本当に実装されましたよね。あれは驚きました。さて、次回もフウカ対ナシカの続きです。それでは、次回もお楽しみに!