二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 第百六十三話 エースの実力差 ( No.367 )
- 日時: 2013/01/18 00:12
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: CXRVbeOz)
ユキメノコの放つ吹雪が、体勢が戻らないセラーナへと襲い掛かる。
「もらった……!」
小さくナシカは呟く。
しかしその時。バトルフィールドに変化があった。
空の黒雲の隙間から、太陽光が差し込んできたのだ。
「まずっ……霰が!」
先ほどの余裕までとは一変した表情を浮かべるナシカ。
ユキメノコの霰は、カンカーンの特性によるものとは違い、ずっと続くものではない。
しかし、カンカーンの日照りは、バトルが終わるまでずっと続く。
つまり、霰がやんだこの瞬間も。
そして、それが何を意味するか。簡単なことだ。
「セラーナ、躱して!」
突如、セラーナは消えた。いや、消えたように見えるほど速く動いた、が正しい。
太陽光により、セラーナはスピードを取り戻す。
「よくも散々やりたい放題やってくれましたね、今度はこっちの番ですよ!」
勝ち誇ったような笑みを浮かべつつ、フウカは言う。
「な、何てことないけど? 霰がやんだら、もう一回降らせるまで! ユキメノコ、霰!」
「させるもんですか! セラーナ、ソーラービーム!」
ユキメノコが天に力を捧げるために手を上にかざすが、力が送られる前にセラーナが太陽光線の如くエネルギーを発射した。
霰下でなければ雪隠れも機能しない。ユキメノコはソーラービームを躱す術もなく吹っ飛ばされ、戦闘不能となる。
「ありがとう、ユキメノコ。惜しかったね」
ナシカはユキメノコを労い、ボールに戻し、最後のボールを取り出す。
「これで最後。行くよ、ドレディア!」
ナシカの最後のポケモンは、花飾りポケモンのドレディア。
「ドレディアですか……セラーナ、一旦戻ってください」
有効打が無いため、フウカはセラーナを戻す。
「さあ行きましょう、ロップル!」
フウカの最後のポケモンは、エースのロップル。エースで速攻で決めるつもりだ。
また、このナシカが少々苦手だから早く終わらせたい、という理由もある。
「ドレディア、エナジーボール!」
先に動いたのはナシカ。
ドレディアは自然の力を集め、球状にして撃ち出す。
「ロップル、躱してサイコパンチ!」
対して、ロップルは軽やかなステップでそれを避けると、拳を振るって、拳の形をした念力を放つ。
「ドレディア、アクアボルト!」
ドレディアは拳へと電気を含んだ水を放つが、相殺できず、拳の直撃を喰らって吹っ飛ぶ。
「まだまだですよ。ロップル、続いてシグナルビーム!」
ロップルは攻撃の手を緩めない。鮮やかでカラフルな光線を放ち、吹っ飛んでいくドレディアを追撃する。
「ドレディア、花弁の舞!」
宙を舞いながらも、ドレディアは大量の花弁を周囲にまとい、シグナルビームを防ぎきる。
「ここで終わりじゃないよ!」
さらにその花弁はドレディアの元を離れ、全て一気にロップルへと向かってくる。
「ロップル、アイスバーン!」
しかし、ロップルは周囲に氷の衝撃波を放ち、花弁を全て凍りつかせ、地面へと落とす。
だが花弁の舞は一撃では終わらない。
間髪入れずに、第二波、第三派が飛んでくる。
ロップルは二発目も何とか打ち消すものの、三発目には全てに対応することは出来ず、残った花弁がロップルの体を切り裂く。
「でも、ドレディアは反動で混乱するはず。ピンチの後にチャンスあり! ロップル、サイコパンチ!」
ロップルは素早く体勢を立て直し、拳の形をした念動力を撃ち出す。
「ドレディア、来るよ! 躱して!」
しかしドレディアは混乱しており、思うように動けず、拳の直撃を喰らう。
「くうっ、ドレディア、アロマセラピー!」
ドレディアは今度はちゃんと動く。心地よい香りを放ち、自身の混乱状態を回復させる。
「なるほど、ならロップル、ピッカリ玉!」
ロップルは今度は黄色い玉を投げつける。
黄色い玉は空中で破裂し、閃光がスタジアムを包む。
「ロップル、アイスバーン!」
視界を奪われたドレディアの隙を狙い、ロップルはドレディアへと接近し、氷の衝撃波を放ち、近距離からドレディアを吹っ飛ばす。
「くっ、ドレディア、花弁の舞!」
体のところどころを凍らせたドレディアだが、まだ何とか起き上がり、大量の花弁を身にまとうが、
「サイコパンチ!」
ロップルは念力をまとった拳を振るって念動力の拳を放ち、花弁もろともドレディアを吹っ飛ばす。
「とどめです! アイスバーン!」
間髪入れずにロップルは氷の衝撃波を放ち、再びドレディアを吹っ飛ばす。
ドレディアは吹っ飛び、壁に叩きつけられ、加えて体の半分を凍りつかせ、戦闘不能となっていた。
最初の二体はともかく、エースの実力差が違いすぎた。
これで第三回戦までが終了。
舞台は中央スタジアムへと変わり、六対六のフルバトルとなる。
準々決勝へと進んだ八人が、さらなる戦いを繰り広げる。
龍門スタジアムから進んだレオは、シアンたちの思いを受け継ぎ、激戦に身を投じる。
虎門スタジアムからの一人はフウカ。雀門スタジアムからは、キラも突破してきていた。
そして注目すべきは、チヅルを軽々と破り、本戦出場者の中で最短で三回戦までを突破した男、武門スタジアムのシュウヤ。
ここからが正念場。激戦を勝ち抜き、栄光を掴み取るのは、どの選手か。
フウカ対ナシカ、決着です。やはりロップルは強いです。強敵をものともせず、速攻で決めました。そして一番最後は少々かっこよく決めてみたつもりです。……うーん、特に書くこともないので……あ、そう言えば、最近インフルエンザが流行っていますが、皆さん大丈夫ですか?さて、次回はいよいよ準々決勝。それでは、次回もお楽しみに!