二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 第十二話 振り下ろされる鉄拳 ( No.37 )
- 日時: 2012/11/10 21:44
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: 1HHiytFf)
「次はお前だ! 出て来い、カワラベ!」
「さあお前の出番だ、テッケン!」
レオが出したのはカワラベ。シナイのポケモンは、黄土色の人型の体に、頭から突き出した大きな拳が特徴のポケモン。
テッケン、拳ポケモン。岩・格闘タイプだ。
「岩タイプならこちらが有利だ! カワラベ、バブル光線!」
カワラベは口からたくさんの泡を勢いよく放つ。
「タイプ相性では勝負は決まらんぞ! テッケン、雷パンチ!」
テッケンはカワラベに急接近する。
無数の泡をかいくぐり、カワラベに電気をまとった拳を向ける。
「マッドショットだ!」
しかし、寸前でカワラベは泥の塊をテッケンにぶつけた。
それによってテッケンの体勢が崩れ、雷パンチは外れる。
「バブル光線!」
続けざまに、カワラベは泡を大量に噴射する。大量の泡はテッケンに命中し、テッケンを押し戻す。
「チャンスだ! アクアジェット!」
カワラベは素早く水をまとって、テッケンに突進する。だが、
「甘いな。テッケン、岩石封じ!」
テッケンの目がギラリと光る。直後、地面から岩が出現し、岩の中に封じ込んでしまう。
しかし、それはカワラベを封じ込んだのではない。
岩に封じ込まれたのは、テッケン自信だ。
「な…ッ!?」
カワラベの突進は岩にぶつかるが、その岩は破れない。逆にカワラベを弾き飛ばした。
「岩石封じは本来相手の動きを封じる技だが、応用すればこのように防御にも使える。さあテッケン、雷パンチ!」
テッケンは拳の一撃で自身を包んでいた岩を破壊し、二発目の雷パンチをカワラベに叩き込んだ。
今度は決まった。テッケンの拳がカワラベを吹っ飛ばす。しかも効果は抜群だ。
「カワラベ! くっ、さすがジムリーダーですね…」
「このような戦況を何度も勝ち抜いてきた。こちらもあらゆる敵に対応できるように鍛えているのでな」
ダメージは大きいが、カワラベは起き上がる。
「テッケン、マッハパンチ!」
テッケンは今までのスピードとは打って変わって、速攻でカワラベに近づいた。
そのまま拳をカワラベにぶつける。
「カワラベ、かわしてマッドショットだ!」
カワラベは後ろに素早く下がり、テッケンの拳を避ける。続いて、テッケンの目に泥をぶつけ、目潰しを決める。
「アクアジェット!」
カワラベは水をまとい、突撃する。
テッケンの視界が開けた時には、すでにカワラベはテッケンの目の前にいた。
カワラベのアクアジェットが命中した。効果は抜群だ。
しかし、テッケンもまだ倒れない。素早く受身をとって起き上がる。
「テッケン、マッハパンチ!」
テッケンは再び素早く動き出す。今度はジグザグに動きながら迫ってくるので、軌道が読めない。
「だったら、影分身!」
カワラベは影を実体化させ、分身を作る。
テッケンがカワラベの一体に拳をぶつけるが、そのカワラベは偽者だった。
「カワラベ、バブル光線!」
大量のカワラベが一瞬で消える。テッケンの背後にいたカワラベだけが残り、大量の泡を放った。
テッケンは対応できず、泡をまともに喰らう。
「くっ、ならば岩石封じだ!」
テッケンは再び目を光らせる。
すると再び、岩が地面から出現した。今度は防御のためではない。
カワラベを岩の中に封じ込み、確実に拳の一撃を当てるためだ。
「しまった、カワラベ、抜け出すんだ! アクアジェット!」
カワラベは岩の中で水を体にまとい、上に飛び出すが、岩は破れず、カワラベは岩から抜け出せない。
「これで決める。テッケン、飛び上がれ!」
テッケンは大きな拳で自分の頭を掴んだ。
拳で掴んだ頭を宙に投げ飛ばし、高くジャンプする。
「カワラベ目掛けて雷パンチだ!」
テッケンは、上空から急降下し、雷パンチを繰り出す。
流星のような勢いで突っ込み、岩を一撃で粉砕、中のカワラベに、勢いの付いた雷パンチを叩き込んだ。
「カワラベ!」
砂煙が消えると、カワラベは倒れていた。
「ありがとう、カワラベ。ゆっくり休んでてくれ」
レオはカワラベをボールに戻した。
「やっぱり強いですね。でも、僕の切り札はもっと強い! さあ出て来い、僕のエース、リープン!」
レオは最後のポケモン、リープンを繰り出した。
「そうか。ならばその言葉が真実かどうか、試させてもらおう! テッケン、冷凍パンチだ!」
テッケンは、拳に冷気を込めて思い切り殴りかかる。しかしレオは落ち着いていた。
「かわして葉っぱカッター!」
テッケンの拳の一撃を、リープンは軽やかに避ける。
そこから鋭い葉を放って、テッケンを狙う。
攻撃の反動で一瞬止まっていたテッケンの隙を逃さず、葉はテッケンを切り裂いた。
「ぐっ、テッケン!」
カワラベ戦でのダメージもあり、テッケンは遂に倒れ、戦闘不能となる。
「…ほう、やはりエースと名乗る実力はあるな。だが、私のエースに勝てるかな?」
シナイはテッケンを戻し、そう言った。
「絶対に勝ちます!」
自信を持って答えたレオ。それを聞くと、シナイは不敵に笑って、モンスターボールを構える。
「いいだろう。では行くぞ、私のエースポケモンは、こいつだ!」
シナイはポケモンを繰り出す。
灰色とこげ茶色を基調とした、鴨のようなポケモン。羽で、二つの葱のような物を持っている。
カモナイツ、軽鴨ポケモン。飛行・格闘タイプ。
見ただけでも、なかなか鍛えこまれているのが分かる。
「…いいぜ。相手にとって不足なしだ!」
最後のポケモン同士の戦いが始まる。
カモナイツはベガ限定のカモネギの進化系です。本家でもカモネギ進化したらいいんですけどねー。あと自分で書いといて何なんですけど、仮に自分の体重くらいの重さを軽々と放り投げる拳を人間が頭に装着したとして、自分の頭を掴んで放り投げてジャンプするって、物理的に可能なんでしょうか? まあポケモンだからいいか…。さて、次回もジム戦。あと一、二回でシナイ戦決着だと思います。それでは、次回もお楽しみに!