二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 第百六十四話 最終日 ( No.370 )
日時: 2013/01/18 23:52
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: CXRVbeOz)
参照: 短め。

ポケモンリーグ最終日、四日目は、朝早く始まった。
午前中に準々決勝の三試合目までが行われ、午後から準々決勝の四試合目・準決勝・決勝が行われる。
中央スタジアムでは、準々決勝へと駒を進めた八人の猛者がスタジアムの真ん中へと並ぶ。
「それでは、ベスト8まで勝ち進んだ強者の中の強者に、ここからの目標をお聞きしたいと思います!」
実況の人が、マイクを持って八人に近づく。右端の人から言っていくようだ。
ちなみにレオは右から六番目に並んでいる。
まず、一番右に並んでいたのはキラ。
「ええ、ここまでは、俺にとってはただの練習試合ですよ。いよいよここからが本番です。絶対優勝しますよ!」
キラの力強い言葉に、観客は大きな歓声を上げる。
そのまま、二人、三人、四人と終わっていき、レオの隣、五番目に並ぶフウカ。
「このポケモンリーグまで来られたのは、私だけの力ではない。私のポケモンや、私を支えてくれた人たちのおかげです。その人たちのためにも、優勝だけを目指して頑張ります!」
素直で真面目なフウカは、丁寧に、しかし強く自分の目標を語る。
そしてまた歓声が上がる。いちいち歓声を上げる観客は大変だろう。
次はレオの番。
「どんな相手が来ようと、決して臆することはありません。三回戦までで敗れた人たちの思いも受け継いで、優勝を狙います!」
続いて七人目が言い終わり、八人目を務めるのはシュウヤ。
「皆ここまで来てるってことは、それ相応の実力を持ってるってことだ。だからこそ戦い甲斐がある。相手がどんなに強かろうと、俺達は負けない。優勝するのは、俺達だ」
一番最後のシュウヤが目標を言い終わると、一際大きな歓声が上がる。
「それでは、準々決勝からのトーナメント表を発表いたします。……どうぞ!」
モニターに、トーナメント表が映し出される。
ここからは、対戦相手のシャッフルは無い。
レオは準々決勝の三試合目。相手は……キラ。
そこに勝てば、準決勝の一試合目で、シュウヤかフウカの勝った方と勝負だ。
「それでは、十分後に第一試合を始めます! 選手は準備をしてください!」
そして、四日目の開始式は終わる。キラが近づいてきた。
「よお、レオ。ついにこの時が来たな」
「ああ。当たるなら決勝で当たりたかったけどな」
「へっ、何を今更」
レオの冗談に、キラは軽く笑う。
「悪いけど俺は負けねえぞ。優勝目指すのは当たり前だしよ、しかもさっきの開始式であんなこと言っちまった手前、絶対負けられねえだろ」
「僕だって負けないさ。優勝を目指してるのは僕も同じだし、なによりフローズンシティで負けた時のリベンジをしないといけないしな」
二人はそれ以上何も言わなかった。最後にお互いの拳を合わせ、健闘を誓い、お互いのポケモンの最終調整に移る。
男には、男同士でしか分からない友情というものがある。


時間の流れがおかしく感じられた。
先ほどまでキラと話をしていたはずなのに、いつの間にか第二試合目も終わろうとしている。
(ハハッ、緊張してるな、僕)
控え室で、レオは小さく笑う。緊張は仕方ない、と自分に言い聞かせる。
何といっても、昨日まで戦っていた龍門スタジアムよりも大きなスタジアムで、それこそ昨日までよりもはるかに大人数の前でバトルするのだ。
(緊張は仕方ない。大事なのは、その緊張に押しつぶされないことだ)
その時、歓声と共に実況の声が響く。どうやら、第二試合目が終わったようだ。
試合を終えた選手が、控え室へと戻ってくる。表情を見るに、勝ったようだ。
「さて、行きますか」
レオは一度だけ大きく深呼吸し、スタジアムへの入口をくぐる。
眩しい太陽光がレオの瞳へと差し込み、観客から歓声が上がる。
「それでは、第三試合! 東側、レオ選手! 西側、キラ選手! 前へ!」
実況の声を受け、二人はゆっくりと歩き出す。そして、バトルフィールドの前に立つ。
「レオ、ついに来たな」
「ああ」
「もはや何も言うことは無いよな。戦って勝つ。それだけだ」
「もちろんさ」
そして、二人はボールを取り出す。
「それでは、準々決勝、レオ選手対キラ選手のバトルを始めます。使用ポケモンは六体、それでは、始め!」
実況の声を引き金に、二人は同時にボールを投げる。
「出て来い、ディザソル!」
「頼んだぞ、バフォット!」
キラのポケモンは、漆黒の鎌を持つ白い悪ポケモン、ディザソル。レオのポケモンは、真紅の角を持つ黒い悪ポケモン、バフォット。
どちらも攻撃力を売りにしている悪タイプのポケモンだ。
「行くぜ! ディザソル、メガホーン!」
「こっちも! バフォット、メガホーン!」
ディザソルとバフォットは、共に悪魔のような咆哮を上げると、お互いの標的目掛けて一直線に突撃する。
ディザソルの漆黒の鎌と、バフォットの真紅の角が交錯する。




今回はちょっと短めの回です。ついに準々決勝が始まりまして、レオは幼馴染のキラと激闘を繰り広げていきます。……ってことは、もうちょっとでこの小説も完結するんですね。前作でもそうでしたが、最終話が迫ってくると、何だか書いてるこっちも少し寂しいです。ですが、僕が出来ることは、最後まで最高に盛り上げ、すばらしい最終章、最終話を書くことです。最後まで全力で執筆していきますよ。次回は、当然ですがレオ対キラです。それでは、次回もお楽しみに!