二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 第百六十八話 神龍と不死龍 ( No.374 )
日時: 2013/01/21 00:05
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: CXRVbeOz)

「さあ行ってこい、フィニクス!」
レオの四番手はフィニクス。特性によりオーバーヒートを無効化出来る。
「フィニクスか……厄介な奴が来たな」
キラは小さく呟き、
「ま、でも攻めるのみか。ファントマ、悪巧み!」
ファントマは脳を活性化させて特攻を上げ、
「シャドーボール!」
更にそこから影で作った弾を連続で放つ。
「フィニクス、大文字!」
対してフィニクスは大の字型の燃え盛る炎を放ち、影の弾をまとめて焼き払い、
「ドラゴンダイブ!」
上空へと飛び上がり、すざましい殺気を放ちながら急降下し、ファントマを吹っ飛ばす。
「とどめだ! エアスラッシュ!」
フィニクスは炎の翼を羽ばたかせ、空気の衝撃波を飛ばす。
ファントマは無数の刃に切り裂かれ、戦闘不能となった。
「ファントマ、よく頑張った。ハンタマを倒したのはでかいぞ」
キラはファントマをボールに戻し、フィニクスを見据える。
「そいつを相手取れるのは……こいつしかいないな! 出て来い、ドラドーン!」
キラが繰り出したのは、五メートルを超える、巨大な黄色いドラゴンポケモン。
神龍ポケモンのドラドーン。ドラゴン・飛行タイプ。
「来たか……!」
レオはある意味、このドラドーンを一番警戒していた。
レオが以前キラと戦ったとき、キラのドラドーンはまだラグーンだった。
ドラドーンに進化したことは知っていたが、バトルを見たことが無いので、何をしてくるかが分からないからだ。
ところでこのドラドーン、巨大な龍とは言ったが、普通のサイズと比べるとかなり小さい。
通常サイズは七メートルほどあるドラドーンだが、この個体は五メートル強。
「タツゴンやラグーンの時もそうだったけど、やっぱり最終進化しても大きさは伸びなかったな、こいつ。ま、小さいなら小さいなりに長所もあるんだけどな」
キラはそう言って、
「じゃあ行くぜ。ドラドーン、アイスバーン!」
ドラドーンは咆哮と共に、周囲へと氷の衝撃波を放つ。
「フィニクス、躱してエアスラッシュ!」
フィニクスは上昇して衝撃波を躱すと、炎の翼を羽ばたかせ、火の粉を撒き散らしながら空気の刃を放つ。
「続けてドラゴンダイブ!」
さらにフィニクスはそこからすざましい殺気を纏い、急降下する。
「こいつは小さいけど、能力は通常のドラドーンと何ら変わりないぜ。ドラドーン、龍の波動!」
ドラドーンは空気の刃の直撃を受けるが、びくともせずにフィニクスを見据えると、龍の力を溜め込んだ波動の弾を放つ。
フィニクスの急降下の一撃と、ドラドーンの放つ龍の波動が激突する。
威力は互角。フィニクスは引き下がるが、波動も消滅する。
「なかなかやるじゃねえか。ドラドーン、ハイドロポンプ!」
ドラドーンは口を構えると、大量の水を噴き出す。
「大文字じゃ無理かな。フィニクス、躱してドラゴンダイブ!」
フィニクスは上空へと飛び上がってドラドーンの上を取り、そこから殺気と共に急降下し、ドラドーンを吹っ飛ばす。
効果は抜群、先ほどのエアスラッシュとは違い、ドラドーンもまともにダメージが入ったような表情を見せる。
「こいつの役割は二つ。一つ目は、ファントマが駄目だったときのハンタマ対策の二体目。そしてもう一つは」
キラはいったん言葉を切り、
「ドラゴンタイプ対策だ! ドラドーン、アイスバーン!」
ドラドーンはすぐに体勢を立て直すと、氷の衝撃波を放つ。
「フィニクス、大文字!」
対してフィニクスは大の字型の炎を撃ち出し、アイスバーンを打ち破り、さらにその炎はドラドーンへと襲い掛かる。
しかし、
「ドラドーン、ぶち抜け! 龍の波動だ!」
ドラドーンはその巨体を生かして、強引に大文字を打ち破って一気にフィニクスへと迫り、龍の力を溜め込んだ波動を放つ。
この近距離からの波動では、フィニクスは避けられない。フィニクスは波動の直撃を喰らい、吹っ飛ばされる。
「まだまだ! ドラドーン、ハイドロポンプ!」
さらにドラドーンは大量の水を噴射し、フィニクスへの追撃の一撃を放つ。
「まずい! フィニクス、回避だ! 立て直せ!」
フィニクスは何とか体勢を立て直すが、躱しきることは出来なかった。直撃はしなかったものの、大量の水はフィニクスの足元に命中する。
「畳み掛けるぞ! ドラドーン、龍の波動!」
「そろそろ止めるぞ! フィニクス、大文字!」
勢いに乗るドラドーンはさらに龍の力を溜め込んだ波動の弾を放つ。
体勢を立て直したフィニクスは大の字型の炎を放ち、襲い来る波動を相殺する。
「だったらハイドロポンプ!」
ドラドーンは攻撃の手を緩めず、大量の水を噴射する。
「これだけは相殺できないから……フィニクス、躱して上昇だ!」
フィニクスはハイドロポンプを飛びながら避け、一気に上昇する。
「ドラゴンダイブだな! ドラドーン、奴を近づけるな! ハイドロポンプだ!」
「フィニクス、一気に決めるぞ! ドラゴンダイブ!」
ドラドーンは執拗に大量の水を放ってくるが、フィニクスは回避しつつも確実に急降下し、ドラドーンの脳天へと激突する。
ドラドーンは呻き、体勢を崩す。
「チャンス! 大文字だ!」
そこにフィニクスは煌々と燃え盛る大の字型の炎を放ち、ドラドーンの体を焼き焦がす。
だがドラドーンはまだ倒れない。光の灯った眼でフィニクスを見据え、体勢を立て直す。
「どうも今日のドラドーンは調子が優れないな……仕方ねえ、もう少しとっておきたかったが、あれを使うぞ!」
キラの言葉に応えるように、ドラドーンも吼える。
そして、

「ドラドーン、ハリケーン!」

突如、ドラドーンの周りに風の渦が出来る。
その風の渦が激しく回転し、自然災害にも引けを取らないほどの暴風を巻き起こす。
一回戦の、カンタロウのドンカラスの使うハリケーンの比ではない。それこそ尋常ではない威力の暴風が巻き起こり、フィニクスはまともに吹っ飛ばされる。
観客席で観戦しているチヅルやシアンは、ガニメデのハリケーンを思い浮かべたことだろう。
「ば……馬鹿な。何て威力だ……!」
幸いフィニクスは飛んでいたため、下に飛ばされて壁や地面に激突することはなかったものの、それでもダメージは大きい。
ハリケーンは撃った後に連発すると威力が下がるが、この威力が下がったところで相殺できるほど弱くなるはずがない。
「悪いが、これで決めるぜ。ドラドーン、もう一度だ!」
そして、ドラドーンの咆哮と共に、再び風の渦が現れる。
まるでレオとフィニクスを敗北へと吹き飛ばすかのように、再び暴風が襲い掛かる。




レオ対キラ、パート4です。キラのドラドーンの初のバトルシーンです。最終章で初っていうのもどうなんだろうっていう気もしますが。あと、本当に今更なことを言いますが、パーセンターは小説を書いている途中、よくポケモンの名前を書き間違えます。具体的には、今作で言うと、フィニクスを書くべきところを普通にドラドーンと書いてたりします。気づかないことも多いので、間違いに気づいたらご指摘ください。さて、次回も続き。キラ戦も終盤に差し掛かりますね。それでは、次回もお楽しみに!