二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 第百六十九話 隠し玉 ( No.375 )
- 日時: 2013/01/22 00:27
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: CXRVbeOz)
ドラドーンの放つ暴風が、フィニクスへと襲い掛かる。
「こうなったら、フィニクス、やるしかないぞ!」
フィニクスも覚悟を決め、大きく啼く。
「フィニクス、龍星群!」
フィニクスは、真上ではなく、向かってくる暴風目掛けて、龍の力が溜め込まれたエネルギー弾を放つ。
エネルギー弾はすぐに破裂し、無数の流星となり、ずざましい勢いでドラドーンへと流れていく。
そして、まさに危機一髪のところで、ドラドーンの放った暴風が止んだ。
流星が降り注ぎ、渦巻く空気の渦が壊されてしまったのだ。
そして、さらに流星は風を貫き、ドラドーンにも無数の流星が降り注ぐ。
「馬鹿な!? ハリケーンを破ったのか!?」
絶対に破られない、と自負していたハリケーンを突破され、呆然とするキラ。
ドラドーンも、無数の流星の直撃を受け、体勢は大きく崩れる。
「ここで決めるしかない! フィニクス、ドラゴンダイブ!」
その隙を逃すはずもなく、フィニクスは上空に舞い上がり、ドラドーンへと急降下し、ドラドーンを吹っ飛ばす。
「ッ、ドラドーン!」
ドラドーンの巨体が地に落ち、地響きが鳴る。戦闘不能となり、目を回していた。
「ドラドーン、よく頑張ったぜ。それにしても、まさかお前が負けちまうとはな」
キラは少し悔しそうな表情を浮かべてドラドーンを戻すが、すぐに余裕を取り戻し、次のボールを取り出す。
「さて、レオ。お前は俺の次のポケモンを、メタゲラスだと思っているだろう」
「ああ。タテボーシは最後に来るだろうからな」
その言葉を聞くと、キラはフッと笑い、
「残念だったな。俺の五体目は、メタゲラスじゃあない。こんな時のために、隠し玉を用意していたのさ」
「……は?」
「見ればわかるよ」
そして、キラは五体目のポケモンを繰り出す。
「出て来い、俺のとっておき、フローリア!」
予想もつかなかったキラの五番手は、水色の美しい雪女のようなポケモン、氷タイプのフローリアだ。
「こいつを入れるときには迷ったぜ。誰を外すか迷った結果。泣く泣くメタゲラスを外し、フローリアを入れたんだ。メタゲラスの分まで頑張らないとな、フローリア」
キラの言葉に、フローリアは微笑みを浮かべ、そしてフィニクスを見据える。
「だけど、炎技を持つこっちに分があるぜ。フィニクス、まだやれるか?」
フィニクスは大きく啼いて、レオに答える。
「よし! フィニクス、大文字!」
フィニクスは気合を入れなおすようにもう一度啼き、煌々と燃え盛る大の字型の炎を放つ。しかし、
「フローリア、躱してアクアボルト!」
フローリアは軽やかな動きで炎を避けると、電気を含んだ水流を放つ。
水をまともに被ったフィニクスは、麻痺してしまったようで、動きが鈍る。
そして。
「フローリア、絶対零度!」
フィニクスの周囲の大気が、ガチガチと音を立てて凍り始める。
「!? フィニクス、脱出だ!」
だが、フィニクスは麻痺を喰らっており、思うように動けなかった。
そして、三十秒もしないうちに、フィニクスは極寒の絶対零度の中で凍りついてしまう。
「絶対零度は一撃必殺、ってこれは知ってるよな。フローズンでクルサのフリーザーが使ってきたからな」
凍りついたフィニクスは、完全に戦闘不能だった。
「くっ……よく頑張ったな。休んでてくれ、フィニクス」
レオはフィニクスを労い、ボールに戻す。
(リーテイルは当然最後だ。タテボーシに勝てるのはこいつだけだし、何よりフローリアとは相性が悪すぎる。少し不安だけど、ロップルに頑張ってもらうしかないな)
「よし、ロップル、ここは頼んだぞ!」
レオの次のポケモンはロップル。絶対零度にさえ気を付ければ、勝機は十分にある。
「わざわざこの俺が隠し玉と称するポケモンなんだ。そう簡単に倒せると思うなよ。フローリア、冷凍ビーム!」
フローリアは片手をかざし、冷気の光線を発射する。
「ロップル、躱して瞑想だ!」
対し、ロップルは軽やかなステップで冷気を避け、精神力を研ぎ澄ませて特殊能力を上げる。
「そう言えば積み型だったなそいつ。フローリア、シグナルビーム!」
冷凍ビームは避けられたが、フローリアは構えの体勢を崩さず、そこから今度は鮮やかでカラフルな光線を撃ち出す。
「ロップル、放電!」
ロップルは周囲に電撃を撒き散らして、シグナルビームを相殺し、
「サイコキネシス!」
すかさず念力の波を放ち、フローリアを吹っ飛ばす。
「なかなかの威力だな。フローリア、冷凍ビーム!」
今度はフローリアは両手をかざし、両手の掌から冷気の光線を放つ。
「これは躱しきれないな……ロップル、受け流せ!」
ロップルは帽子を取り外して、襲い来る冷気に合わせて帽子を振り、冷気の光線を後方へと受け流し、
「ロップル、乗り移る!」
魂を体から離反させ、フローリアへと憑依させる。
「甘いぜ! フローリア、シグナルビーム!」
しかし、魂に憑依されるよりも早く、フローリアは置き去りになったロップルの体へとカラフルに光る光線を放ち、ロップルの体を吹っ飛ばす。
すると、魂も動きを止め、元のロップルの体へと戻ってしまう。
「魂が離れるって言ったって、その体はロップルの体なんだ。それを攻撃すれば、たとえ魂が離れていても、本体はダメージを受けるに決まってるよな」
ロップルはビームの直撃を喰らうが、何とか起き上がり、体勢を整える。
「へっ、流石は隠し玉なだけあるな……」
どうやらこのフローリアは、レオが思っていたよりも難敵のようだ。
レオ対キラ、パート……5?ですね。キラの隠し玉であるフローリアが登場、レオにかなりの実力を見せつけています。そう言えば、冬の小説大会の結果(一位のみ)が発表されてましたね。またしても一位にはなれませんでしたが、ですが一位の作品が何かを見れば、納得しましたね。あの小説は、負けても仕方がない小説ですよ(決してその他の小説は下手と言っているわけではありません)。さて、夏の大会では、一位を取りたいところですね。次回はパート6、あと二話くらいでキラとのバトルは決着。それでは、次回もお楽しみに!