二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 第百七十話 全てを封じる絶対零度 ( No.376 )
日時: 2013/01/23 15:58
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: CXRVbeOz)

「フローリア、冷凍ビームだ!」
フローリアのかざした右手から、冷気の光線が放たれる。
「ロップル、躱してサイコキネシス!」
対して、ロップルは横に跳んで冷気の光線を避け、すかさず念力の波を放って反撃する。
攻撃直後の反撃にフローリアは対応しきれず、念力の直撃を喰らう。
「続けて放電だ!」
さらにロップルは特に狙いを定めず、周囲へと撒き散らす形で電撃を放つ。
狙いを定めない放電は、非常に躱し辛く、フローリアは電撃もまともに浴びてしまう。
「見かけによらず、なかなかやるな。フローリア、アクアボルトだ!」
フローリアは特防を鍛えてあるのか、すぐに体勢を立て直し、電流を含んだ水流を放つ。
「ロップル、防御!」
ロップルは帽子を構えて、降りかかる水を防御するが、
「シグナルビーム!」
ロップルが帽子をどけたところへとカラフルに光る光線が一直線に飛び、ロップルに直撃。
ロップルの小さい体が吹っ飛ぶ。
「フローリア、隙を逃すな! 冷凍ビーム!」
吹っ飛ばされるロップルを狙って、フローリアは冷気の光線を放つ。
「まずい、ロップル、サイコキネシス!」
体勢を崩しつつも、何とかロップルは念力を操作し、冷凍ビームをギリギリで止める。
「危ねえ危ねえ……ロップル、放電だ!」
地面へと着地したロップルは、フローリアへと一気に接近し、電撃を周囲へと撒き散らす。
「躱せないんだよなあ……フローリア、シグナルビーム!」
狙いを定めない技はこういう時に便利である。
フローリアは鮮やかに光るカラフルな光線を放ち、襲い来る電撃を相殺する。
「チャンスだ! 乗り移る!」
そこにロップルが自らの魂をフローリアへと憑依させ、フローリアの体の内側からダメージを与える。
「フローリア! 大丈夫か?」
ロップルの魂が離れると、フローリアは苦しそうに呼吸するが、それでも体勢を整えなおす。
「よし、フローリア、冷凍ビーム!」
フローリアは両手をかざし、二つの冷気の光線を放つ。
「ロップル、サイコキネシス!」
対してロップルは強い念力を操り、片方の冷凍ビームは止める。
だがもう一つの冷気の光線を相殺することが出来ず、冷気の直撃を受け、下半身が凍りついてしまい、地面へと縫い留められる。
「もらったぜ! フローリア、絶対零度!」
ロップルが動けなくなった隙をキラが見逃すはずがない。
フローリアが手を構えると共に、ロップルの周囲の大気がガチガチと凍り始める。
「やばい! ロップル、サイコキネシス!」
ロップルは足元の氷へと強い念力を撃ち込み、強引に氷を割り、間一髪で一撃必殺の冷気の中から脱出する。
「ちっ、惜しかったな……まあいい。フローリア、アクアボルト!」
フローリアはすぐに体勢を切り替えると、電流を含んだ水流を放ち、ロップルへと浴びせかける。
水をまともに被ったロップルだが、運よく麻痺にはならなかった。
「ロップル、反撃だ! 放電!」
ロップルは周囲に電撃を撒き散らして、すぐに反撃を開始する。
電撃がフローリアを撃ち抜き、フローリアの動きを止め、
「サイコキネシス!」
そこから念動力の波を放ち、フローリアを吹っ飛ばす。
「畳み掛けるぞ! ロップル、乗り移る!」
吹っ飛ばされたフローリアは起き上がり、体勢を整えようとするが、そこにロップルの魂が襲い掛かり、フローリアへと憑依し、フローリアを苦しめる。
しかし。

「舐めるなよ! フローリア、絶対零度!」

体の内側から体力を蝕むロップルの魂に耐えながら、フローリアはロップルの本体の周りの大気を凍りつかせ始める。
「何ッ!? ロップル!」
慌ててロップルは魂を引き離し、自分の体に戻す。
だが、遅かった。
既に絶対零度はロップルをほとんど包み込んでいた。
「あ……しまッ……!」
極寒の絶対零度に包み込まれ、ロップルは完全に氷漬けとなる。
すなわち、それは戦闘不能を意味していた。
「くっ、今のは油断したな……ロップル、ありがとう。よく頑張ったな」
レオはロップルを労い、ボールに戻す。これでレオの手持ちは残り一体。
「よし、最後はお前だ! 全てを任せるぞ、リーテイル!」
レオの六体のトリを務めるは、レオの不動のエース、リーテイル。
「出て来たなリーテイル。そいつを倒して、次に駒を進めるのは俺だ! フローリア、冷凍ビーム!」
「残念だけど、それは僕がすることだ。勝つのは僕だ! リーテイル、リーフブレード!」
フローリアが両手をかざし、冷気の光線を放つと同時、リーテイルも地を蹴り、大きく飛ぶ。
二つの冷気の光線を最小限の動きで躱しつつ、一気にフローリアとの距離を詰め、一瞬でフローリアの横を通り過ぎ、瞬時に尻尾の葉でフローリアを切り裂く。
しかも、急所を的確に。
「フローリア!」
ロップルの攻撃を何度も受けていたフローリアは、切れ味の鋭い葉に急所を切り裂かれ、戦闘不能となってしまう。
「よくやったな、フローリア。しっかり仕事を果たしたぜ」
キラはフローリアをボールに戻し、最後のボールを構える。
「勿論お前しかいないよな。全部任せた、タテボーシ!」
キラの不動のエース、海坊主ポケモンのタテボーシが、ゆっくりと現れる。
「さあリーテイル、前回惜しくも負けたのは覚えてるよな。この舞台で、リベンジを果たしてやろうぜ」
「タテボーシ、お前は一回あれに勝ってる。いつも通り行けば、必ず勝てるぞ」
お互いの最高のエースが対峙し、静かにお互いをじっと見据える。




フローリアの急所(意味深)……ごめんなさい、出来心です。削除申請は出さないでくださいお願いします。さて、レオ対キラ、パート6です。フローリア、キラの隠し玉だけあって強いですね。技の威力だけでなく、乗り移るに耐えつつ一撃必殺を放てるその精神力が強いと思います。そして、三度目となるこの最後の二体の対決、結果は如何に? さて、次回はレオ対キラ、遂に決着です。それでは、次回もお楽しみに!