二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 第百七十二話 一位と三位 ( No.378 )
- 日時: 2013/01/23 18:37
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: CXRVbeOz)
昼休憩を挟み、最後の準々決勝。
レオが観戦している試合は、シュウヤとフウカの試合で、日差しが強い。
今戦っているのは、フウカのポケモンは五体目のセラーナ、シュウヤのポケモンは四体目のユニサス。
先ほどまでフウカの四番手、テイルーンと戦っていたユニサスの体力は、残り少し。
「ユニサス、メタルブラスト!」
「セラーナ、ソーラービーム!」
ユニサスは強大な鋼エネルギーの砲撃を放つが、セラーナは神速の動きで一瞬にして砲撃を躱すと、太陽光線の如きエネルギーを放ち、ユニサスを吹っ飛ばす。
これでユニサスは戦闘不能。状況はほぼ五分。
「ユニサス、よくやってくれた。休んでな」
シュウヤはユニサスを戻し、次のボールを構える。
「流石は予選三位、そう簡単には勝たせてくれないな。それでこそ戦い甲斐があるってもんだ。頼んだぜ、ガブリアス!」
シュウヤの五番手は、今大会で知名度ナンバーワンの、例のガブリアス。
「とうとう来ましたね、ガブリアス。ですが、今の私のセラーナは伝説のポケモンにも劣らないスピードを持っています。そのセラーナにどう攻撃を与えるつもりですか?」
「いいや、分かんないな。頑張って上手く隙を見つける。それがバトルの面白さだろう?」
そして、
「ガブリアス、まずは剣の舞!」
真っ先にガブリアスは戦いの舞を舞って、攻撃力を一気に高める。
「セラーナ、ソーラービーム!」
対して、セラーナは頭の果実から、太陽光線の如きエネルギー波を発射する。
「怒りの炎!」
ガブリアスは憤怒の如く燃え盛る炎を放つ。
日差しの効果により怒りの炎は強化され、ソーラービームに打ち勝ち、セラーナへと襲い掛かる。
「セラーナ、躱して大成長!」
しかし、セラーナは一瞬で炎の軌道から大きく逸れ、そこから大量の蔦を出現させる。
現れた無数の蔦は、一直線にガブリアスへと襲い掛かる。
「ガブリアス、ドラゴンクロー!」
ガブリアスは地を蹴って跳ぶ。
右手の爪の一振りで蔦を切り裂き、さらにセラーナとの距離を一気に詰め、左手の爪を振りかざす。
「後ろに回ってソーラービーム!」
またもセラーナは一瞬でガブリアスの背後へと回り込み、そこから太陽光線の如きエネルギー波を放ち、ガブリアスを吹っ飛ばす。
「やるじゃねえか。ガブリアス、動きを止めるぞ。地震だ!」
ガブリアスはすぐに起き上がり、地面を揺らして地震を起こす。
「セラーナ、大成長!」
対して、セラーナは無数の蔦を防壁のように自分の正面に出現させ、自身の衝撃をシャットアウトし、
「地球投げ!」
一瞬でガブリアスの後ろへと回り、ガブリアスの胴体をがっちりと掴む。
自分の大きさの三倍弱はあるガブリアスを、セラーナは軽々と持ち上げ、天高く飛び上がる。
「おおっ、見かけによらず、すごいパワー持ってるな」
感心したように声を上げるシュウヤ。
「これがセラーナの力です! セラーナ、そのまま地面に叩きつけて!」
ガブリアスを掴んだまま、地球が回るように回転し、地面へと叩きつけようとするが、
「だけどちょっと甘いな。ガブリアス、怒りの炎!」
セラーナに動きを封じられながらも、ガブリアスは憤怒の如く燃え盛る炎を放つ。
回転しているため、炎は当然ガブリアスの背中側にいるセラーナにも届く。
「まずいっ……セラーナ、投げつけて!」
咄嗟にセラーナは急降下を止め、上空からガブリアスを地面へと投げつける。
「ガブリアス、怒りの炎だ!」
再びガブリアスは炎を地面へと放ち、落下の衝撃を緩め、安全に着地。
「さあ、ガブリアス、ドラゴンクロー!」
ガブリアスは地を蹴って飛び出す。両腕の爪をかざして一気に接近し、まずは右腕を振ってセラーナを切り裂く。
「セラーナ、躱してソーラービーム!」
「おおっと! ガブリアス、後ろだ!」
セラーナは一瞬で後ろに移動し、太陽光線の如きエネルギー波を放つが、それよりも早くガブリアスは後ろを振り向き、左腕の爪を振り下ろす。
今度はセラーナへと命中し、セラーナは吹っ飛ばされる。
「ガブリアス、攻撃の手を緩めるな。怒りの炎!」
ガブリアスは容赦なく追撃する。怒りの感情の如く激しく燃え盛る炎を放つ。
「セラーナ、来るよ! 躱して大成長!」
セラーナは何とか地に足を付けると、一瞬で横に飛び退き、炎を避ける。
そしてそこから大量の蔦を出現させ、その大量の蔦がガブリアスへと襲い掛かる。
「燃やせ! ガブリアス、怒りの炎!」
対してガブリアスは憤怒の如き燃え盛る炎を放ち、蔦をまとめて焼き払う。
その時、シュウヤは空を見上げ、強い日差しを放つ太陽を見る。
そして、シュウヤはフウカを見据えて、こう言い放った。
「悪いな。ちょっと姑息な手かもしれんが、決めさせてもらうぜ」
そして。
「ガブリアス、地震だ!」
ガブリアスは思い切り地面を蹴り、空高く飛び上がる。
そして、足を構えて、そこから急降下する。
眩しい光を放つ、太陽を背にして。
「え……? あ……!」
ガブリアスを見据えたセラーナの目に、太陽の光が入り込んでくる。
日光の眩しさに、セラーナは目を覆ってしまう。
その一瞬ののち、ガブリアスの烈脚がセラーナを捕らえ、大きく吹っ飛ばす。
「怒りの炎だ!」
そして、ガブリアスは怒りの如く激しく燃える炎を放つ。
「ああっ、セラーナ!」
セラーナは灼熱の炎に焼かれ、体を焦がし、戦闘不能となっていた。
「そのセラーナを倒すには、この手を使うしかなかったからな。少々姑息な手を使っちまった」
「いいえ、晴れを利用した、上手い戦法でした。セラーナ、ありがとう。休んでてください」
フウカはセラーナを戻し、最後のボールを取り出す。
「お願いします、ロップル!」
フウカは最後のポケモン、最高のエース、ロップルを繰り出す。
そして、観客席にいるレオも動く。
「そろそろ、時間だな」
どちらかの最後のポケモンが出て来たら、控室に来てください、と言われていたレオは、観客席を立つ。
控室に入って十数分。スタジアムから大きな声援が上がった。決着が付いたようだ。
さあ、レオを待ち受ける相手は、一位か、それとも三位か。
シュウヤ対フウカ、一位対三位の対戦(の一部)です。うーん、どうも後書きの話題が思い浮かびませんね。そう言えば、この前あった冬の小説大会についてなのですが、あれは金賞しか発表されないのですかね?今までは三位まで発表されていたはずなのですが、どこを探しても載っていませんでした。もしかしたら、これから発表されるのかもしれませんけどね。さて、次回は、遂に準決勝です。今日中にもう一話更新するかもしれません。それでは、次回もお楽しみに!