二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 第百七十三話 交錯する二人の主人公 ( No.381 )
- 日時: 2013/01/24 00:14
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: CXRVbeOz)
いよいよ、準決勝が始まる。
レオの相手は、シュウヤ、もしくはフウカ。
どちらも予選を全勝した強敵だが、ここに勝たねば決勝には進めない。
「よし、行くぞ!」
気合を入れ、レオはスタジアムへの入り口をくぐる。
バトルフィールドを挟んで、向こう側に立っているのは。
シュウヤだ。
レオのフィニクスに打ち勝ったガブリアスだけでなく、他にも相応の実力を持ったポケモンを連れているのだろう。
「それでは、東側、レオ選手! 西側、シュウヤ選手! 前へ!」
実況の声と共に、二人はゆっくりと歩き、バトルフィールドに立つ。
「よお、156——いや、レオ。ここまで勝ち上がってきたか」
「ええ。予選の時みたいにはいきませんよ」
「そうこなくっちゃな。予選では一対一だったが、ここでは六対六だ。最高のバトルをしようじゃないか」
「臨む所です!」
そして、二人はボールを取り出す。
「それでは、準決勝第一試合! レオ選手対シュウヤ選手のバトルを始めます。使用ポケモンは六体、それでは、始め!」
審判の合図と共に、二人がポケモンを繰り出す。
「任せたぞ、テペトラー!」
「気合入れてけよ、イワパレス!」
レオの一番手はテペトラー。
シュウヤの一番手は、大きな地層のような岩塊を背負った、巨大なヤドカリのようなポケモン。
イワパレス、岩宿ポケモン。虫・岩タイプで、通常サイズよりも大きく、二メートル近くの大きさだ。
タイプ相性ではこちらが有利だが、相手は予選第一位のシュウヤ。決して油断は出来ない。
「行くぜ! イワパレス、襲撃!」
イワパレスはその巨体からは思いもよらないスピードで、テペトラーの前まで接近、そして大きな鋏をテペトラーへと振り下ろす。
「テペトラー、受け止めろ!」
対して、テペトラーは振り下ろされる鋏を掴んで、強引にイワパレスの攻撃を止める。
「ハイドロポンプ!」
無防備になったイワパレスへとテペトラーは大量の水を噴射し、イワパレスを吹っ飛ばす。
「おお、いい根性してるぜ。ならこれはどうだ? イワパレス、地震だ!」
イワパレスは地面を揺るがし、地震を起こして衝撃波を放つ。
「テペトラー、躱して波動弾!」
テペトラーは跳び上がって地震を避けると、波動を溜め込んだ弾を発射する。
そして、テペトラーは地面へと着地する。
だが、地面がまだ揺れており、着地と同時にテペトラーは体勢を崩す。
「こいつの地震は、攻撃できるのは地震による衝撃波だけだが、揺れが結構続くのさ。イワパレス、ストーンエッジ!」
イワパレスは周囲に無数の尖った岩を纏い、その岩を撃ち出す。
岩は波動弾を破壊し、さらにテペトラーにも突き刺さった。
「くっ、まだまだ! テペトラー、冷凍パンチ!」
ストーンエッジは効果今一つ、大きなダメージではない。
テペトラーはすかさず反撃に出る。冷気を込めた拳で、イワパレスへと殴りかかる。
「ぶつかり合いなら負けないぜ。イワパレス、襲撃だ!」
イワパレスも鋏を構え、テペトラーを迎え撃つ。
冷気の拳と、鋏が激突する。威力は互角で、互いに競り合い、そしてお互いに退く。
「力は互角か。素のイワパレスは鈍重だから、これはちょっと不利かもしれねえな」
だったら、とシュウヤは呟き、
「イワパレス、ロックカット!」
イワパレスの背負った岩が、少しづつ削られ、本体も磨かれていく。
「何だありゃ? テペトラー、ハイドロポンプ!」
テペトラーは大量の水を噴射し、先ほどのようにイワパレスを狙う。
だが。
先ほどまでの鈍重な構えが嘘のように、イワパレスは横へさっと飛びのき、水の噴射を躱す。
「え?」
「イワパレス、襲撃だ!」
突然のことに驚くレオを尻目に、イワパレスは一瞬でテペトラーの後ろに回り、鋏を横なぎに振るってテペトラーを吹っ飛ばす。
「テペトラー! くっ、何だこの速さ……!」
突然の戦法の変化に戸惑うレオ。シュウヤは笑みを浮かべ、
「ロックカットは素早さを大幅に増加させる技だ。この技一つで、俺のイワパレスはバトルスタイルを百八十度変えられるのさ」
耐久型のパワータイプから、一瞬でスピード+パワータイプへと変貌。
「テペトラー、奴の素早さは跳ね上がってるぞ、気を付けろ」
レオはテペトラーに言葉をかけつつ、自らもイワパレスの動きを注意して見据える。
「さあさあ行くぜ! イワパレス、ストーンエッジ!」
イワパレスは無数の尖った岩を出現させ、テペトラー目掛けて撃ち出す。
「テペトラー、ハイドロポンプで撃ち落とせ!」
対してテペトラーは大量の水を噴射し、飛来する岩を次々と撃ち落とす。
「それなら、地震だ!」
シュウヤは攻撃の手を緩めない。
イワパレスは地震を起こし、衝撃波を飛ばす。
「これが厄介だ……ならテペトラー、躱して接近だ!」
テペトラーは地を蹴って跳び、イワパレスへと接近する。
地面へと足が付きそうになる瞬間、
「ハイドロポンプ!」
テペトラーは地面へと大量の水を噴射し、再び宙へと浮かび上がる。
「そこだ! テペトラー、波動弾!」
テペトラーは空中から波動を凝縮した弾を撃ち出す。
イワパレスは横へと避けるが、波動弾は意志を持ったように軌道を変えてイワパレスを狙い、確実にイワパレスに命中する。
「波動弾は必中技ですよ! 喰らいたくなかったら、打ち消さないと」
「おう、すっかり忘れたぜ。いつもの癖で避けてしまった」
シュウヤはにやりと笑い、
「次からは間違えねえよ。イワパレス、襲撃!」
イワパレスは一瞬でテペトラーの前に現れ、鋏を振るってテペトラーを弾き飛ばす。
「イワパレス、ストーンエッジ!」
「テペトラー、立て直せ! 冷凍パンチ!」
イワパレスは尖った無数の岩を放ち、テペトラー目掛けてまとめて放つが、テペトラーはその岩が突き刺さるのも気にせずイワパレスに近づき、冷気を込めた拳でイワパレスの額を思い切り殴る。
「おおー、見上げた根性だ! こっちも負けねえぞ、イワパレス、襲撃だ!」
イワパレスは額に拳の一撃を喰らい、よろめくが、それでも素早く体勢を立て直し、すぐさま攻撃態勢に入る。
一瞬でテペトラーの背後に回り、鋏を振るうが、
「テペトラー、後ろだ! 受け止めろ!」
テペトラーは素早く後ろに向き直り、鋏を掴んで、イワパレスの動きを止める。
「よし、ハイドロポンプ!」
動きを止められたイワパレス目掛けて、テペトラーは大量の水を噴射し、イワパレスを吹っ飛ばす。
「イワパレス、まだだ! ストーンエッジ!」
イワパレスは特防が低く、効果抜群のハイドロポンプで大ダメージを受けるが、まだ倒れていない。
体を震わせて、何とか体勢を立て直すが、
「遅いですよ! テペトラー、インファイト!」
テペトラーは既にイワパレスの近くまで接近していた。
最初に思い切り拳を叩き込み、殴る蹴るの怒涛の連続攻撃を加え、最後に腰をひねって、回し蹴りでイワパレスの頬を蹴り飛ばした。
「イワパレス!」
吹っ飛ばされたイワパレスは目を回しており、戦闘不能だった。
「やるな。やっぱり一対一の試合だけではトレーナーの力を測ることは出来ないようだね。イワパレス、よく頑張った」
シュウヤはどこか楽しそうな表情を浮かべ、イワパレスをボールに戻す。
「さて、俺の二番手はこいつだ。出て来い!」
そしてシュウヤは、次のモンスターボールを取り出す。
準決勝。レオの相手は、予選第一位のシュウヤです。シュウヤの新ポケモン、イワパレスが登場。ですが先鋒戦は、レオの勝利となりました。ところで、ここの文字数の最大って、どれくらいなんですかね? 僕は普段は二千文字強、多い時でも三千文字で書いてしまうのですが、上限は何文字くらいなんでしょうか。さて、次回はレオ対シュウヤ、パート2です。それでは、次回もお楽しみに!