二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 第百七十六話 龍は止まらない ( No.386 )
日時: 2013/01/26 18:33
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: E616B4Au)

「それなら……頼んだ、ハンタマ!」
レオの三体目のポケモンはハンタマ。何としてもここでガブリアスを止めておきたいところだ。
「へえ、ハンタマか。珍しいポケモンだな」
「こいつは強いですよ。小さいからって、舐めてかからない方がいいですよ」
レオの言葉に、シュウヤは、勿論、と返し、
「じゃあ始めるか! ガブリアス、怒りの炎!」
ガブリアスは憤怒の如く激しく燃え盛る炎を放つ。
「ハンタマ、ブレイズキック!」
対してハンタマは足に炎を灯し、一直線にガブリアス目掛けて跳ぶ。
怒りの炎を吸収して足の炎の力に変え、より強力となった炎の脚をガブリアスに叩き込む。
「やるな! ガブリアス、ドラゴンクロー!」
ガブリアスは後ろへと押し戻されるが、すぐに爪に蒼白い光を纏い、ハンタマへと襲い掛かる。
「ハンタマ、回避だ!」
ハンタマは連続で襲い掛かる爪を、必要最小限の動きで次々と躱していく。
「そこだ! シャドーパンチ!」
爪の攻撃が尽きた瞬間を狙って、ハンタマは影の拳を突き出し、ガブリアスの頬を殴る。
「ハンタマ、サイコバレット!」
「させるか! ガブリアス、怒りの炎!」
ハンタマはさらに無数の念力の銃弾を放つが、ガブリアスは憤怒の如く燃え盛る炎を撒き散らし、念力を相殺する。
「ガブリアス、地震だ!」
ガブリアスは地面を勢いよく踏みつけ、地面を揺らして衝撃を飛ばす。
「ハンタマ、跳び膝蹴り!」
ハンタマは地を蹴って跳び出す。
非常に出が速いガブリアスの地震を躱し、渾身の膝蹴りを叩き込む。
「ガブリアス、防御!」
ガブリアスは右腕の翼を構え、翼で膝蹴りを受ける。
このガブリアスの平たく堅い翼は、衝撃を分散し、衝撃や威力を弱めることが出来るのだ。
跳び膝蹴りの威力は非常に高く、ガブリアスはかなり押されるが、それでも吹っ飛ばされることなく膝蹴りを耐え切り、
「怒りの炎!」
ハンタマの勢いが止まった瞬間に翼を少し退け、憤怒の如く激しく燃え盛る炎を放つ。
「やばい! ハンタマ、後退だ!」
しかし、流石はハンタマ。なんとガブリアスの翼を踏み台にして大きく後ろへ跳び、炎の射程圏内から離れる。
「おお? 今のを避けたとは、何て隙の無さだ」
感心するような声をあげるシュウヤ。
「みんなそう言うんですよ! ハンタマ、サイコバレット!」
シュウヤですらもハンタマの隙の無さは認めるものがあるらしい。
ハンタマはマシンガンのように無数の念力の銃弾を撃ち出す。
「悪いがそれは効かないぜ。ガブリアス、怒りの炎だ!」
対して、ガブリアスは怒りの感情の如く燃え上がる炎を放って炎の壁を作り、銃弾を遮断する。
「シャドーパンチ!」
ハンタマは炎にまぎれ、素早くガブリアスへと忍び寄る。
炎が消えた瞬間を狙い、ハンタマは影を纏った拳を構えて跳び出し、
「おっと、ガブリアス、ドラゴンクロー!」
シュウヤも反応が速かった。ガブリアスは蒼白く輝く爪を振るい、ハンタマの拳とぶつかり合う。
しかし、やはり攻撃力ではガブリアスに分があり、ハンタマは押し負け、吹っ飛ばされる。
「追撃だ! ガブリアス、ドラゴンクロー!」
すぐさまガブリアスは地を蹴り、猛スピードで追ってくる。
「ハンタマ、落ち着いて回避するぞ!」
吹っ飛ばされたハンタマだが、素早く受け身を取って起き上がる。
間髪入れずにガブリアスの爪の一撃が襲い掛かるが、素早いバックステップで斬撃を避ける。
「跳び膝蹴りだ!」
そこからハンタマは地を蹴って跳ぶ。
強烈な膝蹴りがガブリアスに叩き込まれ、ガブリアスは大きく吹っ飛ばされる。
まともにガブリアスが吹っ飛ばされたのは、まだこれが二度目。このガブリアスは攻撃面だけでなく、打たれ強さも兼ね備えている。
「翻弄できてはいるだろうけど……厳しいかもな」
ハンタマはスピードや手数で勝っている。だが、見方を変えれば、それだけだ。
テペトラーには冷凍パンチがあったが、ハンタマには、ガブリアスに対して一撃で相手に大ダメージを与えられる技が無い。
その点、ガブリアスは剣の舞で攻撃力を上げ、一撃でこちらを致命傷に追い込む攻撃力を手にすることが出来る。
「ガブリアス、地震だ!」
「ハンタマ、躱してサイコバレット!」
ガブリアスが地面を思い切り踏みつけ、地面を揺らして衝撃波を起こすが、ハンタマは素早く跳んで衝撃波を躱し、無数の念力の銃弾を放つ。
「ガブリアス、躱してもう一度地震!」
ガブリアスは大きく跳びあがって銃弾を避けると、上空から脚を構え、すざましい勢いで急降下する。
「ハンタマ、来るぞ! 躱してシャドーパンチ!」
ハンタマは一瞬の動きでさっとガブリアスの激突を避けるが、
「甘いぜ」
シュウヤがそう言い放った刹那、地震の衝撃波がハンタマに襲い掛かる。
ただでさえ速いガブリアスの地震だが、今のはそれよりもさらに速かった。
「普通に放つときと、今のように放つときでは勢いが違うんだ。地震の力が大きくなったって当然だろう? ガブリアス、怒りの炎!」
すかさずガブリアスは憤怒の感情の如く燃え盛る炎を発射する。
「くっそ、ハンタマ、サイコバレット!」
体勢を崩しながらも、ハンタマは何とか念動力の銃弾を炎へと撃ち込み、怒りの炎を相殺する。
「ガブリアス、ドラゴンクロー!」
さらにガブリアスは両腕の爪を蒼白く輝かせ、一気にハンタマへと迫ってくる。
「ハンタマ、ガブリアスの後ろへ!」
ハンタマもガブリアス目掛けて駆け出す。
爪が振り下ろされる直前に、ハンタマは身を屈め、素早くガブリアスの両足の間を潜り抜け、ガブリアスの背後を取る。
「もらった! ハンタマ、跳び膝蹴り!」
その勢いを利用し、ハンタマは地を蹴って跳び、渾身の膝蹴りを繰り出す。
この距離では回避は不可能。しかし、

「ガブリアス、防御!」

その一言で、ガブリアスは左腕の翼を構え、ハンタマの膝蹴りを強引に受け切ってしまう。
「ドラゴンクロー!」
そして間髪入れずに、右腕を振るい、青白く輝く爪でハンタマを思い切り切り裂く。
そこではまだ終わらない。さらに左爪も青白く輝き、ハンタマを切り裂いた。
もともと耐久力の低いハンタマが、この二連撃を耐えられるはずもなく、ハンタマは地面へと落ち、戦闘不能となってしまった。
「嘘……だろ……?」
レオは何とか声を絞り出す。バフォット、テペトラーに続き、万全の状態のハンタマまでやられたのだ、それもガブリアス一体に。
「……ハンタマ、よくやった。あとは後続が何とかしてくれる」
レオはハンタマをボールに戻す。震える手で、次のボールを握る。
「今のハンタマの動きは悪くなかったぜ。だけどポケモン自体の相性が良くなかったな」
シュウヤは軽く告げるが、レオにとってこの状況は少々まずい。
(リーテイルは最後まで取っておきたい。ロップルではガブリアスを相手取ることは出来ない。だったら、予選で負けたけど、やっぱりフィニクスだ。ガブリアスも体力はかなり消耗しているはずだ)
冷や汗をかきながら、レオは次のボールを取り出す。
しかし、
「ガブリアス、一旦戻るぞ」
シュウヤはガブリアスをボールへと戻してしまう。
「え……?」
驚いたのはレオだ。ガブリアスを戻せば、せっかく上がった攻撃力は元に戻ってしまうし、何より、シュウヤにとってガブリアスを戻すような状況でもないはずだ。
「流石のガブリアスも、四連戦は厳しいからな。少しでもスタミナを回復しておかないとな」
そして、シュウヤも次のボールを取り出す。




レオ対シュウヤ、パート4。勢いの衰えを知らないガブリアス。万全の状態だったハンタマをも倒してしまい、これで三体抜き。二勝を先行されていた状況から、一気に三勝し、逆転してしまいます。にしても、自分で書いてて思いましたが、ガブリアス、強すぎますね。この化け物をどうやったら倒せるんでしょうか。中途半端な攻撃はおろか、十分な威力のある攻撃でも翼で防がれ、攻撃力も桁外れです。そしてガブリアスは一旦引き、シュウヤの次なるポケモンが出てきます。さて、次回も続きです。それでは、次回もお楽しみに!