二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 第百七十八話 黄金角 ( No.388 )
- 日時: 2016/06/28 14:01
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: 6/orvAdG)
「さあ行くぞ、ユニサス!」
シュウヤの五体目のポケモンは、金の角を生やした角馬ポケモンのユニサス。
「ガブリアスはフィニクスでないと倒せない。フィニクスにあまり負担を掛けたくないからな……。ロップル、悪いけどここは頑張ってくれ」
レオの言葉に、ロップルは肩で息をつきながらも、笑顔を作り、頷く。
「へえ、ポケモンに信頼されてるのがよく分かるな。じゃあ始めようかユニサス、メタルブラスト!」
ユニサスは角を輝かせ、そこから強大な鋼エネルギーの砲撃を放つ。
「ロップル、躱して瞑想だ!」
対してロップルは軽やかなステップで砲撃を避けると、精神を研ぎ澄ませ、特殊能力を高める。
「積んでくるか。ならユニサス、サイコバレット!」
ユニサスは念力を操作し、無数の念動力の銃弾を放つ。
「ロップル、サイコキネシス!」
対して、ロップルも念力を操り、こちらは念力の波を放って、銃弾を相殺。
「ユニサス、ハイドロポンプ!」
「ロップル、受け流せ!」
ユニサスは攻撃の手を緩めず、大量の水を噴射するが、ロップルは帽子を取り外し、その帽子で水を受け流す。
「乗り移る!」
そしてロップルは魂を肉体から離し、少しの間ユニサスへと憑依し、ユニサスの体の内側からダメージを与える。
「ユニサス、メタルブラスト!」
乗り移るから解放されると、ユニサスは頭を振って体勢を整え直し、強大な鋼エネルギーの砲撃を放つ。
「ロップル、躱してサイコキネシス!」
ロップルは大きく跳んで砲撃を避けると、念力の波を放ち、ユニサスへと波をぶつける。
しかし、エスパー技は効果今一つで、大したダメージではない。
「次だ! ユニサス、雷!」
ユニサスは角から電撃を空へと打ち上げる。
数秒後、空が光り、上空からロップルへと雷が落ちる。
「ロップル、躱して放電!」
ギリギリのところでロップルは飛び退き、雷を避けると、すかさず電撃を周囲へと撒き散らす。
「ユニサス、サイコバレット!」
電撃に対して、ユニサスはすぐに体勢を立て直し、無数の念力の銃弾を発射する。
銃弾が電撃を突き破り、ロップルを貫く。効果今一つの割に、ダメージはなかなかの量。
「追撃だ! ユニサス、メタルブラスト!」
続いてユニサスは多量の鋼エネルギーを撃ち出す。
「ロップル、躱して放電だ!」
何とかロップルは体勢を立て直し、素早く横へとステップで砲撃を躱し、素早くユニサスへと接近し、電撃を周囲へ撒き散らす。
今度はユニサスは電撃を浴びる。瞑想で特攻が上がっているので、ダメージはそこそこある。
「乗り移る!」
さらにロップルは魂をユニサスへと憑依させ、内側からダメージを与える。
「ユニサス、負けるなよ。ハイドロポンプ!」
ロップルの魂がユニサスから抜けると、ユニサスは大量の水を噴射する。
「躱すのは無理か……ロップル、防御!」
咄嗟にロップルは帽子を前に構える。
水は何とか耐え切ったが、水飛沫がロップルへとかかり、その体を濡らす。
「よく耐えた! ロップル、サイコキネシス!」
水を受け切ったロップルは帽子を被りなおすと、念力を操作し、念力の波を放つ。
しかし、
「ユニサス、雷だ!」
ユニサスは天空へと電撃を打ち上げる。
雷鳴が轟き、次の瞬間、槍のような雷撃がロップルへと襲い掛かる。
「しまった、ロップル!」
念力を放った直後のロップルは、上からの突然の攻撃に対応できず、雷撃の槍に体を貫かれた。
しかも、ハイドロポンプの水飛沫で濡れていた体は、電気が普通以上に通った。
テッカニン戦でのダメージも重なっており、ロップルはその場に倒れ、戦闘不能となってしまう。
「ロップル、よく頑張った。あとはゆっくり休んでてくれ」
レオはロップルを労い、ボールへと戻す。
「さあ、頼んだぞ、フィニクス!」
レオの次のポケモンはフィニクス。テッカニン戦でのダメージは多少あるが、バトルへの支障はない。
「行くぞ! フィニクス、大文字!」
フィニクスは自身を鼓舞するように大きく啼き、煌々と燃え盛る大の字型の炎を放つ。
「ユニサス、ハイドロポンプ!」
ユニサスは大量の水を噴射して炎を迎え撃つが、特攻で大きく勝るフィニクスの大文字が水を蒸発させていき、炎はユニサスへと命中する。
水で威力を弱めたため、まだ戦闘不能にはなっていないが、それでも効果抜群、ダメージは大きいだろう。
「ならユニサス、サイコバレット!」
ユニサスは念力を操り、念動力で出来た無数の銃弾を発射する。
「フィニクス、回避だ! 上昇するぞ!」
フィニクスは上空へと大きく飛び、念力を避け、
「ドラゴンダイブ!」
龍の力を纏い、すざましい殺気と共にユニサスを狙って急降下する。
「ユニサス、メタルブラスト!」
対してユニサスは多量の鋼エネルギーの砲撃を放ち、フィニクスを迎撃。
急降下と砲撃がぶつかり合う。
威力は互角で、競り合った後、フィニクスは退くが、砲撃も相殺されて消える。
「いい動きだ。だが空にいるなら気を付けろ。ユニサス、雷!」
ユニサスは上空のフィニクス目掛けて、強烈な電撃を放つ。
フィニクスは横へ飛んで電撃を躱すが、直後に空からの落雷が襲い掛かり、今度はフィニクスを捕えた。
「……! しまった、雷だったな……」
「だから気を付けろって言ったろ。ユニサス、サイコバレット!」
雷の直撃を受け、高度を下げるフィニクスへ、ユニサスは念力の銃弾をマシンガンのように放つ。
「来るぞ! フィニクス、エアスラッシュ!」
対して、フィニクスは何とか体勢を立て直すと、火の粉を散らしながら羽ばたき、空気の刃を飛ばす。
刃は銃弾とぶつかり合い、お互いに次々と相殺されていく。
「ユニサス、ハイドロポンプ!」
「フィニクス、ドラゴンダイブ!」
ユニサスは大量の水を噴射するが、フィニクスは飛び上がって水を躱し、龍の力を纏い、すざましい殺気を纏って急降下、ユニサスに激突する。
「もらった! フィニクス、大文字!」
すかさずフィニクスは煌々と燃え盛る大の字型の炎を発射する。
体勢が整っていないユニサスへと直撃し、その鋼の体を燃やしていく。
炎が通り過ぎると、ユニサスは体を焦がし、戦闘不能となって倒れていた。
「ユニサス、よく頑張った。休んでな」
シュウヤはユニサスをボールに戻し、そして次のボールを構える。
「さあ、もう一回行くぞ! ガブリアス!」
シュウヤの次の手は、先ほど猛威を振るった、ガブリアス。
その実力は、先ほどだけでなく、この大会で猛威を振るっている、と言った方が正しい。
そしてそれは、レオも十分承知である。
承知した上で、レオはフィニクスでガブリアスへと立ち向かう。
「さあガブリアス、あと二体だ。しかも一体は予選で勝った相手だぜ」
「行くぞフィニクス、あと二体だ。予選の雪辱を果たしてやろうじゃないか」
両者一歩も引かず。
天下無双の地龍と不死の炎龍は、互いの敵をじっと見据える。
終盤になってから一話一話の文字数が増えています。さて、レオ対シュウヤ、パート6。シュウヤの八年前からのポケモン、ユニサスがロップルを倒しますが、フィニクスに敗れ、そして二体の龍が再び対峙します。状況を見ると、お互いに二体が残り、うち一体は両方とも体力を消耗していますから、残っているポケモンのコンディション的には互角ですね。さて、次回はレオ対シュウヤ、パート7。それでは、次回もお楽しみに!