二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 第百七十九話 最強の蒼龍を超えろ ( No.389 )
- 日時: 2013/01/28 00:04
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: a5DdqbyH)
「行くぞ! フィニクス、大文字!」
まずはフィニクスが動き、煌々と燃え盛る大の字型の炎を放つ。
「上等! ガブリアス、怒りの炎!」
対して、ガブリアスも憤怒の感情の如く燃え盛る炎を放つ。
双方の炎がぶつかり合い、大きな爆発を起こす。
「ガブリアス、ドラゴンクロー!」
「フィニクス、ドラゴンダイブ!」
しかし、爆発による爆風や砂煙などものともせず、ガブリアスは龍の力を込めた、蒼白く輝く爪でフィニクスに斬りかかる。
対してフィニクスはそれを躱して大きく飛び上がり、そのまま龍の力を纏い、すざましい殺気を放ちながら急降下する。
「ガブリアス、迎え撃て! ドラゴンクロー!」
急降下してくるフィニクスを見上げ、ガブリアスは爪を構えて地を蹴り、地面から垂直にフィニクス目掛けて跳ぶ。
フィニクスとガブリアスが正面から激突する。一歩も引かず競り合うが、流石に上からの攻撃と下からの攻撃では上からの方が威力が上回る。
ガブリアスは剣の舞を積んでいないため、フィニクスに押し負け、地面へと叩きつけられる。
さらにフィニクスはガブリアス目掛けて急降下してくる。
「させるか! ガブリアス、防御!」
地面に倒れながらも、ガブリアスは両翼を交差させて、フィニクスの急降下を正面から受け切る。
「ドラゴンクロー!」
フィニクスの勢いが衰えたところを狙って、ガブリアスは蒼白く輝かせた右の爪を振るい、フィニクスを吹っ飛ばす。
「こうなったら手段は選ばねえ! ガブリアス、剣の舞!」
ここに来てついにガブリアスが必殺技を使う。
戦いの激しい舞を踊り、攻撃力を底上げする。
「ついに来たか……フィニクス、エアスラッシュ!」
フィニクスは空中へと飛び、火の粉を散らしながら羽ばたいて無数の空気の刃を飛ばす。
「ガブリアス、構うな! 剣の舞!」
無数の刃に体を切り裂かれるガブリアス。だが傷口を全く気にせず、ガブリアスはさらに戦いの舞を舞って攻撃力をどんどん上げていく。
「もう一度!」
ガブリアスは舞うことを止めない。さらに戦いの舞を舞い続け、ついに攻撃力を最大まで上げる。
しかし予選のように龍星群は通じない。
「さあ決めるぞ! ガブリアス、ドラゴンクロー!」
攻撃力が最大になったガブリアスが、一撃必殺の蒼白い爪を構え、突撃してくる。
「これは喰らう訳にいかねえ。フィニクス、回避!」
フィニクスは素早く飛び上がり、ガブリアスの爪の一撃を躱す。
「怒りの炎が通じないんだよな。だったら地震だ!」
ガブリアスは地を思い切り蹴って、フィニクスよりも高く飛び上がる。
そこから地震を起こせるような力で、フィニクスへと急降下しながら脚の一撃を向ける。
「危ねえ! フィニクス、飛び退け!」
咄嗟にフィニクスは横に飛び退き、ガブリアスの脚の一撃を避ける。
ガブリアスが地面へと激突すると同時に、大きな地震が起こる。
そして、その刹那。
(分かった……!)
レオは、ついにこの怪物、ガブリアスの攻略法を見つけた。
「フィニクス、思い切り飛び上がるんだ!」
フィニクスは上空へと舞い上がる。
ガブリアスを、上空へと誘い出すように。
「残念だが届くぜ! ガブリアス、ドラゴンクロー!」
ガブリアスは地面を思い切り蹴り、蒼白い爪を構えて一直線に跳び、一気にフィニクスとの距離を詰めて斬りかかる。
対して、フィニクスは何とか横へ飛び、ガブリアスの爪の一撃を避ける。
勢い余ってガブリアスはフィニクスよりも高く跳んでいき、
「地震だ!」
近距離から脚を構え、地震を起こす勢いで蹴りの一撃を向ける。
(来た!)
レオは思い切り目を見開く。そして、
「フィニクス、流星群!」
急降下してくるガブリアスに向けて、フィニクスは龍の力を溜め込んだエネルギー弾を放つ。
急降下してきたガブリアスは、エネルギー弾に包まれ、空高く打ち上げられる。
打ち上げられた弾は上空で破裂し、ガブリアスは直接的な爆発をまともに喰らう。
地面へと落ちていくガブリアスへ、無数の流星が襲い掛かる。
直接的に爆発を喰らい、体勢が整わないガブリアスへと次々に流星が激突していく。
「ガブリアス!」
地面へと撃墜されるガブリアス。
猛威を振るった蒼い地龍は、遂に戦闘不能となり、倒れていた。
そして、ガブリアスを上空から見下ろし、フィニクスは甲高く啼く。
「よくやった、ガブリアス。お前がMVPだぜ」
シュウヤはガブリアスを戻し、そして、最後のボールをその手に取る。
「俺に先に最後の一体を出させたのは、この大会ではお前が初めてだ。褒めてやるぜ」
だが、とシュウヤは続け、
「ここまでだ。こいつはガブリアスをも上回る実力を持つ、最後の俺の切り札。俺の一番初めのポケモンだぜ」
そして、シュウヤがそのボールを投げる。
「さあこれで最後だ、ラグラージ!」
シュウヤの最後のポケモンは、大きな山椒魚のようなポケモン。
青い体に青白い腹、がっしりとした体つきに、見るからにパワーを持っていると一目で分かる、頑丈そうな四肢。
目の上からは立派な鰭が立ち、尾鰭も立派な大きい扇の形をしている。
ウチセト地方には載っていない、シュウヤの最後の切り札。
「こいつはホウエン地方でだけ見つかるポケモンだ。名前はラグラージ、水・地面タイプだ。俺の最強の相棒だぜ」
ラグラージはどっしりと構え、フィニクスを見据える。
「こいつがシュウヤさんの最後のエース……見るからに強そうだぜ」
でも、とレオは続け、
「僕だって負けませんよ! フィニクス、大文字!」
フィニクスは大きく啼き、煌々と燃え盛る灼熱の炎を放つ。
「ラグラージ、ハイドロポンプ!」
対して、ラグラージは口から大量の水を噴射する。
しかし、その量が通常のポケモンの比ではない。
レオのテペトラーや、キラのタテボーシのものよりもさらに強力な、水の砲撃とも見て取れる大量の水は、大文字を難なく貫き、容赦なくフィニクスを捕え、吹っ飛ばす。
ガブリアスとのバトルで、体力をかなり消耗していたフィニクスは、遂に戦闘不能となる。
「フィニクス、よくやった。ガブリアスを倒せるのは、やっぱりお前だけだぜ」
ガブリアスにしっかりとリベンジを果たしたフィニクスを労い、ボールに戻すレオ。
そして、エースのリーテイルが入っている、最後のボールを取り出す。
誰に見せても恥ずかしくない、最高のエースだ。負けるはずはない。
「さあ、思いっきり暴れようぜ! リーテイル!」
ボールの中から、勢いよくリーテイルが飛び出す。
目の前の最強の敵を見据え、大きく咆哮する。
「へえ、それが君のエースか。見ただけでその実力が分かるぜ」
「それはそのラグラージも同じですよ。相当な実力者ですね」
でも、と二人は同時に言った。そして、
「「真のエースは、こいつしかいない!」」
シュウヤとレオは、同時に同じ言葉を叫ぶ。
そして、その言葉と共に、双方の最高のエースが戦闘態勢へと入る。
レオ対シュウヤの、最終楽章が始まった。
レオ対シュウヤ、パート7です。フィニクスが遂にガブリアスを破り、シュウヤの最高のエース、ラグラージが満を持しての登場です。そして、レオもエースのリーテイルを繰り出し、最後の一体でのバトルが始まります。やはりシュウヤの相棒は、前作同様、ラグラージです。さて、次回は、レオ対シュウヤ、パート8にして、ついに決着です。それでは、次回もお楽しみに!