二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 第十四話 水使いの新星 ( No.41 )
日時: 2012/11/10 21:50
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: 1HHiytFf)

次の日。
レオはタイメイシティを出発し、504番道路に向かう。
「ここから一番近い町は…うん、ラビンタウンだな」
タウンマップを見ると、ラビンタウンはこの道路をしばらく進み、途中で曲がり、谷を降りたところにある町。渓谷の町らしい。
マップを見た感じでは、ラビンタウンにもジムがある。
「よし、行くぞ!」
レオはラビンタウンに向かって、軽やかに駆け出す。
が、
「悪いねえ。ラビンタウンは三日前に土砂崩れに遭ってね。今は立ち入り禁止なんだよ」
ラビンタウンへの曲がり口のところで、警官に止められた。
「…そうなんですか。随分大変な事になってるみたいですけど、町は大丈夫なんですか?」
「ああ。ジムリーダーを始めとする地元の人たちや、救助隊の人たちのお陰で、何とかなりそうだ。危険が無くなったら、また来るといいよ」
ラビンタウンにはたどり着けなかったが、レオは気を取り直し、再びタウンマップを広げる。
「なら…この道路を直進した所にある、ラビリンシティだな」
ラビリンシティにもジムはあるようだ。先にこちらを回っても損は無い。
町の名前が似ているのは偶然だろうか。
「よし、ならこっちだな!」
再びレオは走り出す。今度はラビリンシティに向けてだ。


ラビリンシティ。
レンガで造られた建物が立ち並び、何かのロマンを感じさせる町だ。
少し小さめの城にも見える建物は、ラビリン図書館。
莫大な数の本が収められているらしい。
ジムもレンガで造られている。岩タイプのジムだろうか?
「とりあえず…図書館でも行ってみようか」
独り言を呟き、レオは巨大な図書館に入る。
ラビリン図書館に入ると、そこには情報どおり大量の本があった。
ポケモンの生態の本、伝説や神話についての本、ポケモンバトルについて書かれた本、ホウエン・ウチセトなどの色々な地方の歴史、ポケモンと関係の無い小説、論文、漫画などもたくさんある。
早い話、本がありすぎて何から手をつけていいか分からない。
とりあえず、ポケモンバトルの本でも読んでみようかと思い、手をかけようとしたその時、
「あれ? レオか?」
突然後ろから名前を呼ばれた。
振り返ると、そこにいたのは幼馴染の少年。
「おお、キラじゃ——あ」
図書館であった事に気付き、一度声を止めて、声の大きさを落とす。
「おお、キラじゃねえか。バッジ今何個だ?」
「まだ二つさ。シナイさんのカモナイツには手こずったよ。アクタシの催眠術で眠らせて何とか勝ったけど」
「僕はリープンが進化して、逆転勝ち。危なかったよ」
キラも、バッジの数やそのバッジの種類はレオと同じらしい。
「で、レオ、お前ここで何してんの?」
「決まってるだろ。図書館なんだから本読みに来たんだよ」
実は『観光名所らしいからとりあえず来てみた』ということは内緒である。
「…そうだよな。あ、そうだ。ここのジムリーダーは水タイプ使いらしいぞ。じゃ、俺はもうちょっと特訓してくるわ。じゃあな」
そう言うと、キラは図書館から出て行った。レオは、先ほど手に取ろうとした本に手をかける。
「やっぱ、こういうのは読んどかないとな」
レオは結構本好きなので、本を読むことにためらいは覚えない。
本を開くと、さっと読み始める。


大体一時間くらいで、レオは本を読み終えた。
初心者編だったらしく、大体知っている事ばかりだった。
今度はジムに向かう。
水タイプのジムリーダーなら、リーティンが有利に戦える。
「よし…!」
レオはジムの扉を開けた。
「お願いします!」
レオは大声で叫び、中に入る。
ジムのスタジアムのフィールドは、丸い流れるプール状になっていた。
足場は七つ。中央の大きな浮島が一つ、あと六つの浮島は、水の流れにのって流れ、ずっと回っている。
その時だ。
「ようこそ、ラビリンジムへ」
高めの声とともに、少年が現れた。
レオよりも年下だ。黄色のショートヘアーに、水の波紋らしき模様が描かれた水色の服を着、黒いジーンズをはいている。
「僕はラビリンジムのジムリーダー、ユウ。本来はまだポケモンを扱うには早い年齢なのですが、僕はポケモンの腕が高いとかなんとかで、ジムリーダーにさせていただきました」
ユウと名乗る少年ジムリーダーは、丁寧な口調で話す。
「さて、僕は水タイプ使いです。もっと小さい頃、僕は水タイプの魅力に惹かれ、水タイプを使うようになりました。早速ですが、始めましょう。準備はいいですか?」
何だか年齢の割に色々な言葉を知っている。ジムリーダーになるとやっぱりこういう教育も必要なのだろうか。まあいいか。
「はい、お願いします!」
レオとユウは、それぞれお互いのボールを構える。

『ラビリンシティジム ジムリーダー ユウ  若き水の貴公子』


さあ、どうしよう。シナイのジムリーダーの肩書きを、すっかり忘れていました…。ま、今度ジムリーダーの詳細を書くとき、乗せておけば済む話か。さて、次のジムリーダー、ユウの登場です。水中のスタジアムなら、魚系統のポケモンを気兼ねなく登場させられるから便利。さて、次回はジム戦です。それでは、次回もお楽しみに!