二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 第一話 初めてのポケモン ( No.7 )
- 日時: 2012/12/09 20:41
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: kAifypKr)
ジリリリリリリリリ…
ここはナデシタウン。
この町のとある家の部屋で、目覚まし時計が鳴り響く。
その音で、この家の少年、レオはベッドから飛び起きた。
「よーし、やっとこの日が来た!」
寝起きとは思えない大声で叫ぶレオ。
しかしそれも仕方ない。
というのも、今日は、レオが初めてのポケモンを貰える日なのだ。
ミサゴシティに住むコウラン博士から、ポケモンが三匹、レオの家に届けられる。
ちなみに、三匹というのには訳がある。
この町には、レオの幼馴染が二人いる。
その二人も、今日ポケモンを貰うのだ。もうすぐ家にやって来るだろう。
レオは素早く着替え、階段を駆け下りる。
「母さん、おはよう!」
「あら、おはようレオ。テンション高いわねー。何たって初めてのポケモンが貰えるものね! じゃ、朝ご飯、食べてしまいなさい」
レオは笑顔で頷き、食卓に着くと、速攻で朝ご飯を食べ始める。
ポケモンが届くのは八時半。現在は八時十五分だ。
一刻も待ちきれないのだが、高ぶる気持ちを何とか抑えるため、レオは本を読んで待っていた。
その時、家のベルが鳴る。
「おじゃましまーす!」
元気で明るい、少女の声。
赤い髪をツインテールにし、ピンク色のTシャツに白いスカートを着たこの天然系少女は、レオの幼馴染の一人、チヅルだ。
「おーっす、レオ。ポケモンはもう来た? まだ?」
やたらとハイテンションなチヅル。いつもからテンションが高いのがチヅルだが、今日は特に高い。
「まだだよ。確か八時半に届くらしいから、あと十五分だ。待ちきれないな!」
「だよねー! ああ、どんなポケモンなんだろう? 可愛い子がいいな! 早く着すぎちゃったかも?」
十五分前というのは果たして早いのだろうか?
そして七分経過。
再び家のベルが鳴った。
「おじゃまします」
落ち着いたような少年の声。
青髪のショートヘアーで、紫や黒を基調とした服を来た、やや背が高めのこの少年は、レオのもう一人の幼馴染、キラだ。
「おはよう、レオ。あれ、チヅルももう来てたんだ。早いねー」
「もちろん! 初めてのポケモンなんだから、早く来ないとね!」
いやチヅル、十五分前は早くないだろ、とレオは思ったが、口には出さない。
「どんなポケモンなんだろうな。育て甲斐のあるポケモンがいいな!」
キラは一人で微笑み、そう言った。
そして、八時三十分。
「お届け物です!」
配達員の声が玄関から聞こえた。その瞬間、
「「「来た!」」」
三人は大慌てで玄関へ飛び出す。その後からレオの母親が出てきた。
その勢いにびっくりしたのか、配達員は少しびくびくしながら、
「ミ、ミサゴシティのポケモン研究所からお届け物が来ております」
白い箱を出してきた。レオが代表でそれを受け取る。
その箱を受け取るなり、三人は速攻で部屋に戻り、箱を開けた。
中にはモンスターボールが三つ、それに手紙が入っていた。
『今日から、君たちはポケモントレーナーだ。この三匹のポケモンを、三人で分けてくれ。あと、後でミサゴシティの研究所に来て欲しい。—コウラン』
その手紙を読み終えると、三人は適当にボールを取り、ポケモンを出す。
最初の一体は、黄緑色の爬虫類のような姿に、大きな葉を持った、発芽ポケモンのリープン。
次のポケモンは、赤い球体の体、そしてそこに付いた大きな目を持つ火薬ポケモンのファマー。
最後の一体は、液体の体をし、黄色のボタンがついたような姿の、液体ポケモンのアクタシ。
「レオの家に届いたんだから、レオが一番最初に選びなよ!」
「それがいい。好きなポケモンを選べばいい」
チヅルとキラの言葉に促され、レオは一歩前に出る。
「見た瞬間に決まった。僕の初めてのポケモンは、このリープンだ」
レオはリープンを選んだ。モンスターボールを持ち、一旦戻したリープンを再び繰り出す。
「よろしくな、リープン」
リープンは笑って、頷いた。
次にチヅルが選ぶ。
「ファマーに決まってるでしょ! このクリッとした目、丸っこいボディ。最高よ!」
チヅルはファマーを出し、その途端にファマーに抱きつく。そして、
「あっつあああああ!」
ファマーの体温の高さに、慌てて手を離した。
「お、奇遇だね。ちょうど俺はこのアクタシが欲しかったんだ」
最後にキラが進み出て、アクタシのモンスターボールを持った。
「さて、じゃあ母さん、ちょっと三人でミサゴの研究所に行ってくる!」
レオが母に言うと、
「分かったわ。気をつけなさいよ。話を聞いたら、一旦戻ってきてね」
母は優しく言った。
こうして、三人は念願の初めてのポケモンを手に入れたのだった。
続く
この小説では、新しい町に着くまでを一くくりの章としていきます。