二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 第二十二話 盲目の予言者 ( No.71 )
日時: 2012/12/11 00:21
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: kAifypKr)

リーティンとハンタマが激突する。
「エアスラッシュ!」
リーティンの放った空気の刃は、弧を描いて飛び、ハンタマに直撃する。
ハンタマは格闘タイプ。効果は抜群だ。
吹っ飛ばされたハンタマは、しかし素早く受身を取って起き上がり、拳を構えて猛スピードで接近する。
マッハパンチがリーティンを捕らえた。リーティンが仰け反る。
続いてハンタマは影を拳にまとい、リーティンに殴りかかる。
「グラスミキサー!」
リーティンも体勢を立て直し、葉を振り回して木の葉の渦を発生させる。
ハンタマを呑み込んで、中のハンタマごと渦を地面に叩きつけた。
しかし、まだハンタマは起き上がる。
ハンタマが飛び上がった。今度は足を構えて、上空から急降下キックを繰り出す。
「返せるぞ! エアスラッシュだ!」
葉を振って空気の刃を発生させ、ハンタマにぶつけるリーティン。
だが、ハンタマのキック攻撃は空気の刃を破壊し、その勢いでリーティンにもキックをぶつける。
「くッ…リーティン、グラスミキサーだ!」
リーティンは葉を振り回し、木の葉の渦を発生させる。
だが、今度はハンタマはその渦を身軽に避け、影の拳をリーティンに向ける。
「連続切りだ!」
向かってくるハンタマに対し、リーティンは葉を構える。
ハンタマの連続のパンチ攻撃に、連続切りで応戦。
一瞬の隙を突いて、ハンタマが影の拳をリーティンにぶつけた。
ハンタマは深追いせず、素早く後ろへ下がる。しかし、
「そこが隙なんだよ! リーティン、エアスラッシュ!」
体勢を崩しながらもリーティンは葉を振って、空気の刃を発射する。
ハンタマに命中、ハンタマを吹っ飛ばした。今度はなかなか効いている。
「よし、この隙に成長!」
リーティンは体の細胞を急速に成長させ、攻撃力を上げる。
それでも、ハンタマはまだ起き上がり、拳を構えて猛スピードで接近。渾身のマッハパンチでリーティンを狙う。
「その根性は流石…でもこれで止めだ! リーティン、グラスミキサー!」
リーティンは葉を振って木の葉の渦を発生させ、その渦は向かってくるハンタマを呑みこんだ。
その渦を思い切り地面に叩きつける。渦が消えると、ようやくハンタマが倒れていた。
「よっし! 行っけえ、モンスターボール!」
レオの投げたモンスターボールは、ハンタマにぶつかり、ハンタマを中へ吸い込む。
一度、二度、そして三度モンスターボールは揺れ、そして止まった。
「よおおし! ハンタマ、ゲット!」
高らかに叫ぶレオ。
「おお、流石だなレオ。正直不安だったけど、とにかくゲット出来てよかったな」
「おめでとうございます! じゃあ、混乱の元凶もいなくなったし、ポケモンセンターに戻りましょう!」
「うん。僕はもう眠いよ」
レオのポケモンゲットを祝うキラとフウカ。
ジョーイさんに報告するために、三人はポケモンセンターへ戻る。
ちなみに、今は夜の一時である。


「三人とも、ありがとう!」
次の日、三人はジョーイさんから感謝の言葉を貰った。
ポケモンセンターに着いた時にはもう遅かったので、一眠りして朝になった後にお礼を言おうというジョーイさんの配慮だった。
「このレオ君がとても頑張ったんですよ」
「そうそう、戦ったのお前だもんな」
「いやいや、作戦を考えたのはフウカだし、おびき寄せてくれたのはキラだし…」
感謝の言葉を受けて少し照れるレオ。
ジョーイさんに見送られ、三人はアメジスシティへ向かう。


アメジスシティ。
海辺の大きな町だ。近代風の町で、大きな建物もそこそこ多く、町は栄えている。
海辺ということもあり、市場には新鮮な魚などの海関連の品物が立ち並んでいるが、水ポケモンが捕まえやすくなるモンスターボールや、釣竿なども売っている。
また、この町の名所は、水の科学博物館とウチセトビッグブリッジだ。
博物館には海の展示物や水の実験についてなどが展示され、ビッグブリッジは海をまたいで海の向こうのブルムシティと繋がっている。
「それでは、私はこれで! 二人ともありがとう!」
レオとキラにお礼を言うと、フウカは去っていき、その姿は人ごみの中へ消えてしまった。
「レオはどうするんだ?」
「決まってるだろ、ジム戦さ」
「やっぱそうか。俺はさっきの道路にちょっと戻ってみるよ。強いポケモンがまだ生息しているかもしれない」
そう言って、キラも行ってしまった。レオは、早速ジムへ向かう。
アメジスシティのジムは、普通のジムだった。特に外見もこだわっていない。
「お願いします!」
レオは扉を開け、中に入る。中も普通のスタジアムだった。純粋にバトルをするにはもってこいだ。
ジムリーダーであろう人物が出てきた。見た目は二十代後半。長い茶髪で、目を閉じている。巫女さんのような格好をしている。
「ふふ、待っていたわ」
その女は、レオが来るのを予め知っているかのような口調で言った。
「…? 僕が来るのを知っていたんですか?」
「ええ。私の名前はヤシロ、エスパータイプ使い。ジムリーダーと予言者の二つの顔を併せ持っているの」
ヤシロと名乗るジムリーダーは、そう言ってにっこりと笑い、
「ついこの前、近いうちに強いトレーナーが現れるという未来が見えてね。久し振りに本気で戦えると思うと、なんだか気持ちが弾んできちゃった」
「……」
本当に予言者なのだろうか。どうも信じられない。
そんなレオの気持ちには気付かず、ヤシロは言葉を続ける。
「さあ、では早速始めましょ。エスパータイプの恐ろしさ、たっぷり味わうといいわ。私の本気のバトルに、ついてこられるかしら?」
「望む所です! 僕だって絶対負けません!」
レオとヤシロは、お互いのボールを取り出した。



レオが四体目の仲間、ハンタマをゲットしました。そして、それはこのジム戦から四対四の勝負になることを意味しています(マジです)。そして新キャラ、エスパー使いのアメジスシティジムリーダー、ヤシロも登場です。あ、あと霧火さん、フウカの出番はもちろんここで終わりではありません。またいつか必ず出てきますので、ご安心下さい。さて、次回はジム戦です。それでは、次回もお楽しみに!