二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 第二十三話 餅搗き月兎 ( No.74 )
- 日時: 2012/11/11 12:23
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: W5lCT/7j)
「まずは貴方よ。出て来て、ルナバイン」
ヤシロが出したのは、杵を持ち、尻尾で臼を掴んだ、緑色の大きなウサギのようなポケモン。
アロンジで見たルナビットの進化系だ。ルナバイン、餅つきポケモン。エスパータイプだ。
「よし、初陣だ! 頼むぞ、ハンタマ!」
レオの一番手はハンタマ。是非とも初陣を勝利で飾りたい所だ。
「行きます! ハンタマ、まずはシャドーパンチ!」
ハンタマは影を拳にまとい、地を蹴って突進、ルナバインに拳を向ける。
「ルナバイン、サイコパンチ」
ルナバインも念動力を拳にまとって、ハンタマを迎え撃つ。
双方の拳が激突する。威力は互角、しばし競り合い、お互いに離れる。
「今だ! メガトンキック!」
そしてレオはその隙を逃さない。
お互いに体勢を崩していたが、ハンタマがより素早く立て直し、強い蹴りの一撃をルナバインに叩き込む。
そして深追いはしないのがレオのハンタマ。素早く下がって、距離を取る。
「くっ、ルナバイン、立て直して。シャドーボールよ」
ルナバインは影の弾を作り出すと、バットのように杵で影の弾を打つ。
それにより、シャドーボールが猛スピードで突っ込んでくる。
「マッハパンチ!」
ハンタマは拳を構えて猛スピードで突撃し、影の弾を破り、さらに一瞬でルナバインに接近、拳の一撃をルナバインに命中させる。
「シャドーボール」
マッハパンチは効果が今一つなので、ダメージは少ない。
そのため、ルナバインは素早く体勢を戻し、今度はそのまま影の弾を放った。
流石のハンタマも、この至近距離の攻撃は避けられない。シャドーボールの直撃を受け、吹っ飛ばされる。
「追撃よ。ウッドハンマー」
さらに、ルナバインは吹っ飛んでいくハンタマを追って駆け、杵を振り上げ、思い切りハンタマを殴る。
まさに『ウッドハンマー』だ。
「ハンタマ、来るぞ! ビルドアップで耐えてくれ!」
この体勢では、ルナバインの杵をかわしきれない。ハンタマは体の筋肉を増強させて防御を固め、襲い来る杵を正面から受ける。
相当の威力で、後ろへ押し戻されるが、それでもハンタマは耐えた。
「ルナバイン、連続でシャドーボール」
ルナバインは影の弾を五つ出現させる。そして、杵でそれらを一気に打ち出す。
「かわしてシャドーパンチだ!」
自慢の身体能力で、襲い来る影の弾を次々と避けていくハンタマ。
全ての影の弾をくぐり抜け、影の拳をルナバインへ向ける。
「リフレクターよ」
咄嗟にルナバインは光の壁を発生させ、ハンタマのパンチ攻撃をガードする。
「そこからサイコパンチ」
ルナバインは拳に念動力をまとって、パンチを繰り出す。
だが、すでにハンタマは距離を取って遠くへ下がっていた。
「そのハンタマ、なかなか隙を見せないわね。どんな修行をさせたの?」
「いえ、これは元々のこいつの力です!」
この言葉に嘘はない。
「へえ、なかなかやるじゃない。ルナバイン、サイコパンチ」
「ハンタマ、シャドーパンチだ!」
双方が地を蹴って、お互いの拳——影の拳と光の拳が激突する。
先ほどは互角だったが、しかし、ビルドアップには攻撃を上げる力もある。
ハンタマの拳が競り勝ち、ルナバインを吹っ飛ばす。
「くっ、ルナバイン、ウッドハンマー!」
それでもルナバインは、負けじと杵を振り上げるが、
「遅いですよ! ハンタマ、メガトンキック!」
その杵が振り下ろされるよりも早く、ハンタマの渾身のキック攻撃が届き、ルナバインを吹っ飛ばし、壁へ叩きつけた。
「…ありがとう、戻ってルナバイン」
ヤシロは戦闘不能となったルナバインをボールに戻す。
「やるわね。予言の通り強いトレーナー…ますます楽しくなってきたわ」
ヤシロは笑みを浮かべ、次なるポケモンを繰り出す。
「出て来て、ビビッドン!」
ヤシロの二番手は、よく分からない何か宇宙人のようなポケモン。三本の足、垂れ下がった顔に三つの目、そしてカラフルなポケモンだ。
ビビッドン、シグナルポケモン。電気・エスパータイプで、宇宙から来たとも言われている。
「…何だこいつ? とにかく行くぞ、ハンタマ、シャドーパンチ!」
ハンタマは影を拳にまとって地を蹴り、ビビッドンにパンチ攻撃を喰らわせる。
ビビッドンは動きが鈍く、ハンタマの拳が直撃した。
だが、その直後。
「ビビッドン、サイコバーン」
ビビッドンの周囲に強い衝撃波が放たれる。
それに突っ込んだハンタマは、思い切り吹っ飛ばされた。
「!? 何だ、今の?」
突然の大技に困惑するレオだが、ヤシロは構わず次の技を指示する。
「ビビッドン、雷」
吹っ飛んでいくハンタマに対し、ビビッドンは雷に匹敵する高電圧の電撃を放つ。
この体勢のハンタマが避けきれるはずもなく、電撃はハンタマに命中し、ハンタマを戦闘不能にした。
恐るべき破壊力だ。
「ありがとうハンタマ。お前は仕事をしっかり果たしてくれた」
レオはハンタマをボールに戻した。そして、二番手のボールを取り出す。
「出て来い、カプリン!」
ジム戦、始まりました。ルナバインはどちらかというと肉弾戦向きで、エスパータイプのトリッキーな戦い方はあまり見せません。ですが、打って変わってビビッドンはそもそも姿がトリッキー、戦い方も正反対になります。このビビッドンや三番手、四番手では、エスパーポケモンのトリッキーさを見せたいと思っております。次回も当然ジム戦ですね。それでは、次回もお楽しみに!