二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 第二十四話 宇宙生物 ( No.75 )
日時: 2012/11/11 12:25
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: TaHLTR3K)

レオの二番手はカプリン。
タイプの相性上、エスパータイプには有利なのだが、電気タイプに対しては普通だ。
「カプリン…鋼タイプね。鋼タイプは圧倒的な防御力が特徴、でも私のビビッドンはその程度じゃ止まらないわ。ビビッドン、雷!」
ビビッドンは超高電圧の電撃を放つ。
「かわして突進だ!」
カプリンは横に動いて電撃を避けると、地を蹴って突進、一直線にビビッドンに激突する。
ビビッドンは突進を正面から喰らう。ダメージも受けているが、三本の足がしっかりバランスを支え、体勢が崩れない。先程のシャドーパンチの後、すぐさま反撃に出られたのもそのためだ。
「サイコバーン」
「鉄壁だ!」
ビビッドンは強烈な衝撃波を周囲に放つが、それよりも早くカプリンは体を硬化させる。
衝撃波が命中するが、カプリンの硬化された体に致命傷は与えられず、カプリンは少し後ろへ後ずさりしただけだった。
「思念の頭突きだ!」
カプリンは額に思念の力を込めて、頭突きを繰り出す。
ビビッドンの顔面に命中するが、やはり体勢は崩れない。
「カプリン、一旦離れろ!」
カプリンは後ろに戻る。体勢をほぼ崩さない相手というのはなかなか厄介なのだ。
「ビビッドン、トライアタック」
ビビッドンは三つの目から、それぞれ目の色と同じ色——赤・黄・青の光線を発射する。
最初の赤、二番目の黄は何とか避けたカプリンだが、三発目の青い光線がカプリンを捕らえた。
「くっ、カプリン、騙し討ち!」
カプリンは角を構えて突進する。
「ビビッドン、雷」
ビビッドンは超高電圧の電撃を放ち、カプリンを迎撃する。
しかし、電撃を放とうとしたその時、カプリンは咄嗟に上を向く。
ビビッドンもそれに釣られ、何かあるのかと上を向く。
直後、カプリンの突撃攻撃がビビッドンに命中した。
「なるほど、騙し討ちか。流石必中技ね。ビビッドン、サイコバーン」
ビビッドンも負けじと反撃する。
すぐさま強烈な衝撃波を周囲に放ち、カプリンを吹っ飛ばす。
地面に落ちたカプリンは起き上がろうとするが、その前にビビッドンの追撃が飛ぶ。
「休ませちゃ駄目。ビビッドン、雷」
ビビッドンの高圧電流がカプリンを襲う。
だが、その時だ。

起き上がったカプリンの体が、白く光り始めた。

レオはこの光を見た事がある。
タイメイシティのシナイ戦、カモナイツとリープンの勝負の時、リープンはこの光を放ち、リーティンに進化したのだ。
「これは…進化の光だ!」
角は大きくなり、後ろにねじれる。
体型はよりスマートになり、早く駆けられるような姿になる。
光が消えると、そこにいたのはカプリンとは別のポケモン。
黒い立派なねじれた角、前足と尻尾は黒、それ以外は黒い体毛。
ゴートン、山羊ポケモン。鋼タイプは変わっていない。
「まさか、ここで進化してくれるとは…。流石カプ…いや、ゴートンだ!」
「いいタイミングで進化したわね。こちらとしては嫌なタイミングだけど。まあいいか、ビビッドン、トライアタック!」
ビビッドンは三つの色の光線を発射する。
「かわして思念の頭突きだ!」
だがゴートンは巧みに跳んだり体を反らしたりで、三つの光線を全て避ける。
さっきは全て避けられなかったはずだった。
そして、ビビッドンの元に素早く接近し、今度は足に頭突きをぶつける。
「しまった、ビビッドン!」
今度は効いた。ビビッドンは足のバランスを崩し、体勢を崩して転ぶ。
「アイアンヘッド!」
すぐさまゴートンは飛び上がり、鉄の様に硬い頭を向け、その頭をビビッドンの腹にぶつけた。
ビビッドンが吹っ飛ばされる。かなりのダメージだ。
「ゴートン、思念の頭突き!」
さらにゴートンは追撃する。思念の力を額に込めて、突進する。
だがビビッドンもそう簡単には負けない。
「ビビッドン、サイコバーン!」
体勢がまだ整っていないが、それでもビビッドンは周囲に強烈な衝撃波を放つ。
ゴートンでもこれには勝てず、逆に押し戻される。
「トライアタック」
さらにビビッドンは三つの光線でゴートンを追撃、三発をもろに受けた。
ゴートンもビビッドンも、体力は残り僅か。
「これで決めるわ。ビビッドン、爆裂パンチ!」
「こっちもだ! ゴートン、アイアンヘッド!」
ビビッドンは初めて自分から前へ動いた。拳を思い切り握り締め、万物をも砕く勢いでパンチを繰り出す。
ゴートンも額を思い切り硬化させて、最大勢いで突っ込む。
双方の大技が激突した。爆発が起こる。
砂煙が消えると、倒れていたのは両方だった。
「ありがとう、ゴートン。強敵相手によく頑張った」
「ビビッドン、よくやったわ。休んでて」
お互いにポケモンをボールに戻す。
「ここまでは互角ね。次のポケモンがものを言いそうね」
「そうですね。次は確実に取っておきたいです」
レオとヤシロは、次なるモンスターボールを取り出した。



ジム戦中盤です。ここに来てカプリン、やっと進化しました。どうもエスパータイプのトリッキーな勝負は展開しづらいですね…。今回もあんまりトリッキーなことしてませんし。個人的にビビッドンは好きです。名前面白いし、外見も面白いし、電気・エスパーって固有タイプでしたよね。確か。次回もジム戦です。あと二、三回で決着ですかね。それでは、次回もお楽しみに!