二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 第二十六話 天下無双の剣士 ( No.85 )
- 日時: 2012/11/11 12:29
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: W5lCT/7j)
「さあ頼むわよ、私のパートナー!」
ヤシロの最後のポケモンは、緑と白を基調とした人型のポケモン。腕には刃が覗える。
エルレイド、刃ポケモン。エスパー・格闘タイプ。
エルレイドはまず、レオの方を向き、レオに一礼。
そして、戦闘体勢に入る。右腕の刃を伸ばし、構えを取った。
「エルレイド、まずはサイコカッター」
エルレイドは右腕の刃に念動力を溜め込み、そして地を蹴る。
だがそれがもの凄いスピードだ。一瞬でリーティンの元へ接近し、刃を振り下ろす。
迎撃の余裕は無い。
「後ろに下がって回避だ!」
リーティンは素早く後ろにジャンプし、エルレイドの一撃を避ける。
「エアスラッシュ!」
すぐさまリーティンは反撃に入る。葉を振って、空気の刃を放った。
技を放った直後だったエルレイドは、空気の刃を避けられず、正面から喰らい、押し戻される。
「だったら波動弾よ」
エルレイドは波動を凝縮した弾を思い切り打ち出す。
「葉っぱで弾き返せ!」
リーティンは葉を振り、飛んで来た波動弾を打ち返す。
「連続切り!」
そのまま、リーティンは葉を構えて突っ込む。
仮にエルレイドが刃で迎撃してこようと、手数はこちらの方が圧倒的に多くなる。逆に反撃される心配は無かった。
だが、
直後、リーティンの真上から波動弾が襲い掛かった。
「何だ!?」
リーティンは避けられず、上からの波動弾の直撃を受け、動きが止まる。
「エルレイド、もう一発波動弾」
さらにエルレイドはもう一発波動を凝縮した弾を打ち出し、リーティンを吹っ飛ばした。
「波動弾は必中技。さっき貴方のリーティンは波動弾を打ち返したけど、その波動弾はまだ消えていなかった。波動弾を避けたければ、技で打ち消すしかないわ」
「…なるほど。ゴートンの騙し討ちのような感じですね」
要するに絶対に避けられないという事だ。こちらが使うと非常に便利だが、相手が使うと非常に厄介だ。
「さあどうする? エルレイド、波動弾」
エルレイドは再び波動を凝縮した弾を打ち出す。
「打ち消すまでです! リーティン、エアスラッシュ二発!」
リーティンは葉を振って空気の刃を放ち、一発目で波動弾を相殺する。
さらに、二発目の刃がエルレイド目掛けて襲い掛かる。
「エルレイド、ストーンエッジ」
対して、エルレイドは尖った岩を出現させ、空気の刃を破壊する。
「サイコカッター」
さらにエルレイドは念動力を右の刃に溜め込み、一気にリーティンに接近する。
今度はかわす余裕も無かった。エルレイドの刃がリーティンを捕らえる。
「くっ、だったらリーティン、成長だ!」
リーティンは体勢を整えると、体の細胞を急速に成長させ、決定力を上げる。
「なるほど、積み技ね。エルレイド、ストーンエッジ!」
エルレイドは尖った岩を出現させ、それらを一気に放つ。
「グラスミキサーだ!」
リーティンは葉を振り回して木の葉の渦を発生させ、その渦を叩きつける。
ストーンエッジを粉砕し、さらにエルレイドにも渦が襲い掛かる。
距離が近く、エルレイドは避けられなかった。渦の直撃を喰らう。
ストーンエッジの粉砕で多少威力は落ちているが、それでもかなりの威力だ。
「辻斬りよ」
それでもエルレイドは刃を構えると、リーティンとの距離を一気に詰め、すれ違いざまにリーティンを切り裂いた。
リーティンが片膝をつく。どうやら右足をやられたらしい。
「リーティン! 大丈夫か?」
リーティンは首を縦に振る。だが右足はついたままだ。
「悪いけど、ここは決めさせてもらうわ。エルレイド、サイコカッター」
エルレイドは刃に念動力を込め、リーティンに切りかかる。
右足のダメージが大きい今のリーティンでは、この一撃は避けられない。
「くそっ、リーティン、エアスラッシュ!」
リーティンは葉を振って、空気の刃を撃ち出す。
しかし、サイコカッターに難なく切り裂かれ、リーティンもサイコカッターの斬撃を喰らった。
(このままじゃ負ける。何か…何かいい手は無いか?)
必死に頭を回転させるレオ。
だが、ヤシロはそれを考えさせる時間を与えない。
「次で決めるわよ。エルレイド、サイコカッター!」
再びエルレイドは腕の刃を構える。
だが、その時だ。レオは思い出した。
(そうだ! あれが発動すれば、逆転できる! よし、一か八か行くぞ!)
「リーティン、グラスミキサー!」
片膝をついたまま、リーティンは葉を思い切り振り回す。
同時、もの凄い勢いの木の葉の渦が飛び出す。
「…ッ! これは…まさか!」
そう。
リーティンの特性、深緑が発動したのだ。
リーティンは、その渦をエルレイドに思い切り叩きつける。
エルレイドは刃で渦を斬ろうと構えるが、この勢いの渦を斬れるはずも無く、逆にエルレイドは渦の直撃を正面から喰らった。
「エルレイド、まだよ! 波動弾!」
声を荒げるヤシロ。エルレイドは体勢が整わないながらも波動を凝縮した弾を放つが、
「弾き返してエアスラッシュ!」
リーティンは葉を振って波動弾を弾き、さらにもう一振りで空気の刃を放つ。
「忘れたの? 波動弾を避けることは不可能なのよ!」
「いえ、忘れていませんよ。でもエルレイドの体力はほとんど無いはず、そして体勢も整っていない。波動弾が戻ってくる前にエアスラッシュがエルレイドを仕留めれば、それで僕の勝ちです!」
波動弾は弧を描き、再びリーティンに迫ってくる。
しかし、空気の刃はそれよりも早く飛び、エルレイドを捕らえた。
同時に、波動弾も消滅する。
エルレイドが、戦闘不能になったという証拠だった。
「…はあ。久々に本気の勝負をして、疲れちゃった。さて、これがアメジスジム制覇の証、メローペバッジよ」
「ありがとうございます!」
レオは、こうして四つ目のバッジを手に入れたが、
「ジムリーダーを二十年やっているけど、たまに君みたいな強い子が来るの。バトルしていて、本当に楽しかったわ」
…二十年? どうみてもヤシロは二十代後半にしか見えない。
「あの、ヤシロさん? 貴方二十代じゃないんですか?」
「ええ、よく言われるわ。メイクで若く見せてるけど、実は私四十代よ」
「……」
最後に思い切り度肝を抜かれた。
ジム戦、決着しました。今回は本編長いので、あとがきは短く行きます。さて、次回は決まってません(おい)。それでは、次回はいつになるか分かりませんがお楽しみに!