二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

笑顔の裏にあるものは【亜美+彩音】 ( No.14 )
日時: 2011/07/10 11:16
名前: ゆう ◆Oq2hcdcEh6 (ID: kVdvMbwW)
参照: 本編に似てる、かも


「彩音ちゃーん、」

 亜美ちゃんは何時もにこにこと可愛らしい笑みを浮かべている。だからあたしも笑顔を返すのだ。
 でも、亜美ちゃんの笑顔は何処かすっきりしない。何か大事なことを隠しているんじゃないかというもやもやとした不安が襲ってくる。その度に息がつっかえたように苦しくなるのだ。
 喉に張り付いたままの「何を隠してるの」という言葉は何時も出てこない。口に出した瞬間に、何かが壊れる気がした。

「今日は気持ちいーねー、」
「そ、うだね。よく晴れてるし」

 屋上から見上げた空は何時も青い。綺麗過ぎて逆に、あたしは嫌いになる。空はまるで亜美ちゃんみたいだった。きっとあたしが疑っていること位知っているんだと、そう思ったから。
 亜美ちゃんはにこにこと相変わらず笑顔のまま、可愛い布に包まれたお弁当を取り出して笑うのだ。

「彩音ちゃん、べんとーは」
「あ、うん、食べよう。交換しない?」
「良いよー! タコさんウィンナーちょーだいっ!!」

 へにゃりと年相応の笑みを浮かべる亜美ちゃんに苦笑してから、様々な具の中からお目当てのタコの形をした赤いウィンナーを箸でつまみ、亜美ちゃんの口元へと持っていく。
 ぱくり、と亜美ちゃんがウィンナーを口の中に居れ咀嚼し始めたのを見ていた。

「彩音ちゃんも、ほら!」

 目の前に出されたのは綺麗な卵焼きだった。
 きらきら光っていて、とても美味しそう。あたしは差し出された卵焼きにぱく付いた。

「ね、亜美ちゃん」

 どうしたの、と不思議そうに首を傾げている亜美ちゃんに対してあたしは気まずく問いかけてみた。


( 何を、隠しているの )





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大丈夫、GLにはならないね!(ぁ