二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

四頁 in the past Ⅱ ( No.11 )
日時: 2011/08/21 18:41
名前: 蓮華 (ID: EbRIJM5s)
参照: 男装女子&紳士LOVE!!!

「第二開放“献華”飢えの回廊 餓鬼」

何の変哲も無い弾が、黒い銃から撃ち出される。
どこぞの師匠の様に自信に満ち溢れた俺はニヤリと笑って

「罪と飢えに苦しみながら____救われてくれ」

レベル1に弾は中り、レベル1は水分を奪われていくように干からびていく。
すぐ近くではアレンが頑張っている。
ふと、カボチャ頭がゲラゲラゲラと笑い出す。
何が可笑しいのやらと思っていると、頭にキイイイィィィと音が響く。
不快感が、頭を割りそうなほどに脳を駆け巡り、思わず足がガクンとなった。

「チッ...、クソ師匠思い出すからヤメロ!!」

耳を押さえても不快感はキィィィと、続く。
ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ!!!!!
俺は力の入らない手で何とか銃を握って、狙いを定める。
集中、集中しろ!!
撃ち出した弾は、空気を裂く様にフォ、と音を立て横から来た焔により焼き尽くされ、消えた。
眼を見開く。綺麗な水色の中、姿を消していく弾。

「アクマの能力かっ...!!」

飛んできたほうをジロリと睨む。
しかし、其処にあったのはアクマの姿じゃなく
弾を消した焔と同じものが飛んできている光景だった。

「う、えぇ!!?」

とっさに俺は銃を構え、恐ろしいほどの早口で唱える。

「第二開放“献華”消滅の回廊 終焉」

ギリギリで中ったソレはボシュッと消え失せ、油断した俺に、焔が当たった。
熱い...否、痛い。
団服を通り越して来た痛みに顔が歪む。
トドメをさそうと、アクマ達が俺の前に集まる。
銃を向ける俺の寸前で、アクマ達が止まった。
綺麗に、ピタリと。

そして、去っていった。
.........何なんだ.......?


「アクマが退いた?」
「ちょっと様子が変でした。僕のこと殺す気満々だったのに。一応この辺り見回りましたけど」

リナリーの手当てを受けているアレンの膝にティムキャンピーが乗って、
愉快そうに尻尾の先で傷口をつつく。
治ってもいない傷口をつつかれる痛みは経験していないので分からないが、
アレンは相当痛いらしく、ティムの羽の根元を掴んで持ち上げた。

「そういえば」

と、リナリーが消毒の手を止める。
そして、不思議そうに見るアレンを見て、口を開いた。

「安央衣は?」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「こんにちはぁ」
「......誰?」

街全体を見ておこうと、フラリと散歩していたら。
可愛い少女に出会いました。
ニッコリ、じゃないな、満面の笑みじゃないし。

「ロード・キャメロット。初めまして安央衣」
「初めまして、が何で名前知ってんのかな」
「千年公が言ってたよぉ、“ジェミニ”が蘇ったって」
「俺、双子座じゃないんだけど」

この容姿には似合わない乙女座なんだけど。
そしたらロードはキャハハハと笑って、「違うよ」と否定した。
まぁ、そうだったら双子座の人全員当てはまるし。

「“ジェミニ”は“ジェミニ”。僕らの家族」
「は?俺は君の家族になった憶えないけど」
「そうだろうね、だから観せてあげる」

二度目の「は?」を言う前に、俺は知らない景色に飛ばされた。