二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 参照700突破記念頁Ⅱ ( No.147 )
- 日時: 2012/01/16 19:53
- 名前: 蓮華 (ID: RjGXEztJ)
- 参照: 双子萌え!!!
森の中響く、泣き声。
小鳥達は何事かと声のする方へ集まります。
すると其処では、ガラスの棺の中、花に囲まれ眠る少女を囲んで俯く小人達。
「僕等が、離れなければ・・・。」
「もう、生き返らないかなぁ・・・?」
「お前等、グズグズ泣くんじゃねぇよウザッてぇ。」
「・・・神田の、馬鹿。」
「あぁ!?」
「うるさい。」
猫耳を生やした小人が明らかにウザそうに二人を見ます。
尻尾をペタリと地に着けズルズルと引きずるその姿はどの小人にも出来ません。
その小人は片手にたった一輪持っていた花を姫様の棺の中に入れました。
「人の葬式じゃない、静かに出来ないの?」
「・・・。」
「・・・。」
「待ってクオリ!!二人に悪気は無いんですよ?」
「・・・ポール・・・。」
クオリはポールを一瞥すると、再び木に登っていきました。
それを見送った小人達はガラスの棺にガラスの蓋をしました。
そして皆で肩に担ぎ、自分たちの知るとても美しい花畑へと運びます。
その途中一人が石に躓き、ガラスの棺が大きく揺れました。
揺れた衝撃で白雪姫の口から毒林檎の欠片がコロリと出てきたのです。
そして目覚めた白雪姫は僅かな揺れを感じつつ起き上がろうとしたものの、蓋に頭をぶつけました。
頭をぶつけた音に小人が気付きます。
「、?・・・あ。」
「姫様が!!」
「起きたんですね!!!」
「・・・良かったさ。」
「な、何で!?」
「ふゥ、良かったです。」
安堵する小人たちを他所に、姫は一人怒りに震えていました。
毒林檎を渡したあの引越ししてきたとか言ってた者は、自分の義兄だと気付きました。
毒で殺されかけたとか、城から追い出されたとか色々恨みはありましたが、それよりなにより・・・
「あの野朗、私の大事な林檎に毒なんて穢らわしいものを・・・!!」
ガラスの棺から出た姫様は花畑も森も突っ切って、城へと辿りつきました。
「コ〜ム〜イィ〜!!」
「あ、わわ・・・。」
「よくも、私の林檎に・・・!!!」
慌てふためくコムイを姫様は右手をグッ、と握り殴り飛ばしました。
「ほんとに、良かったの?暮らしても良いのに・・・。」
「僕等はあの小屋で過ごすのが一番ですよ。」
「そうそう、仕事もしやすいし♪」
「大丈夫さぁ〜、な、ユウ?」
「ファーストネームで呼ぶな。」
「そうよバニーボーイ!!」
「まぁまぁ。」
「いい加減にしなさいウサギ、狩るわよ。」
ガヤガヤと姫の前で言い争う小人達。
手を振って帰る小人たちを、白雪姫が笑って見送っていました。