二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

十四頁 それぞれに ( No.56 )
日時: 2011/10/23 18:15
名前: 蓮華 (ID: 8cMqndJ6)
参照: センパイに「厨二病」と言われたけどセンパイも「厨二病」...アレ?

「おひさしぶりですネv」
「千年公ぉ〜。」

大きく開いた外れてる所じゃない口と、ふくよかな腹。
とても敵とは思えない容姿。彼の名は「千年伯爵」。
世界終焉の為AKUMAを生み出し、そして自らも驚異的な戦闘能力を持つ。
しかし、そんな伯爵に、最近悩みが出来た。

———“ダークホース”

自らが生み出したアクマから出来た中立的存在。
命令に従わぬ、己等とほぼ同等の力を持ち、知能も高い。
エクソシストの下にいないのが唯一の救いかもしれないが、それでも根本的な悩みは変わらない。

「千年公ぉ〜?」

腹に抱きつき、伯爵を見上げる少女——ロード・キャメロット。
“巻き戻しの町”にて安央衣を“ジェミニ”と呼んだノア。
彼女は、まだ“ジェミニ”の事を伯爵に伝えてはいない。
“ジェミニ”にはアレンとはまた違う、「何か」違う力が、雰囲気がある。
ロードは、彼女に興味を持った。

それは、併せ持つ“力”の所為なのか、それとも、“彼”の所為なのか。

「・・・・・・・・・・・・」

とりあえず今は黙っておこぉっと♪

そう、静かに微笑んだ。

己が放っておいてもいずれは分かってしまう事実。
それを少し、遅らせるだけだ。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「あ〜、つまんない。」

椅子を斜めに傾け、器用にもその状態を保つ少女。
猫耳がピコピコと動き、背もたれのデザインで開いている所から出た長い尻尾がユラユラ揺れている。
不意に、くあ、と伸びをし、ふと向けた目を止める。

月明かり、照らされた小さな生物、蟻。

たった一匹では何も出来ない、集団行動生物。
彼女はそんな奴等が嫌いで、おもむろに立ち上がり蟻に近付くと足をあげ、

プチ

と踏み潰した。
だが、たかが蟻一匹で彼女の退屈は癒される筈も無く。
再び尻尾をユラリと揺らし、彼女は廃墟を後にした。

「さぁ〜って、エクソシストで遊びに行こう♪」

潰された蟻は、誰、何にも気付かれる事なく砂と化した。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「えっくし!!」
「何やってんだよモヤシ。」
「何やってんだよモヤシ。」

「ハイハイ、船上で喧嘩は駄目。」
「そーだぞユウ、アリス。」

モ・・・ゲフン、アレンはユウを攻撃しようとしてて、アリスはユウを援護しようとしてて、ユウは二人を斬ろうとしてた。
二人じゃ済まないからやめろ。船大破する。
林檎を齧りながら「いいぞもっとやれ」と棒読みで挑発する澪。止めようよ、ねぇ澪さん止めようよ。

「止めろ、じゃねーとテメェ等頭ぶち抜くぞ。」
「止めます、止めますからその笑顔と銃を直してください。」
「そうだよ二人とも、ユウはともかく何で私達喧嘩始めたんだっけ?」
「「「・・・・・・・・・・・・・・」」」
「ちょ、リナリィィィィィ!!!」

収まりそうな喧嘩はアリスのたった一言で返ってきて、船内を取り返しのつかないことにしそうだったので“最強女神”を呼ぶことにした。
そしたらリナリーはものの三十秒で来て三人をペシ、と叩き場を治めた。
うん、素晴らしい流石我等がリナリー様。
ちょっと船に乗ってる人が分からないのでココで説明。


アレン・ウォーカー
神田ユウ
ラビ
リナリー・リー
小鳥遊 安央衣
黒夜 澪
アリス・クイーン

「で、ポール・レノア。」
「「「「「!!!!!!???」」」」」
「あ〜、どうも。室長命令でこの任務に参加させて頂きますポール・レノアです。」

あれ、何だろこの人礼儀正しい。あ、某洗剤じゃないですよ。とか言ってるけど知るか。
あぁほら澪もアリスも畏まってるし!!
天然オーラを振り撒く突然現れた少年はエクソシストらしい。

何かアレンと似てるなぁとホワホワと見ていた俺の目の前で彼は衝撃行動。

「えぇっ!?ちょ、何して・・・!?」
「?・・・あぁ煙草の臭い駄目でしたか。じゃあ外で・・・」
「あ、はぁ・・・じゃなくて!!」

駄目だこの人何か巻き込まれる!!
容姿的に未成年な少年。煙草は駄目だよ肺壊れるよ。(あれ、肺だっけ?)
「何言ってるんだこの人」みたいな目で見られたけどもとにかく煙草を取り上げる。

「あ!!」
「煙草吸うなぁぁぁぁぁ!!!」
「何で。」
「おまっ、未成年だろ!!?」
「そうですよ?」
「当たり前みたいな言い方するなよ。」
「母親ですかアナタ。」
「そ、そうじゃないけども・・・。」

言葉をほんの少し詰まらせた俺の手からポールは煙草を奪った。
そして口に銜え親指を立て火を点け、部屋から出て行った。
うん、注意すんのやめよう。何か無駄っぽい。

「・・・っ!!?」

な、んだ、今の。心臓が大きく、跳ねた感じ・・・
扉の真正面で立ち尽くす俺の前に、欠伸しながらラビが入ってきた。そして何故か目を見開く。
ポカンとする俺の顔を指差し、ラビは言った。

「お前、どうしたんさその顔!?」
「は?」
「は?って、気付いてねェの!?」

ほら!とラビは俺を窓の前に連れて行き顔を窓に映した。そこでやっと俺は、ラビの言っている事が分かった。

アレンと同じ様な、右目周辺を覆う三日月

動いているような、瞳の中の漆黒の歯車。

何かを暗示するようなその異状は、任務地に着くまでそのままだった。


——————“原罪”みっけ♪