二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

破頁 ハロウィン ( No.61 )
日時: 2011/10/31 20:58
名前: 蓮華 (ID: 0cMbVTdm)
参照: ハッピィハロウィィィィィィィンン!!!!


「トリックオアトリート!!ユウ君くれなきゃ悪戯しちゃうぞ?」
「今すぐ去れアホが。」
「やだ、ツンデレ最高・・・!!」

なんて痴話喧嘩を他人事で聞いていると飛び回る紅いゴーレムがジジジと鳴った。
「何だ?」と答えようとする俺の肩に回る腕と煙草と酒の混ざりそうで混ざらない複雑な臭いが囲む。
周りのどよめく声に若干顔を青褪めさせながらギギギ、と振り返る。
応えない俺に、ゴーレムの向こうから声がかかる。

『クロス元帥がそっちに来てない?』
「遅ェよバカ。」
「よ〜安央衣。元気だったか?」
「テメーが来なかったらな。」
「冷てェな、俺達の仲だろ?」
「黙って帰ってロマネコンティマリアと飲んでろ。」

顔を近付けるクロスを押し退けながら、どう逃げようか策略を立てる。
コイツは一旦去れば先十年は会わないから大丈夫だ、耐えろ!!
ふと目を向けた先に目立つ白。俺と同じコイツの弟子の、アレン。
見つけた瞬間テーブルに片手をつき、逆立ちの状態へ移りクロスの腕から抜け、テーブルの向こう側へ着地。
そのまま走り抜け先程見掛けたアレンの左腕をガッシリ掴み走った。

「え、あ、安央衣!!?」
「クロスが来てる!!逃げるぞアレン!」
「いや、安央衣、コムイさんが呼んで「いいから!!」はぁ」

見えた曲がり角。曲がろうとしたその時。曲がってきたのは見覚えある巨大ロボでした。
Kとでかでかと書かれた胴体。中世の騎士が持っていそうな槍。
そして前作と大差ないデザイン。トレードマークだった帽子もチョコンと乗っている。

「コムリンッ・・・!!?」
「コムイテメェェェェェェ!!!!!」
「ハハハハハ!!トリック&トリートォォォォ!!!!」
「ボカロの名曲だろーがソレェェェ!!」

ボディはダイヤモンドの様に固く!!
威力はエクソシストを上回る!!
速さでも負けないよ!!

「チッ、アレン!!」
「は、はい!?」
「俺が食い止める!援護呼んできてくれ!」
「要らねェよ。」
「!?」
「裁きの時間だ“断罪者”。」

俺の腰に手を添えて、イノセンスを構えるクロス。
何コイツ、俺が性別詐称してる事知ってる筈だろ。
コムリンが俺に手を向け、一瞬の、闇に飲まれた。クロスが俺を呼んだ気がするけどまぁいい。


「起きろ。」
「ん・・・?」
「イイ女になったな安央衣。」
「男だっての。」
「そんな格好して何が男だ。」

は?と、自分の格好を見下ろして目を見開いた。
ヒラヒラのフリル付きオレンジワンピース。着た上着は黒で被っているのは魔女の帽子。
持たされているのは箒で、正に、魔女。

「ぎゃああああああああっ!!?」
「あ、安央衣!!」
「澪!?」
「女装?似合ってるね、ソッチの趣味あるとは思わなかった。」
「こっ、これはコムリンが・・・!」

見上げた澪は、和服を着ていた。結い上げた髪につく飾りがシャラ、と音を立てる。

「何の仮装?」
「ん〜?ろくろ首。」

綺麗じゃないか畜生。いつの間にかクロスは居なくなっており、後日聞いた話によるとコムイを脅していたそう。

「今日は、ハロウィンかぁ。」
「って訳で安央衣!!」
「ん?」
「DEATH or APPLE?」
「喜んで後者を選ばせて頂きます・・・。」

林檎を渡して澪と別れ、廊下を歩くとラビに出会った。
ピコピコ、と動いているように見えるソレは・・・

「化け猫?」
「狼男さ〜!!」
「わぁお前そのまんま。」
「酷い!!」

ラビを下僕、ゲフンお供に連れて再び歩くと、今度はポールに出会った。
包帯を片目に巻き、両腕にも巻いていたので、包帯男だろう。
そう言えばリナリーに逢ってないなとポールに煙草を渡して去った。
暫く歩くと念願のリナリー・・・ではなくユウとアリスがいた。

「だから、ユウ君くれないと悪戯だぞ?」
「どっちにしろお前は去年と同じ事すんだろうが。」

アリスはユウしか望んでない様だし、ユウは興味ないだろうしスルーした。
ラビに「止めて来い」と命令してからね。
そして歩くとリナリーに逢った。団服だ、少し残念。

「リナリー。」
「安央衣!!」
「トリックオアトリート?」
「ごめんねさっき終わったの。」
「え〜、じゃ今度お茶しようよ。」
「えぇ。」

ナンパの様な台詞を言い終えて俺は再び歩きだした。
すると中央に居た、先程逢った少年。


「アレン!!」
「安央衣?その格好・・・」
「コムリンにやられた。」
「・・・トリックオアトリート?」
「トリートで!!」

アレンの腹黒い部分を知ってるからとりあえずトリート選択。

こうして俺のハロウィンは後日コムイを殴った事により終わった。