二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

十七頁 「原罪」は ( No.67 )
日時: 2011/11/06 20:46
名前: 蓮華 (ID: yZ7ICI8F)
参照: 時間制限で九時までしか出来ないって残念だよね。

それは、少年と少女が別れし後の、少女が「原罪」を背負った話。

「れん、いっちゃった・・・。」

これからどうしよう、と少女は少年と作り出した秘密の場所で呟いた。
カサリ、と枯れ草を踏むような音がして少女は其方へ警戒を向ける。
其処には、少年が居た。

見透かすような透き通った水色の瞳

ゆったり微笑む警戒心を解かせる口元

夜空より深い藍色の髪

そして全身を覆い隠す古びたマント

少年はニコリと人懐っこい笑みを浮かべ、少女も心許した。
少年は徐々に彼女との思い出に混ざり、取り込み、入って。
そして出会った記憶を奪い尽くした。

少女は再び独りになり、己の中の「メモリー」と「原罪」に気付かずに唯、泣く日々を過ごしたのだ。



「「僕」は、君等から必ずこの子を護り通す。“神の使徒”に、渡さない。」

不安を与えてしまった、代償。罪無き純粋な子に、罪が混ざってしまった、悲劇。
“護る”ことで例え「僕」の自己満足だとしても。
これ以上、彼女に罪が混ざる事はないだろう。

「僕は、悲しき悪性兵器アクマを、罪として変えた。この子を“護る”為。この子が器でも、まだ、幼かったんだ・・・!!」
「「原罪」・・・。」
「クオリ、命令。彼等を殺せ。」
「・・・了解。」

その命令を待っていたかの様にクオリはニヤリと笑い、エクソシスト達の方を振り向く。

「ほら、戦えよエクソシスト。」
「ぐっ・・・!!」

リナリーが神田に攻撃し神田が六幻でソレを受け止めた。
神田は操られていないようで攻撃を受け止め続けている。
イノセンス同士はお互いを破壊し合うので長くは持たない筈。
僕は足元の歯車を動かしフワリと飛んだ。

途端、足首に巻きつく白い帯。
ギリッ、と締め付けるソレの先にいたのは、道化師だった。仮面を付け白いマントをバサバサとはためかせる、アレンと言う少年だった。

「「原罪」・・・っ、安央衣を、僕等の仲間を返して下さい!!」
「ふっ、君等の元に返してもこの子は唯非難されるのみ。これ以上傷つけてはならないんです。」
「傷つけさせはしない、独りにもさせません!僕等は大切な仲間「黙れ、アレン・ウォーカー。」!!?」

「人は、所詮口先だけの生物。神から生まれたというのに、神を気取る愚かな生物共よ。」
「・・・誰だ?」

クスクス、クスクスと笑う正に少女らしい動作を見せる「原罪」とはまた違う、否それ以上の力を感じる存在。
口元に当てた手を下ろしクラウン・クラウンに人差し指で触れた。
ただ、それだけなのに。

ピシ

僅かな亀裂の音と共にクラウン・ベルトは千切れてしまったのだ。