二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

二十頁 目覚めた先は ( No.79 )
日時: 2011/11/22 20:26
名前: 蓮華 (ID: vl1Udskn)
参照: やっと二十話って・・・。


「・・・あれ、何で俺ココに・・・?てかココ何処だ。」

見回せば何処か廃屋らしい。古びた木の椅子や、壁やらが欠けている。
記憶は、「ナニか」に意識をとられたあの瞬間までの記憶しか無い。
月光差し込む窓から外を見たら、木がお互いの隙間を埋め合う様に生い茂っているだけだった。

「外は森・・・何で?」

今の状況を理解すればするほど理解出来なくなっていく。
俺はクオリって子と戦って、アレンが前に来て、今度はアレンがクオリと戦って・・・

「・・・っ。」

クオリに“彼”と呼ばれ心臓が締め付けられる様な感覚に陥ったあの時から———無い。
つい、石をくり抜いただけの様な窓の縁を片手でつくった拳で叩く。

何故、“彼”に反応した。
何故、隙を見せた。
何故、「ナニか」に意識を取られた。

何故、何故何故何故何故なぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜ・・・・・・!!

自問自答は問い掛ける自分を追い詰め、答えの見出せない自分も追い詰めた。

「・・・タスケテ、よ・・・。」

————————“廉”ッ・・・!!!

ポタリ、
教団に来て流せなかった涙はたった一粒に詰まっていたかのように落ちて、消えた。
いつだって、この名前。
困ったときは呼んでね☆地球の裏からでも助けに来ちゃうよ!なんて台詞を言っていた。
ソレを、その言葉を何度宛にした事か。

“彼”の真っ白な部屋。
夜、何度“廉”と幼児の様に呼んだ事か。
結局口だけだった、受け入れるなんて出来なかった。自分を見つけてくれた唯一の人の死を。

バカだな、ワタシ。

「・・・・・・あぁ・・・。」

また、謝るのね。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「何故ですか!?」
「・・・彼は現在ノアである可能性が高い、そうでなくともいつ再び覚醒するかなんて判らないのだから教団には置いておけない。」

パタパタ、と頭上を飛ぶヴァルケノウはやはり部屋に居た時と同じ方向を向いている。
《ゲート》は無断使用は出来ないし、別に独断で開いても良いのだが繋げられる場所が限られている。
ならば、歩き回るしかないだろう。
だから僕は「安央衣を探しに行くので長期任務を下さい。」と頼みに来た。
コムイさんの返事は「NO」で、先程の会話に至る。

「キミも見たんだろう。敵の可能性がある「原罪」と「ノア」がいたのを。」
「っ、そ、それはそうですけど・・・。」
「なら尚更許可できない、独断行動するつもりなら団服は脱ぐんだ。」
「・・・いーんですかコムイさん。」
「・・・?」
「方舟ゲート全部閉じちゃいますよ?」
「・・・、アレン君キミはっ・・・!!」
「全部、移動させます。誰にも見つからない所へ。」

長官とか構うもんか、もう戻って来ない覚悟すらある。
安央衣は、例え敵が眠っていても「仲間」なんだ。
ニコリと笑う僕を見て、コムイさんははぁぁぁ・・・と溜息をついた。

「・・・分かった、小鳥遊 安央衣捜索任務を許可しよう。」
「ありがとうございます!!」
「ただし、リナリーも連れて行く事。」
「・・・え、何でですか?」
「見つけた時逃げられたら困るだろう?」

そう言っていつものおちゃらけた笑みを見せたコムイさんに僕も微笑み返した。