二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 参照500突破記念特別頁。Ⅲ ( No.96 )
- 日時: 2011/12/07 18:38
- 名前: 蓮華 (ID: fh.wbL8r)
- 参照: アリスパロだよ、もしかしたら二、三話続くかも!!
「む〜、つまんない。」
チェスの駒をつまんで揺らす少女。
可愛らしいドレスに身を包み背丈に合わぬ赤の背もたれを金で縁取った椅子に座っている。
周りを囲む従者達はただただ其処だけが自分の居場所だと言い張るように胸を張って立っている。
時々その目が赤くキラリと光るのだが、視線の先の少女は気にする事無く・・・否、解っているのだろう、「自分は襲われない」と。
襲った瞬間、今テーブルから床へと落ちたグラスの様にあっけなく、自分が手を下す事無く、その者が報いを受けるのだと。
「“アリス”が来ちゃうなんてねェ。」
この世界はただ自分を中心に回っていればいいのに、と少女———ロードは割れたグラスの欠片をメイドが集める様子を見て思っていた。
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「あれ?アイツ等どっかで・・・あぁジャスデビ!!」
「ヒヒッ、ジャスデロだよ!!」
「デビットだよバカウサギ!!」
「へェ・・・えと、よろしくデビット。」
「ジャスデロだよ!!」
あれ、ジャスデロ?あぁあっちがデビットか。
「麺5「ちょ、謝る気ねーだろおま」とかを聞き流して、ユウのとこに行った。
腕に巻きついたらウザッたそうに振り払われたので、照れてるんだとポジティブ自己解釈しておいた。
「もうユウったら照れちゃって〜♪」
「三途の川経由であの世逝きさせてやろうか?」
「こ、コレが噂の“ツンデレ”・・・!?」
「よし其処から一歩も動くんじゃねーぞ。」
「痴話喧嘩は其処までさぁ。」
「してねーy「やっぱそう見える?やぁ、ラビが初めてまとも発言!!」
って、ん?何かデビットとラビがやってる。
四角い盤に黒と白の模様が入ってて、その上を黒と白の様々な形した駒がラビ達の手によって移動させられてるよ。
ちょっと気になってラビの座る椅子の背もたれに手を掛けてラビに問う。
「ねェ、それ何?「痛いから、肘がめり込んでるから。」・・・あ、ゴメン。」
知らず知らずの内にラビの頭に肘がめり込んでいた・・・ププッ。
顔に出ていたらしい、ラビが「お前絶対ェわざとだろ!!」とか言ってる。失礼な、わざとに決まってるじゃない。←
先程まで肘がめり込んでいた箇所を擦りつつ、ラビは視線を机上の黒白盤に戻した。
「これはチェスって言ってn「ありがとうルールとかどうでも良いから。」・・・あんまりさ・・・!!」
だってどうでも良いんだもの。
この素晴らしい脳にそんな無駄な知識詰め込んで何になると言うの!!
「素晴らしいじゃなくて、無駄にすっからk「おぉっと手が滑ったぁ!!!!」あ——————————っ!!!!」
駒をガンガラガッシャンにしてやった。
フハハハハハハハハ、見ろ、駒がムシケラの様だ!!(byム●カ)
勝機を招いていた勝負を滅茶苦茶にされたからかラビは涙目になっていた。
ゴメンとか言わないわよ、全てはラビが悪いんだから。
「おま、バカ、コレ・・・・・・!!」
「何よ、何か文句ある?」
「お前を賭けた勝負だったのにぃぃぃぃぃっ!!」
「・・・・・やめて私の為に争わないでっ・・・!!」
「イヤもう遅ェから。今更勝負中に戻そうとしても無理だから。」
そりゃ、駒の配置憶えてなくてラビの方に片寄っちゃったのは一目見りゃ分かるけどさ。でも直さないけどさ。
良いじゃないか、試合続行したって。
勝手に私を賭けていたコイツ等が完璧に悪いんだし、事情知らなくて無垢な行為に走った私は無罪だし。
「さぁ、続けるがいい!!」
「いや、あのな、負けちゃったんだよオレ。アリスが駒滅茶苦茶にした所為で。」
「私の所為にするの・・・っ!?それはとんでもない濡れ衣よっ・・・!!」
「イヤ完璧お前の所為だから、オレ勝てそうだったから。」
「じゃあデビット殺せばこの勝負無効じゃない?さぁ行くのよラビ、ラビットジャンピングキック食らわせてあげなさい!!」
「いや普通に飛び蹴りって言えよ。つか殺せねェよ。」
「・・・仕方ないわ、此処はヘタレ駄目臆病男ラビに代わって私が・・・!!!」
スラリ、と鞘から刃を出そうとすると、双子が銃を向けた。
近距離の刀と、遠距離の銃では此方が不利・・・
「・・・・・・・・・・・・ラビ、私を助けて!!」
「オイコラ。」
「キャーキャーステキーカッコイイー。」
「なにその大根役者にも劣る棒読み。」
「失礼ね!!せめて大根役者と言え!!」
「いやどっちにしろ失礼さ。」
「あ、ユウ勘違いしないでね!!私はいつでもユウ愛してるから!!!ただ今生きる為ラビに犠s・・・盾になっ・・・護ってもらうだけだから!!」
「どーでもいい。」
「色々だだ漏れさ。・・・ま、その刀じゃアイツ等にはノーダメージだし、倒してやんよ。」
「え、初音ミ●?」
そう言ってラビは何処からともなくハンマーを取り出し、構えた。
え、コイツこんなちっせぇハンマーで何をしようと言うの?
アイツ等叩くつもりならその前にバーンってなってなんじゃこりゃー!!だよ?
いや、それはそれでありがたいけども。
後ろで疑問符を浮かべる私にラビはニコリと微笑んだ。
その笑顔に私の心臓がトクリと音を立てる・・・ハズも無く、鳥肌が立ちまくりだ。
—————そして彼は「満」と呟いた。