二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

参照500突破記念特別頁。Ⅳ ( No.99 )
日時: 2011/12/08 20:01
名前: 蓮華 (ID: G2ENsTvw)
参照: アリスパロだよ、もしかしたら二、三話続くかも!!


「んなもん向けるなよ、ジャスデビィっ!!!」

満、が呪文のように呟かれる度、一回り二回り大きくなっていく槌を力の限り彼は振り回した。

ゴウ、と爆風が髪を吹き上げる音がして


目の前を黒が通って


その黒い物体が木々に生えた葉を落として落ちてきて


遠心力を利用したかの様に


橙を中心に彼等を吹き飛ばした、のだ


呆ける私と、冷静に見ていたユウに向けてラビは振り向いて笑った。


「ど、オレカッコよかったさ?」
「そうね、その台詞さえなければ私の中に『ウザイ奴』として崖に片手一本で吊り下げられている様な状態で残っていたでしょうね。」

両手で両耳を畳むラビを無視して、私は気絶した双子に近付いた。
金髪の方はピョコンと先に球体が付いたアンテナの様なモノが生えている。
一方青い髪の方は至って普通の子。目の周りの奇抜なメイクさえ除けば、だが。
私は奴等の胸倉を掴んで揺り起こした。

「・・・ヒッ!!!」
「おはよう、双子共。」
「な、何だよ!!」
「さて、姫様の所へ連れて行こうか。」

清い森の空気が黒々となっていくのを肌で感じてしまった双子は私の言う事をすんなりと聞き入れた。
よっしゃさぁ行くとしよう、ロードの所に!!


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「っはぁっ・・・!!」
「大丈夫か、アレン!?」
「いえ、これくらい。」
「・・・・・・そう、か。」

全く大丈夫そうに見えない。
手は血だらけ、ナイフで傷つけられていたり、殴られたり。
これ以上言っても彼は己の言葉を被せ、打ち消してしまう。
アオイ・ウォーカー—————アオイ・アヴァドニアは、宮殿でお世話になっていた。
小さい頃この庭に迷い込んで一人雨に打たれ泣いていた所をアレン—————宮殿の主の息子に発見されたのが始まりであった。
親も兄弟も親戚もいない状況の私にとって、アレンの生まれつきだと言う歪な腕が暖かかった。
何故そんな腕があるのか、事情は直ぐに理解できる日が来た。
街を襲う球体の兵器。逃げ惑う住民。そして、飛び込んでいくアレンと背丈と同じ大きさになったあの腕。


「無理、すんな。」
「大丈夫です、必ず、二人で抜け出しましょう。」
「俺にも、力、あったら良かったな・・・。」
「アオイまで、この哀しい世界を背負う事ありません。」


—————そんな時、だったな。
ロードと言う無邪気な少女が愉快に笑いながら大量の球体兵器を連れてきたのは。

成す術も、何も無く。
ロードに飲まれようとした俺の手を、アレンが掴んで・・・っ


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「本当に此処なんだな・・・?」
「ハイっ!!!」

手に持つ刀でジャスデビの首に突きつける。
後ろでラビが「アリス怖ェさ〜。」とか言ってるから片手に持った双子から奪った銃で撃ってみた。

『・・・してみた』ってのは危ないね!!思ったより手に衝撃が来たもんね!!!

「っせェぞラビ。何なら切れ味試しますか?」
「何故急に敬語!?マジ怖ェよお前!!?」
「ユウ、コイツ等見張っといて、双子はユウの好みのタイプを聞き出しておこうか。」

ユウに見張りを任せ、刀片手にラビを追いかける私を木々の間から動物達だけが見ていた。