二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 2章 捕獲 ( No.11 )
日時: 2013/01/22 03:39
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: 0aJKRWW2)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

 ホワイトフォレスト。
 ブラックシティの隣にありながら、ブラックシティとは全く違う趣を持つ場所。
 ここは自然豊かで様々なポケモンが伸び伸びと暮らしており、まさに平和といった感じの森である。
「ここがホワイトフォレストか」
「そうみたいだよ。本当はここでポケモンを捕まえて、元気になってもらおうとしたんだよ」
 ベルは言う。
「一旦別行動をとろうか。各自好きなポケモンを捕まえて、時間になったらここに集まる。それじゃあ、解散!」
 チェレンの一声で、四人は別々の方向へと散っていく。



「やっぱり、見たことのないポケモンばっかりだな」
 イリスは草むらを歩きながら一人呟く。
 イッシュの西側はイッシュにしか生息しないポケモンが大半を占めているが、東側は他の地方のポケモンもいる。というか、ほとんどが他の地方のポケモンだ。
「なにか良さそうなポケモンは……。……お」
 イリスは草むらを掻き分け、一匹の羊のようなポケモンを見つけた。
「綿毛ポケモンのメリープ、電気タイプか。よし、あいつを捕まえよう、出て来いリープン」
 イリスはリープンをボールから出し、メリープに近づく。
「まずはこっちから。リープン、風起こし!」
 リープンは葉っぱを振って風を起こし、メリープを攻撃する。
 メリープは攻撃されてこちらに気付き、驚いたのか決して強力とは言えない電撃を放つ。
「これは電気ショックか……? リープン、連続切り!」
 リープンは葉っぱを振るってメリープを切り裂こうとするが、メリープは自身を綿で包み、リープンの攻撃を防御する。
「コットンガードか。なかなか厄介な技を覚えてるな。リープン、葉っぱカッター!」
 メリープは無数の鋭い葉っぱで切り裂かれたもののまだ倒れてはおらず、リープンに向かって走り出し、体当たりを喰らわせる。
「リープン、連続切り!」
 リープンもそれに対し、連続切りで反撃する。
「もう一度連続切り!」
 リープンはさらにメリープを切り裂き攻撃する。連続切りは切れば切るほど威力が増す技なので、メリープも結構ダメージが蓄積している。
 しかしメリープはまだまだやる気で、無数の星をリープンに向かって飛ばす。
「リープン、かわせ!」
 リープンはその星の群れをジャンプでかわすが、星は追ってくる。リープンは逃げ回るものの、避けきれずに無数の星による攻撃を喰らってしまう。
「スピードスターを覚えているのか。これは、ますます欲しくなってきたな。リープン、風起こし!」
 リープンは風を起こしてメリープを攻撃する。しかし効果はいまひとつなので、大したダメージにはならない。
「成長だ!」
 だがリープンの狙いはメリープの動きを止めることで、その隙にリープンは細胞を活性化させて成長し、攻撃能力を高める。
「葉っぱカッター!」
 そして無数の鋭い葉っぱを飛ばすが、メリープは綿に包まれ、葉っぱカッターを防御する。
「やっぱりコットンガードは厄介だな……。リープン、連続切り!」
 リープンは葉っぱを振るい、メリープを切り裂く。メリープも電気ショックを放ち、リープンを攻撃してくる。
「連続切りだ!」
 リープンは連続で葉っぱを振るうが、メリープはコットンガードでそれを防御。
「コットンガードなんて知ったことか!リープン、連続切りだ!」
 リープンは綿に包まれているメリープを、葉っぱを振るって連続で切り裂く。
 初めは全く効果がないと思われたが、次第に綿は削られていき、ついにリープンはメリープの姿を捉える。
「よし、いいぞリープン!そのまま連続切り!」
 リープンは綿を失ったメリープを連続で切り裂く。コットンガードへの攻撃も連続切りのカウントに含まれるので、相当なダメージだろう。
「そろそろか……行け、モンスターボール!」
 イリスはモンスターボールを取り出し、弱ったメリープに向かって投げる。ボールはメリープに当たると開き、メリープは中へと入っていく。
 カチ
 ボールが振れるたびに、イリスの心も揺れる。
 カチ
 今思えば、イリスはこういった風にポケモンをゲットした事がなかった気がする。
 カチ
 後一回。その一回に、イリスの心臓の心拍数は跳ね上がる。
 カチン
 そして、イリスは二体目の新たなポケモンをゲットした。



 時間になり、イリス達は再び集合する。
「皆、どうだった?」
「まあまあかな。やっぱり、見たことのないポケモンを見るというのは、良いものだね」
「あたしもあたしも!すっごいドキドキするよね!」
「師匠はどうでしたか?」
 チェレンはいつも通り冷静で、ベルはいつも以上にハイテンションで、ミキはいつものようにイリスに訊ねてくる。
「うん、なかなか良いポケモンを捕まえられたよ」
 イリスは笑顔で言う。それを見て、三人はここへ来て正解だったと思うのだった。



 帰り道の15番道路(ブラックシティは危ないので飛んで通過)。イリスはリープンをボールから出して歩いていた。
「随分と気に入ってるね、そのポケモン」
 チェレンが言う。
「うん、なんかね。気が合うって言うか、波長が合致するというか。なんか一緒にいていい気分になるんだよね、リープンとは。ダイケンキや他のみんなとは、また違った感じだよ」
 リープンを撫でつつ、イリスは上機嫌に語る。
 イリスの嬉しそうな言葉に、チェレンは「そうか」とだけ返した。ここでは、冗長な台詞はいらない。
 そんなほのぼのとした帰路を満喫している、その時だった。
 バゴォン!という爆発音が響き、辺り一面に砂煙が舞う。
「何だ!?」
 チェレンは叫ぶ。
 砂煙が晴れると、そこには灰色のコートに青色のプラズマ団の紋章を付けた男が立っていた。
 男は威風堂々とした立ち振る舞いで、声高らかに、その素性を明かす。

「我が名はガイア。プラズマ団の新幹部……7P(セヴンプラズマ)の一人だ。貴様らに、引導を渡しに来てやったぞ」



今回はホワイトフォレストでイリスが新しいポケモン、メリープを捕まえました。個人的にはその進化系の進化系、デンリュウが好きなんです。普通に特攻高いですし、ルックスも中々。そして最後には7Pの一人、ガイアが姿を現しました。最初の7P、前作ではレンジでしたね、戦うのは最後でしたが。さてガイアはどのような人物で、どのようなポケモンを使うのか。それは次回のお楽しみに。