二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 60章 偽者 ( No.121 )
- 日時: 2011/08/12 22:55
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
「久しぶり、キリハ。相変わらず早いね」
キリハの脳に記憶されていない少女は、あたかも当然のようにキリハに話しかけてくる。
「えっと……ここは部外者立ち入り禁止なんだけど……」
少女があまりにもフランクなものだから、キリハは少し言い淀む。
「知ってるけど、それがどうしたの?」
少女は自分がここにいるのが当然だと言うように答える。
そしてこの時、キリハの頭の中に一つの可能性が浮かんだ。
そしてそれを確認すべく、ライブキャスターである人物に通話を掛ける。
ピリリリリ、ピリリリリ
そんな電子音が鳴り響く。音源は、少女がつけているライブキャスター。
「……リオの奴、ライブキャスターを落とすなんて、トレーナーとしての自覚がないのか……?」
キリハは捻じ曲がった事実を自分に言い聞かせる。
「キリハ、もしかして——」
少女が口を開こうとするが、キリハは聞いちゃいない。
「そんなはずがない。リオが女の子に見えるなんて事はない。そう、これはリオのファンか何かで、偽者なんだ……!」
事実を受け入れようとしないキリハ。現実逃避も甚だしい。というか、キリハはリオを女の子と認識していなかったようである。
「……君、僕とバトルをしてくれ」
キリハは少女——もう面倒なのでリオにそう言う。
「いきなりなんなの?」
「君がリオなら、僕如きに負ける事はない。君がリオかどうかを確かめるには、バトルをするのが一番だ」
そんなこんなで、キリハとリオのバトルが始まった。
「方式は一対一のシングルバトルだ。依存は無いね?」
「依存は無いけど、なんだか妙に納得がいかないというか……まあいいや。出て来て、ラグーン!」
リオの繰り出すは、水色の体を持つ直立したドラゴンポケモン、水龍ポケモンのラグーンだ。
しかしこのラグーン、通常固体よりも相当大きい。
「ドラゴンタイプなら、このポケモンかな。駆けろ、ユニサス!」
キリハが繰り出すは、美しき白と紫の体に、金色の角が生えたユニコーンのようなポケモン。角馬ポケモンのユニサスだ。
「ユニサス、メガホーンだ!」
ユニサスは金色の角を突き出し、ラグーンに向かって突進する。
「ラグーン、かわして炎の牙!」
ラグーンは横に跳んでメガホーンをかわし、ユニサスの体に炎を灯した牙を突き立てる。効果抜群なので、かなりのダメージだ。
「くっ、ダイヤブラスト!」
ユニサスは素早く体勢を立て直すと、宝石のように光り輝く白色の光線を発射。しかし
「ラグーン、竜巻で跳ね返して!」
ラグーンはユニサスを囲むような竜巻を発生させる。竜巻にぶち当たったダイヤブラストは跳ね返され、ユニサスに襲い掛かった。
「アクアボルト!」
さらにラグーンは電気を帯びた水流を放ち、ユニサスを攻撃。
「ユニサス、怯むな!スターダスト!」
ユニサスはよく響く鳴き声でいななくと、空より無数の鋼を流星群の如く降り注ぐ。
「ラグーン!」
流石のラグーンもこの攻撃を避けきる事はできなかった。しかし効果はいまひとつなので、まだ戦闘不能にはならない。
「追撃だユニサス、メガホーン!」
ユニサスは角を突き出してラグーンに突進するが
「ラグーン、地面に頭突き!」
ラグーンは跳躍し、頭を下にして落下する。そしてその際に地震に匹敵する揺れを引き起こし、ユニサスの動きを止める。
「今度はユニサスに頭突き!」
ラグーンは素早く立ち上がり、ユニサスに強烈な頭突きを喰らわせる。効果いまひとつでたかが頭突きだとキリハは思っていたが、その頭突きの威力が尋常ではなかった。ユニサスはあえなく吹っ飛ばされ、大ダメージを受ける。
「なんて石頭……いや、鋼頭と言うべきか……?」
キリハはそう呟きつつ、次の指示を出す。
「ユニサス、サイコバレット!」
ユニサスは銃弾のようなサイコエネルギーを無数に作り出し、それをラグーンに向けて一斉に発射する。
「ラグーン、ジャンプでかわして!」
だがしかしラグーンはその巨体からは考えられない行動に出た。ラグーンは尻尾をバネのようにして、天井近くまで飛び上がったのだ。そのため、地上にいるラグーンに向かっていた銃弾は全て地面にヒット、地面が盛大に抉れた。
「そおのまま頭突き!」
そしてラグーンはユニサスに向かって頭を突き出し、落下する。
丁度落下点にいたユニサスは、落下による加速も相まってとんでもない威力となった頭突きの直撃を喰らい、戦闘不能。
結果、キリハはリオにボロ負け。なので、キリハは七変化したリオを認めざるを得なくなったのだ。
そして時間はさらに進み、現在。
「なるほど、そのザキさんの何気ない一言でこうも変貌したんですね」
イリスは納得いった。そんな妹を自慢するためのけなし言葉で納得してしまう脳みその構造は称賛に値するだろう。
「まあ、正直俺もここまで変わるとは思ってなかったがな、というか変わるとすら思ってなかった……」
その後はイリス、ミキ、リオ、キリハ、ザキの五人で、他愛もない話をしていた。
そして後日、PDO三名は撤収し、カゴメタウンから発った。
ううむ、最近どうにも上手く書けないような……もしやこれがスランプという奴でしょうか?まあ、バトル中心の回になったらたぶん本調子に戻るでしょう。寝て覚めればストレスがほぼ全て吹き飛ぶ僕です、スランプから抜け出すのもそう難しくはないでしょう。では、次回ですが、次回は7Pを登場させる予定です。では、お楽しみに。