二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 66章 戦 ( No.131 )
- 日時: 2011/08/13 15:44
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
イリスとミキはイッシュの東側を一回りすべく、その途中にあるサザナミタウンを訪れた。イリスは二度目である。
そしてもう一つ、二度目の事が起こっていた。
「な……これは……」
サザナミタウンは、プラズマ団の強襲を受けていた。
「イリス君!」
「ハルマさん……!」
プラズマ団とサザナミタウンの警備員達が戦っているのを呆然とみていたイリスに、一人の少年が駆け寄ってくる。
以前7Pの一人、ガイアに襲われたときに助けられた人物、ハルマだ。
「随分と悪いタイミングでここに来たみたいだね……早くこっちへ。今、PDOっていう人達が応援に駆けつけてきたところだ」
「PDOの人達が……!」
イリスとミキはハルマに連れられ、町の人達が避難している家屋へと向かっていった。
人々はこの町の隅っこに立てられた、無駄に大きく立派な屋敷に避難していた。
この屋敷はブルジョワール家とかいう富豪の別荘らしい。
「とりあえず、状況を整理しよう」
その別荘内の腐るほどある部屋の一つに、腕の立つトレーナーが集まっていた。
というか、ほとんど顔見知りだった。
まず暫定的に皆を仕切っているPDOのキリハ。
そして同じくPDOのリオとザキ。
他には幼馴染のチェレンとベル。
旅先でであったハルマとシザンサスにユウナ、デイン、ムントと、知っている顔ばかりだ。
唯一知らないと言えば、ミカンという若い女性だけだ。
「今、ここサザナミタウンはプラズマ団の強襲を受けている。プラズマ団はサザナミタウンで最も大きな建築物——サザナミ観光局本部を占拠して、そこを根城としている。敵はざっと千人弱、幹部クラスがいるかどうかはまだ分からないが、恐らくいるだろうね」
つまり、状況は絶望的という事らしい。
「避難した人の中から腕の立つトレーナーを片っ端から集めたけど……」
キリハの言葉はそこで途切れる。今この部屋にいるのは、十二人。対す相手は千人近くいるのだ。数だけで言えば百倍近くの差がある。
「キリハさん、敵の目的は分かっているんですか?」
「いや、不明だ」
イリスは前にもサザナミタウンでプラズマ団と戦った事があるが、確かあれは7Pの一人、アシドの独断行動だと言っていた。
だが今回は規模からしてプラズマ団の総意で行われている。という事は、ちゃんとした狙いがあるはずだ。
と、イリスが思案していると、部屋の扉が勢いよく開かれる。
「キリハさん、大変です!」
入ってきた人物は、どうやらPDOの隊員のようだ。
「何があったんだい?」
「敵がこの屋敷に攻め込んで来ました!」
『!?』
その場にいたほぼ全員が戦慄する。
「なんだと……皆さん、とりあえず外へ!ここがやられれば、元も子もない!」
そうして、イリス達も外へと駆け出す。
屋敷の周りは大量のプラズマ団に囲まれていた。そしてその筆頭が
【抵抗セズ投降スルガヨイ。抵抗スル者ハ例外ナク消シ去ッテクレヨウ】
7Pで最も異彩を放つ人物(人かどうかすら謎)、ドランだった。
「……これはもう、向こうがせめて来たならばこっちも敵陣に斬り込むしかないね」
玄関のドアの隙間から外を覗いているキリハは、そう呟く。
「でも、私達が全員で乗り込んだら、ここに避難した人達が危険にさらされる」
それもリオの言う通りだ。
「なら、ここに何人か残ればいいんじゃないか。そうだな……東西南北の四方をそれぞれ一人ずつ守る感じで、四人ここに置いていこう」
ザキがそう提案してくる。今は時間がないのでその作戦で行く事にし、誰が残るかを決める。
結果残る事となったのはキリハ、ザキ、ベル、ミカンだ。
「それでは、私が正面玄関を担当します。私のポケモンがプラズマ団を引きつけますから、その隙に皆さんは裏口から出てください」
そう言ってミカンはボールを片手に、玄関へと出る。
「出て来て、ハガネール!」
ミカンが繰り出したのは、鋼の塊を繋いだゴツイ蛇のようなポケモン。
鉄蛇ポケモン、ハガネール。メタゲラスと同じ鋼・地面タイプのポケモンだ。
「ハガネール、龍の息吹!」
ハガネールは威嚇のためか、龍の力が込められた息吹を放つ。プラズマ団の注意は図体のでかいハガネールへと向く。
そしてイリス達はその隙に、サザナミ観光局本部——プラズマ団の根城へと殴りこみに行くのだった。
【貴様、我々ノ邪魔ヲスル気カ?】
ドランは相変わらずの奇怪な声でミカンに問う。
「いえ、私はただ、人やポケモンを守りたいだけです」
【……行ケ、『ワラガシラ』】
ドランが繰り出すのは、ゴースト・電気タイプのポケモン、ワラガシラ。ワラコゾウの進化系だ。
【『ワラガシラ』、『炎のパンチ』】
ワラガシラは拳を握り、炎を灯してハガネールを殴りつける。
「くっ、ハガネール、アイアンテール!」
ハガネールは身を捻り、鋼鉄の尻尾をワラガシラに叩きつける。しかし効果いまひとつなので、決定打にはならない。
「ハガネール、地震!」
【『ワラガシラ』、『電磁浮遊』】
ハガネールは尻尾を地面に叩きつけて大きな地震を起こすが、ワラガシラは電磁力で浮遊し、その攻撃を回避する。
「ならば……ストーンエッジ!」
ハガネールは鋭く尖った岩を無数に発射し、ワラガシラに突き刺す。
【『ワラガシラ』、『シャドーパンチ』】
ワラガシラはハガネールのストーンエッジを耐え切り、影の拳をロケットパンチの如く放つ。
【止メダ。『アームハンマー』】
ワラガシラはハガネールの脳天にハンマーのような拳を叩きつけ、戦闘不能とする。
「ハガネール!」
ハガネールは相当硬いポケモンだが、ワラガシラの攻撃力も半端ない。
かくして、サザナミタウンの歴史にも載る大規模な戦いが、勃発したのであった。
自分で作っておいてなんですが、僕ドランが嫌いになりました。途轍もなく書きにくいです。いちいち括弧を変えなきゃいけないので、とても面倒です。なのでちゃっちゃとドランのポケモンを出して、出番を減らそうと思います。では、次回は何気に集結した全オリキャラ達がプラズマ団とバトります。敵キャラを投降してくだされば、この戦いに投入したいと思います。では、次回もお楽しみに。