二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 67章 手分け ( No.135 )
- 日時: 2011/08/13 21:14
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
プラズマ団の拠点に乗り込んだイリス達。
プラズマ団が拠点にしているサザナミ観光局本部には四つの入口があり、それぞれツーマンセル(一部スリーマンセル)で四方向から攻める事となった。
しかし、何名かは団体行動のできない者がいて、しかもプラズマ団の策略に嵌ったりなんだりで、結局全員バラバラとなってしまった。
だがしかし目的はこの建物を占拠しているプラズマ団の殲滅なので、むしろバラけている方が好都合かもしれない。
「さてはて、プラズマ団を殲滅するのが目的だとしても、肝心のプラズマ団がいないと何もできやしないよな」
イリスは一応周囲を警戒しながら、プラズマ団の拠点(途中襲ってきた下っ端から聞いたが、プラズマ団はここをPベースと呼んでいるらしい)の廊下を歩いていく。ちなみにここは二階。
「……ま、何もせずとも向こうから来るよね」
イリスが廊下の角を曲がると、そこには十数人ほどのプラズマ団が待ち構えていた。
「さてと、始めますか。下っ端なら幹部と戦う前のウォーミングアップにはなるっしょ」
言ってイリスはボールを構える。
リオと一緒に行動していたユウナは、プラズマ団が襲ってきてそれにリオが突っ込んでいったためにはぐれ、一人で行動していた。
「なんだか、嫌な予感がする……」
恐る恐る足を踏み出していくユウナ。臆病なためか、なかなか先へ進まない。
「何をそんなに怯えている?」
突然、ユウナは後から声を掛けられた。
「っ!?」
ユウナは慌てて振り向く。するとそこには、黒いフードの付いたローブを着ている人物がいた。フードに隠れて顔は見えないが、声からして男だろう。
「だ、誰ですか……?」
「俺の名はバルタ。ドラン様率いる天龍隊の兵士だ……まあ、今回は拠点の警備に充てられたがな」
言ってバルタはボールを取り出す。どうやら、やる気のようだ。
「行け、ギャラドス!」
バルタが繰り出したのは、水色の体の龍のようなポケモン。凶悪ポケモンのギャラドスだ。
「うぅ……ベクトル……」
ユウナはギャラドスの凶暴そうな相貌に萎縮してしまったのか、一歩後退する。体も震えていた。
「……ううん、逃げちゃダメ。戦わなきゃ、皆のために」
だがユウナは、勇気を振り絞ってボールを取り出し、バルタと戦う決意をする。
場所は変わってブルジョワール家の別荘。キリハはその北側を防衛していた。
「……遂に真打ち登場か」
雑魚下っ端を薙ぎ払っていったキリハの前に、如何にも強者といった風体の人物が現れる。
腰まであるゆるいウェーブがかった金髪を頭の上でお団子にしており、余った髪は垂らしている
服装は腕が出た丈の短いチャイナドレスに黒いズボン、足にはカンフーシューズ。
そしてピアス、ネックレス、ブレスレットといった装飾品。これに扇子でも持たせれば完璧な高飛車女の完成である。
「貴方、確かキリハとかいったかしら」
女は高圧的な声で、キリハに話しかけてくる。
「そうですよ。あなたは確か……マオさんでしたか」
キリハはマオを写真で一回、実際に一回、見た事がある。
マオはリオの実姉、過去にリオとバトルをして負かされて以来、リオを憎み全国を放浪。挙句の果てにはプラズマ団に入ってしまった人物である。
「先に言っておきますが、ここにリオはいませんよ。あなたはリオを倒そうとここに来たんでしょうけど、残念ながら入れ違いになってしまいましたね」
キリハの言葉を聞き、マオは露骨に舌打ちをする。キリハの予想はドンピシャだったらしい。
「……まあいいわ。ここで貴方を叩きのめせば、仲間思いのリオの事、苦しみもがくでしょうね。出て来なさい、ララミンゴ!」
マオが繰り出すのは、色も体型もフラミンゴのようなポケモン。水鳥ポケモンのララミンゴだ。
「……なんだか不本意な事態に巻き込まれた気がするけど、まあいいや。如何な敵であれ、如何な事態であれ、逃げずに戦わなきゃね」
キリハはやや投げやりだが、ボールを構える。
またまた場所は変わって、Pベース。
チェレンと行動をしていたシザンサスは、プラズマ団が襲ってきたのを良い事に、自らチェレンから離れた。
理由は、チェレンが嫌いだから。それだけである。
そして何気なく部屋の一つに入ると、そこには一人の女がいた。
7P、レイだ。
「まさか偶然入った部屋に幹部クラスがいるとは……アタシもツキがないね」
レイはそんなシザンサスの言葉を無視して、氷柱のような冷たく鋭い眼差しで睨み付ける。
「師匠はいったいどこへ行っちゃったんだろう……?」
イリス、ハルマ、ミキのスリーマンセルは、途中襲ってきたプラズマ団によって、離れ離れになってしまった。
「とりあえずは、敵を倒しながら師匠と合流しなきゃ」
そう意気込んでミキは階段を上り、九階建てのこの建物の中間辺り、五階へとやって来た。
そしてそこで、イリスを発見した。
「あ、師匠!見つけました!」
ミキはイリスに向かって一直線に走っていく。
「……ああ、ミキちゃんか。どうしたの?」
「どうしたのじゃないですよ。ずっと探してたんですよ」
まあ、すぐに見つかったが。
だが、ここで気づく人は気づくはず。
イリスは今現在、二階で下っ端を薙ぎ倒している真っ最中だ。
だからここにイリスがいるのはおかしいのだ。
だとすれば、もう一つ可能性がある。
「そうか……拙者も貴様を探しておったぞ」
イリスに見える何かがそう言った次の瞬間、その人物は何かの液体をミキの首筋に垂らし、ミキの意識を闇に沈めた。
ふう……とりあえずは何人分かのバトルフラグを立てれました。次回はバトルを織り交ぜつつこういうバトル直前、というのを書いていくことになるでしょう。では、次回もお楽しみに。