二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 74章 母国 ( No.152 )
- 日時: 2011/08/15 16:01
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
ブルジョワール家の屋敷にて行われているザキとサーシャのバトルは、かなり白熱していた。
ザキのポケモンは、格闘戦に優れた河童ポケモン、テペトラー。
サーシャのポケモンは、ヴォーナ(Вона)と名付けられた沼魚ポケモン、ラグラージ。
「テペトラー、マグナムパンチ!」
「ヴォーナ、怪力!」
テペトラーの大砲のような拳を、ヴォーナ(ラグラージ)は怪力で押さえ込み、そのまま地面に叩きつける。
「瓦割り!」
そしてそのままテペトラーの後頭部に手刀を叩き込み、テペトラーは地面(というか床)にめり込む。
「まだだ!テペトラー、冷凍パンチ!」
テペトラーは冷気を纏った拳を地面に叩きつけ、ヴォーナの足元を凍らせる。その隙に起き上がり、ヴォーナから距離を取る。
「行くぞ、サイコパンチ!」
次にテペトラーはサイコエネルギーを纏わせた拳をロケットパンチのように撃ち出し、ヴォーナを吹き飛ばす。
「っ、ヴォーナ、波乗り!」
ヴォーナはどこからか大波を発生させ、テペトラーを飲み込もうとするが
「マグナムパンチで吹き飛ばせ!」
テペトラーは大砲のような拳を繰り出し、襲い来る大波を吹き飛ばす。
「そこだ!オーシャンクロー!」
テペトラーはヴォーナが波乗り直後で動けない隙に接近し、海の力を込めた爪で、ヴォーナを切り裂く。
「ヴォーナ、テペトラーの足元に冷凍ビーム!」
ヴォーナはオーシャンクローを耐え、テペトラーの足元に氷の光線を放ち、テペトラーの身動きを封じる。意趣返しのつもりだろうか。
「怪力!」
そしてその直後、ヴォーナはゴツイ拳でテペトラーを殴り飛ばす。テペトラーは身動きが出来るようにはなったものの、壁に激突してかなりのダメージを受けた。
「これで終わりです。ヴォーナ、瓦割り!」
ヴォーナはテペトラーに接近し、手刀を振り上げ、それを振り下ろす。
しかし
「テペトラー、オーシャンクロー!」
テペトラーは上半身をずらしてヴォーナの瓦割りを回避。そしてそのままヴォーナの背後に回りこみ、海の爪で切り裂く。
「ヴォーナ!」
するとそうとうタフなヴォーナは、その場に崩れ落ちてしまった。
そしてそれと同時に、テペトラーも倒れる。
「オーシャンクローは超低確率で相手の弱点を突くタイプに変わる技だ。ま、その代わりに反動を受けちまうけどな。ラグラージの弱点は草タイプ、それも四倍だ。流石にその威力じゃ、お前の自慢のラグラージだって耐え切れねえだろうし、俺のテペトラーも反動がでか過ぎてやられちまった」
ザキはそう言いつつ、テペトラーをボールに戻す。
それと同じく、サーシャも倒れたヴォーナをボールに戻す。
「さて、次は第二戦。楽しくやろうぜ」
ザキはボールを構える。まだやる気のようだ
しかし
『サーシャ、聞こえますか……?』
サーシャが耳に付けているイヤホン型の無線機から、冷たく鋭い、氷柱のような女の声が聞こえてくる。
「レイ様……」
声の主は7P、レイだ。
『もし誰かと戦い、一度でも敗れたならば撤収しなさい……今回の任務は大方終了、氷霧隊は引き上げます。ですからあなたも、無理せずに戻りなさい……』
ブチッ
やや一方的な通信は切れた。
「よく聞こえなかったが、逃げるのか?」
ザキはそう言うも、顔には「逃がさないぜ」と書いてある。
「そうですね。命令ですので、私は撤退します」
そう言ってサーシャは走り出す。方向は今のバトルで破壊され、大穴が開いた壁だ。
「逃がすかよ!エレキブル、ギガスパーク!」
ザキは逃げるサーシャに対し、素早く雷電ポケモンのエレキブルを出し、巨大な雷電の球で攻撃する。
「リベルラ(Riberura)!」
だがしかし、その球は一匹のポケモンにより阻まれる。
全体的に緑色をしたドラゴンポケモン。目は赤いカバーで覆われている。
精霊ポケモン、または蜻蛉ポケモンと呼ばれるドラゴン・地面タイプのポケモン、フライゴンだ。
フライゴンは地面タイプの特徴を活かして電気技であるギガスパークを無効化し、背にサーシャを乗せる。どうやら逃走用らしい。
「Мы всегда побеждают И мы бессмертны(我らに勝利を、我ら不滅なり)」
サーシャはそう呟く。母国語なのか、ザキには理解できない。
「私は撤退しますが、プラズマ団は負けていません。貴方もじき分かるでしょう、私達の偉大さ、強大さが」
そう言い残し、サーシャは去っていった。
イリスは階段を駆け降り、途中下っ端も数名蹴散らしつつ、なんとか地下植物園へと辿り着いた。
「焦るな、僕……たぶん、これは罠だ。ミキちゃんが捕まったのは本当だろうけど、真の目的はここに僕を誘導する事だ……」
イリスは気を落ち着けつつ、自分の置かれた状況を理解する。まあこれが罠だとしても、その罠に掛からなければミキを助ける事はできないので、イリスはあえてその罠に突っ込んでいくわけだが。
「それじゃ……行くか」
そう言ってイリスは一歩踏み出すと
「痛ッ……!」
足にトラバサミが刺さっていた。
イリスは力ずくでそのトラバサミを外し、もう一つ理解する。
「……成程。つまり、罠だらけの植物園で、宝探し……いや、姫君探しってところか」
そう、この植物園には無数の罠が仕掛けられている。流石に爆発するようなものはないが、トラバサミや落とし穴、網などのブービートラップが張り巡らされているのだ。
「ま、ミキちゃんのためだ、やってやるさ」
イリスは再度、植物園へと足を踏み出す。
今回は……まあ、特に説明するようなことはないんですけどね。あえて言うなら終わりが微妙という事くらいですが、それはもうどうしようもないのでお見逃しください。今回は最後がイリスなので、次回は前半が誰かと誰かのバトルを決着させて、最後がミキとハンゾウのバトルをちょこっと、という感じにしようと思います。では、次回もお楽しみに。