二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 4章 旅立ち ( No.17 )
- 日時: 2011/07/29 10:28
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
「助けてくれてありがとうございました。ええと……ハルマさん?」
「いいよ、気にしないで。それに、ポケモンにトレーナーを攻撃させる所を見て、見過ごす事なんてできないしね。ところで、君達は?」
「僕はイリスです。えっと……まあ、トレーナーですよ」
イリスの表情が一瞬苦くなる。一年前の事を思い出したのだろう。
「僕はチェレン。夢はチャンピオンになる事です」
その夢まだ捨ててなかったのか、と三人は心の中でツッコミを入れる。
「アタシはベルです!やりたい事とかはまだ探し中だけど、今はポケモンの研究方面に興味があります!」
初耳だった。
「私はミキです。イリス師匠の弟子です」
一人特色のある自己紹介。
「イリス……? なにか、聞き覚えがあるような……?」
ドキッ
イリスの心臓の心拍数が跳ね上がる。イリスは一年前にNを倒した事で城にいた他のプラズマ団を一挙に逮捕する事ができ、国際警察から感謝状をもらっていたりする。その時に名前も知れ渡ってしまった。
「気のせいですよ、きっと。それよりも、ハルマさんって強いですね。どこで鍛えたんですか?」
イリスは話を逸らそうと頑張ってみる。
「やっぱりジム巡りかな。僕はホウエン地方出身で、そこのジムを全て制覇してるんだ。もっともしかし、四天王には挑戦してないけどね。今はイッシュのジムを巡り終えた所」
「凄いですね……ホウエンとイッシュ、二つの地方のジムを制覇するなんて……」
イリスはただただ感心するばかりだった。
話もそこそこに切り上げ、ハルマとは別れた。だがイリスはまた会いそうな予感がする。
イリスは自宅へと戻り、今は自室で読書中。
「師匠、ご飯できましたよー」
ミキが部屋に入り、夕飯を知らせてくれる。ちなみに今のミキはいつもは二つに結っている髪をポニーテールにしている。たぶん母親の手伝いをしていたからだろう。母親もたいそう喜んでいる。
「分かった。今行くよ」
イリスは一階のリビングへと向かう。最後の晩餐……は流石に大袈裟でも、またしばらくは母親の料理を食す事ができないのだ。よく噛み締めて食べるとしよう、そう思っていた。
翌日。
イリスはカノコタウンを出ていた。それも無断で。
「プラズマ団はもう動き出している。だったら、少しでも強くならないと。そしてあわよくば、奴らの拠点を探し出す」
イリスは昨日のプラズマ団の襲撃で、プラズマ団の準備期間が終了した事を悟った。だったらいつまでもカノコタウンでのんびりしているわけにもいかないという事で、家を出た。家出ではない。
「まずはそうだな……ソウリュウシティの先にあるビレッジブリッジを目指すか。……出て来い、ウォーグル」
イリスは目的地が決まると、勇猛ポケモンのウォーグルを出し、それに乗る。歩いてソウリュウシティに向かっては、何日かかるか分かったもんじゃない。
11番道路。
大きな滝が流れる川の上に造られた道路で、清流が道路内をめぐり、美しい景色が生まれた道だ。
ちなみにこの道路は外国から訪れたトレーナーが多く通る。何故かは謎だ。
「本当、でかい滝だな」
イリスは巨大で圧巻な滝を見つめめ、感傷に浸っている。
すると、滝の中から鉄砲水のような水流が噴き出した。
「…………」
イリスはびしょびしょになり、ややキレかけ。
「メリープ、電気ショックだ」
いや既にキレていた。ボールから出たメリープは滝に向かって電気を放ち、電流を流す。すると中からオレンジ色のイタチのようなポケモンが飛び出した。
「海イタチポケモンのブイゼル、水タイプか。海イタチのくせに川にいたり、いきなり人に水ぶっ掛けたり、舐めた真似しやがって。メリープ、電気ショック!」
メリープは電撃を放ち、ブイゼルに電流を流す。しかしブイゼルはそれを軽快な動きで回避し、口から水を発射する。
「水鉄砲……これだな、僕を濡らした技は。メリープ、もう一度電気ショック!」
メリープはさらに電気を放つが、ブイゼルは素早く動いてそれをかわしていく。
「だったらこれでどうだ。スピードスター!」
メリープは無数の星を飛ばし、ブイゼルを攻撃。スピードスターは必中技なので、ブイゼルも避けきれずにその攻撃を喰らってしまう。
しかしブイゼルはすぐに体勢を立て直し、水流を身に纏って突撃する。
「速い……メリープ、スピードスター!」
メリープは再度すぴどースターを飛ばそうとするが、その前にブイゼルは尻尾から衝撃波を放ち、メリープを攻撃する。
「メリープ、電気ショック連発!」
メリープは単発では当たらないと思ったのか、四方八方に電撃を乱射する。
するとその作戦は成功し、ブイゼルは電気ショックを避けきれずに喰らってしまう。しかもその際に麻痺状態にもなった。
「体当たり!」
そしてメリープはブイゼルに向かって走り、その体で体当たりをする。
「スピードスター!」
そして際以後はスピードスターでブイゼルを切り刻む。
しかしブイゼルはまだ戦闘不能になっていなかった。だがそれも、イリスの考えの一つだ。
イリスは倒れ伏した部位ゼルに向かってモンスターボールを投げる。ボールはブイゼルに当たるとブイゼルがボールの中に入っていく。
「…………」
カチ、カチ、カチと小気味良い音が三回鳴った後、カチンという音が聞こえ、ブイゼルは捕獲された。
「ブイゼルゲット!」
イリスはボールを手に、高らかに言う。何気にブイゼルが気に入ってしまったのだ。
「ん? ボールが……」
ブイゼルを捕獲したボールを見ると開閉ボタンが赤く点滅している。
「ああ、そうか。そういえば今ポケモン六体だった。一旦ソウリュウに戻って、ポケモンを入れ替えてくるか」
かくして、イリスの新たな旅が始まった。
今回はブイゼルゲット、そしてイリスの新たな旅の始まりです。前作では街ごとに区切ってましたが、今回は『第一幕』みたいな感じで区切ろうと思います。では、次回は……特に決まっておりません。いや、大体決まってはいるのですが、絞れていないという感じで……まあとにかく、次回もお楽しみに。