二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 102章 イリスvsN Ⅵ ( No.204 )
日時: 2011/08/25 22:30
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

「メタゲラス、アイアンヘッド!」
「シルドール、コスモパワー!」
メタゲラスは鋼鉄の如き頭を突き出してシルドールに突撃するが、シルドールは大宇宙の力を込めた盾でその突撃を防御する。
「シグナルビーム!」
メタゲラスの攻撃を防ぎきったシルドールは盾の間からカラフルな光線を発射してメタゲラスを攻撃。
しかしシグナルビームは虫タイプの技で、メタゲラスには効果いまひとつ。さらにメタゲラスは堅いので、あまり効果的なダメージは与えられない。
「メタゲラス、砂風だ!」
メタゲラスはシルドールとの距離が出来た状態で砂を舞い上げる突風を起こす。
シルドールは両盾を前に突き出してその風を防ぐが、流石に風という見えない攻撃をノーダメージで防ぎきる事はできず、いくらか喰らってしまった。
だがそれでも、大したダメージじゃない。
「次はストーンエッジだ!」
メタゲラスはめけずに鋭く尖った岩を無数に出現させ、シルドールに向けて一斉に飛ばす。
しかしシルドールは盾を使って飛来する岩を全て防御、今度の攻撃は全て防ぎ、ノーダメージだ。
「砂風ばっかりじゃ、流石に無理があるな……だったらこれでどうだ。グラビティコア!」
メタゲラスは頭上に超重力の巨大な黒い球体を作り出し、それをシルドールに向けて放つ。
グラビティコアは自分の方が相手より重ければ威力が増し、なおかつ高威力の技だ。もし上手く決まれば、倒せないまでも大ダメージを与えられるかもしれない。
だが、世の中そう上手くいくものではない。
「シルドール、コスモパワーだ!」
シルドールは両盾に大宇宙の力を込め、迫り来る超重力の黒球に盾を突き出す。そしてその盾でグラビティコアを受ける。
(まさか、これも受けるなんて……)
イリスは驚愕しながらシルドールを見ていると、やがてグラビティコアは小さくなっていき、最後には音もなく消滅した。
「さて、反撃だシルドール。サイコバーン!」
シルドールは爆発のような念動力の衝撃波を放ってメタゲラスを攻撃。
幸いな事にシルドールの覚えている攻撃技の中で、メタゲラスに有効なダメージを与えられる技はない、どころか全ていまひとつか無効だ。
なのでそれなりに、粘る事ができる。
「ぐっ、メタゲラス、アイアンヘッド!」
メタゲラスはサイコバーンを喰らってすぐ、頭を突き出してシルドールに突撃。だがやはりシルドールは両手の盾でその突撃を止めてしまう。
「連続でサイコバーンだ!」
シルドールは零距離まで接近してきたメタゲラスに連続サイコバーンを浴びせる。堅さが自慢のメタゲラスだが、流石にこの連撃には耐えられず、吹っ飛ばされてしまう。
「まだだメタゲラス!砂風!」
上手く着地したメタゲラスは反撃にと砂風を放とうとするが、砂風は放たなかった。

代わりに地面から大量の土砂が放たれ、シルドールを吹き飛ばした。

「!? シルドール!」
いきなりの攻撃に防御が遅れたシルドールは吹っ飛ばされて結構なダメージを受けてしまった。
「今のは……?」
イリスもメタゲラスの使う見た事もない技を図鑑で調べると、そこには大地の怒りと記されている。
「大地の怒り……新しい技か。それにしても、凄い威力だな……」
さっきの一撃で、メタゲラスよりも堅いシルドールは吹き飛ばされ、地面も大きく抉れている。代わりにメタゲラスも反動を受けているようだが。
「もしかしたらこれを使えば……メタゲラス、大地の怒り!」
メタゲラスは地面を踏み鳴らして地中より大量の土砂土石をシルドールに向けて放つ。
「シルドール、コスモパワーで防御だ!」
しかしシルドールはコスモパワーで防御能力を上げ、両手の盾で襲い掛かる土砂を防御する。
「もう一度大地の怒り!」
メタゲラスは再度地中より土砂を放つが、シルドールはそれも防御。
大地の怒りはメタゲラスの覚えている技の中で最も威力が高い技、しかしそれ以上にシルドールの防御力が高い。
どうやら新しい技を覚えたはいいが、これを使っても勝ち目は薄そうだ。
(どうすればいい……!)
正面と横からの攻撃は両手の盾、後ろからの攻撃は背中の盾で防御されてしまう。しかもその防御は完全で、メタゲラスでさえ突破できない。
(砂風の時にはまだ盾の隙間を攻撃できたんだけどな、頭とか……ん? 頭……?)
そこでイリスは、シルドールを倒す作戦を思いついた。
これが成功すれば、恐らくシルドールは倒せるだろう。
だが成功しなければ、もう打つ手がない。シルドールに嬲られるだけだ。
(一か八か、この一撃に賭ける……!)
イリスは覚悟を決め、メタゲラスに指示を出す。

「メタゲラス、大地の怒り!」

メタゲラスは地面を踏み鳴らして地中より大量の土砂……が、出ない。
しかしシルドールは時間差で来るだろうと思い、盾を構えている。
だがそれは無駄なのだ。何故なら

シルドールの真下の地面から、大量の土砂が噴出した。

「シルドール!」
シルドールは真下という意外な場所からの攻撃を予測できず。いや予測できたとしても防御はできないあだろう。
シルドールの防御は四方八方どこからの攻撃でも防げるが、それはあくまでもフィールドを平面に見たとき。
だから頭や足など、上下の攻撃は苦手なのだ。
ただ頭なら盾を持ち上げれば防げるが、下から、それも真下からとなると、防御は不可能。
鉄壁無双のシルドールにも、隙はあったのだ。
大地の怒りの直撃を受けて戦闘不能となったシルドールは、Nのボールへと戻された。
「負けたよ、イリス。まさかシルドールまで倒されるとは思ってなかった」
メタゲラスをボールに戻すイリスに近づきつつそう言うN。
トレーナー同士の健全なバトルの後なのだが、そこに水を差す人物が一人。

「ケヒャハハハ!英雄の弟子を捕まえに来たつもりが、まさか英雄二人が揃ってるなんてね。良い素材がセットで並んでるよ!」

『!?』
イリスが振り返り、Nが上を向くとそこには
「また会ったな。折角だからもう一度名乗ってやる。僕はアシド、7Pにしてグレイトデジーニアスな科学者さ」
が、UFOのようなポケモン、ジバコイルに乗って、そこにいた。



今回はイリスvsN、決着でメタゲラスが新技習得、そして7Pの一人、アシドも再登場です。相変わらず変な笑い方で嫌なキャラですが、何故だかアシドの台詞は頭の中にポンポンと次から次へと出てくるんですよ、不思議ですね。次回はアシドとのバトル、そしてアシドの切り札登場です。お楽しみに。